更新日: 2023.04.07 その他暮らし
ドラえもんがひみつ道具を「有料化」した場合、のび太は年間「1000万円」以上の支払いが必要!? 価格設定を検証!
本記事では、ドラえもんのひみつ道具を有料レンタル化する場合、どれくらいの料金が妥当かを検証します。いつか来るかもしれない未来を想像しながら、読み進めてみてください。
執筆者:橋本華加(はしもと はるか)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
ひみつ道具のレンタル料を試算する方法は?
一般的に、物やサービスの価値を表す「値段」を決めるためには、3つの方法があります。
●原価を考慮して設定する方法
●需要を考慮して設定する方法
●競合価格を考慮して設定する方法
ドラえもんのひみつ道具のレンタル料金の設定は、仕入れコストや買い手側の希望価格を算出するのが難しいため、3番目に紹介した「競合価格を考慮して設定する方法」をもとに試算します。参考とする競合価格は、現在社会に実在するサービスの料金を参考にしました。
ひみつ道具のレンタル料金を試算してみた
今回レンタル料金を試算するひみつ道具は、以下の2つです。
●タケコプター
●どこでもドア
どちらもドラえもんの物語のなかではおなじみの道具ですね。それぞれ詳しくみていきましょう。
タケコプターのレンタル料金は?
タケコプターとは、体の好きな部分に取り付けるだけで空を自由に飛ぶことができる道具です。公式の設定では時速80キロメートルで連続8時間まで飛行可能となっています。
タケコプターのレンタル料金を試算するために、ヘリコプターチャーター料金を参照しました。乗り合いで利用するデイクルーズの場合、現行のヘリコプターのチャーター料金は10~20分で1人あたり5000~1万5000円の価格設定が相場となります。
例えば、時速180キロメートルのヘリコプターの10分間フライト料金が1人あたり1万円だったとすると、ヘリコプターで1キロメートルを移動するために支払う料金は約333円と試算されます。移動時間がより短いサービスの方が価値が高いとする場合、タケコプターはヘリコプターの約44%の速度であることを加味すると、1キロメートルを移動するために払う料金は約147円が妥当といえます。
つまりこの場合の試算は、タケコプターにレンタル料金を設定するならば1キロメートルあたり147円が妥当という結果になりました。
どこでもドアのレンタル料金は?
どこでもドアは、好きな場所に移動できる道具です。たとえ地球の裏側でも、一瞬で移動できる便利さが魅力ですね。
どこでもドアのレンタル料金を試算するために、航空機チケット料金を参照しました。東京発沖縄行きの往復航空運賃の年間平均相場は、オンライン旅行会社Trip.comの発表によると3万9557円です。仮に航空機が成田空港発の便であるとすれば、那覇空港までの飛行距離は片道で約1887キロメートルとなります。
これらから航空機で1キロメートルを移動するために支払う料金は約10円と計算されるため、どこでもドアのレンタル料金を同等に設定するならば1キロメートルあたりの移動で10円が妥当という結果になりました。ただしどこでもドアの場合は、航空機のようなチケット手配の手間や搭乗時間、移動時間などがなくなるため、より高い料金を設定しても十分納得されると推測できます。
今までどおりの道具の使い方をする場合、のび太くんはどれくらいの資金が必要?
アニメのなかでは、のび太くんは日常的にドラえもんからひみつ道具を借りて生活をしています。もしもドラえもんがひみつ道具レンタルを有料化するとした場合、のび太くんがひみつ道具を今までのように使うためには、どれくらいの資金力が必要なのでしょうか。
先述したタケコプターとどこでもドアを、以下の条件で使用した場合を考えてみます。
●週5日、寝坊をして学校に登校するためにタケコプターを1キロメートル使用
●週3日、帰宅後に遊びに行くためにタケコプターを2キロメートル使用
●週1回、世界各地に遊びに行くためにどこでもドアで移動。地球一周が約4万キロメートルであるため、平均往復移動距離を2万キロメートルに設定
この条件の場合、毎週かかる金額合計が20万1617円となり、年間では1048万4084円の資金が必要という計算結果となりました。ドラえもんの道具の便利さを考えれば、この金額は決して高くないのかもしれません。
執筆者:橋本華加
2級ファイナンシャルプランニング技能士