【予約タイミング次第】早割よりも株主優待のほうが安くなるフライト目的地とは?

配信日: 2023.04.05

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【予約タイミング次第】早割よりも株主優待のほうが安くなるフライト目的地とは?
東京からおよそ290キロメートル離れたところ。都庁から同心円をざっくり描いてみると、山形、金沢、桑名など各市の中心部あたりになることが確認できます。
 
そのくらいの距離感になりますが、実は、東京都内にも該当するところがあるのです。それは、どこか。
上野慎一

執筆者:上野慎一(うえのしんいち)

AFP認定者,宅地建物取引士

不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー
横浜市出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、大手不動産会社に勤務。2015年早期退職。自身の経験をベースにしながら、資産運用・リタイアメント・セカンドライフなどのテーマに取り組んでいます。「人生は片道きっぷの旅のようなもの」をモットーに、折々に出掛けるお城巡りや居酒屋巡りの旅が楽しみです。

都内だけど、300キロメートル近くかなたの地

答えは八丈島です。かつては、島流し・流刑の地でもありました。今や、ダイビングなどマリンスポーツ、ホエールウォッチング、そして温泉と、いろいろな楽しみがある観光スポットです。戦国武将の宇喜多秀家(関ヶ原合戦で西軍副大将格をつとめて敗れた)が初の流刑者として半世紀近く過ごして(83歳で死去)眠る地でもあります。
 
東京からの交通手段は、船便か航空便になります。ざっとした所要時間や運賃例は、次のとおりです。

<船便>

◇発着   東京・竹芝桟橋~(大島・三宅島・御蔵島経由)~八丈島・底土港
◇便数   1日1便
(東京22:30発⇒八丈島8:55着、八丈島9:40発⇒東京19:50着)
◇運賃例  特2等(相部屋・2段ベッド)15,340円、特1等(4名定員)24,550円など

<航空便>

◇発着   羽田空港~八丈島空港
◇便数   1日3便
(羽田7:30発⇒八丈島8:25着、八丈島9:05発⇒羽田10:00着など)
◇運賃例  普通運賃21,700円(通常期)~27,400円

 

早く効率的に到着したい場合は、やはり航空便

船便は船室のグレードで運賃にかなり幅がありますが、タイムパフォーマンスを重視するならば、やはり航空便でしょうか。
 
なお、船便・航空便ともに早期購入割引など割引制度が導入されています。航空便はANA(全日空)だけの運行なので、同社のサイトで調べてみましょう。例えば[羽田7:30発⇒八丈島8:25着、2023年3月14日搭乗、普通席]を30日前の同年2月12日時点で検索すると、例えば次のような割引運賃が表示されました。○×は、便の変更ができるかどうかを示しています。

(1)スーパーバリュー28  14,670円 ×
(2)ビジネスきっぷ     16,970円 ○
(3)株主優待割引     11,270円 ○

上記の検索条件での普通運賃(フレックス)は22,170円です。30日前というタイミングで、(1)ならば34%くらい割引されます。ただし、便変更ができません。(3)は上記例の中では一番安くしかも便変更までできますが、「株主優待券」を入手して優待券に記載された番号やパスワードを登録しなければ割引適用されません。
 

「株主優待券」をいくらで入手できるか次第

ところで、先述の事例で(1)スーパーバリュー28と(3)株主優待割引の差額は3,400円。ANAやJAL(日本航空)などの株主優待券、実は金券ショップで簡単に入手できます。販売店や有効期限によりますが、2,500円前後で買える場合もあります。株主優待割引ならば往復で1,800円安くなり、しかも急な場合の便変更もできるのです。
 
こうした株主優待券ですが、通信販売している金券ショップもあり、中には先述の優待券番号やパスワード(優待券面上で隠されている部分をスクラッチして判読する)をメール通知する形にして郵送料不要なサービスを提供しているところもあります。
 
ちなみに筆者は、同区間往復を約1ヶ月前に株主優待割引で搭乗予約。通販の金券ショップでANA株主優待券(1枚2,300円、送料無料)を2枚購入して搭乗しました。万が一のときに予約変更できる安心感を手にしたうえ、2,400円(片道差額3,400円-優待券代2,300円=1,200円 の往復分)も安くなった。かなりのおトク感でした。
 

まとめ

今回の区間でも、もちろんもっと早めに予約すれば、(便変更はできませんが)、「スーパーバリュー」早期割引運賃のほうがトータル金額ではおトクになります。要は、(A)早期割引運賃-株主優待割引運賃、(B)株主優待券購入費用(金券ショップまでの交通費や郵送料を含む)として、[(A)>(B)]であればあるほど、やってみる価値はあるわけです。
 
ちなみに、先述と同じ日程の30日前予約で[羽田⇒福岡]の7時台のANA便を検索してみたところ、[スーパーバリュー28 18,780円 < 株主優待割引 23,080円]でした。こちらでは、わざわざ株主優待券を購入する意味はありません。
 
JAL、スカイマーク、スターフライヤーと競合他社が多いため、同じ「スーパーバリュー28」でも割引率が高く設定されているのでしょう。ANAだけ運行している羽田・八丈島区間との違いを感じます。
 
航空運賃は、競合や需要予測を反映して、また予約時期によって、割引後の運賃が大きく変動する。今回、そのことを改めて実感しました。
 
航空便利用の旅のスケジュールが固まったら、まずは航空会社のサイトで実際の運賃を確認してみる。そこに株主優待割引の優位性がないかどうかもチェックしておく。そうすることによって、かなりのおトクにつながる場合があるかもしれません。
 
執筆者:上野慎一
AFP認定者,宅地建物取引士

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