更新日: 2023.04.18 その他暮らし
イタい!電気代の値上がり!大手電力会社の値上げ徹底比較
今回は、世界情勢と電気代の関係、また、大手電力会社の値上げ推移を調査しました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
各地から悲鳴が。値上げの原因は?
電気代は、高騰の一途をたどっています。なぜこのような事態が起きてしまっているのでしょうか。
日本の発電量資源の割合は、2019年度時点で、天然ガスが約37%、石炭が約32%、石油が約7%であり、その日本のエネルギーは、海外からの輸入に大きく依存しています。これらの燃料価格の高騰に加え、ウクライナ情勢がロシア産資源の需給バランスを崩し、日本の電力会社の「仕入れ価格」にも影響を与えています。
こうした背景から、複数の大手電力会社が2023年4〜6月に、28〜45%の値上げを申請しました。今後もさらなる値上げが続く可能性があります。
電気代にかかわる「燃料費調整単価」ってなに?
私たちが支払う電気料金には、基本使用料と電力量料金が含まれています。この二つのほかに、設定されている料金が「燃料費調整単価」です。燃料費調整単価はその名の通り、燃料の値段によって調整される料金のことをいいます。
日本は海外からエネルギーを輸入しているため、火力発電に使われるエネルギー資源の価格は、常に為替や世界情勢の影響を受けています。このような、エネルギー価格の変動に伴って電気料金を変更することは、利用者に混乱を招き、現実的ではありません。
こうした値段の変化に併せて設定されたのが、燃料費調整単価です。基本使用料や電気量料金との合算額から、金額を差し引きして調整します。この燃料費調整単価は、数ヶ月前のエネルギー価格を反映しています。そのため、現在の電気代が高いと感じる場合、数ヶ月前に、エネルギー価格が高騰した要因があったと考えられます。
大手電力会社の値上げを比較
それでは実際に、大手電力会社10社の低圧電力料金を比較してみましょう。
開始時期 | 電力会社 | 基本料金(現在) | 基本料金 (値上げ後) |
電力量料 (現在) |
電力量料金 (値上げ後) |
---|---|---|---|---|---|
2023年4月 | 東京電力 | 1122円 | 1138円 | 15円 | 15円 |
関西電力 | 1078円 | 1100円 | 12円 | 12円 | |
中部電力 | 1369円 | 1392円 | 18円 | 18円 | |
東北電力 | 1265円 | 1323円 | 17円 | 27円 | |
九州電力 | 1012円 | 1023円 | 15円 | 15円 | |
中国電力 | 1111円 | 1203円 | 13円 | 14円 | |
四国電力 | 1116円 | 1116円 | 16円 | 25円 | |
北陸電力 | 1166円 | 1166円 | 12円 | 26円 | |
沖縄電力 | 1331円 | 1383円 | 18円 | 32円 | |
2023年6月 | 北海道電力 | 1287円 | 1343円 | 17円 | 32円 |
※筆者作成
この値段から、さらに「燃料費調整単価」が差し引きされます。電気代の負担は、料金プランによって軽減される可能性があるため、プランの確認と変更を検討するのもよいでしょう。
政府が「エネルギー価格の負担軽減策」を開始
事業所や各家庭で高熱費負担が増えたのを受け、政府は2022年10月に「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」の閣議決定を行いました。この政策は、政府が電力会社に予算の補助を行い、電力利用者の請求から補助分を値引きすることで、各家庭の負担を軽減するものです。
電気だけでなく、都市ガスが対象となっているのもうれしいポイント。割り引きされるのは「電気料金や都市ガス料金の算定に用いる使用量あたりの単価(燃料費調整単価、基準単位料金または調整単位料金)」で、以下の通りです。
適用期間 | 電気(低圧) | 電気(高圧) | 都市ガス |
---|---|---|---|
令和5年1月使用分(2月検針分)から 令和5年8月使用分(9月検針分) |
7.0円 | 3.5円 | 30円 |
令和5年9月使用分(10月検針分) | 3.5円 | 1.8円 | 15円 |
※経済産業省ホームページ「電気・ガス価格激変緩和対策の実施のため、電気・ガス料金の値引きを行うことができる特例認可を行いました」参照
割り引きは電力会社が直接行うため、特別な申請などは必要ありません。
この政策は、2023年1月以降の使用分(2月以降の請求分)から適用されており、内容は請求書や検針票に記載されます。気になる方は、ぜひチェックしてください。
省エネ家電の買い替えで電気代を節約
電気代はエネルギー価格に影響されるため、節約するのが難しいと感じる方もいるかもしれません。そんなときは「省エネ家電」への買い替えがおすすめです。省エネ家電を使用することで、長期的に電力消費量が抑えられ、電気代の節約につながります。
電力を多く消費する家電は、冷蔵庫です。しかし、家電は年々、省エネ技術が進歩しており、現在の冷蔵庫は、2009年頃のものと比べて、電力消費量が40〜47%も減っています。
また、電球を発光ダイオード(LED)に替えれば、86%削減。テレビも、2010年時点のものと比較すると、42%も電力負担を減らせるため、簡単に電力消費を抑えられるでしょう。
電気代の値上がりに備えよう
年々、負担が増しているように感じられる電気代。電力料金の単価を減らすのは難しいけれど、電力会社のプランを変更したり、省エネ家電に変えたりするなど、節約の方法は多く存在します。まずは、手を付けられる範囲から、少しずつ電気代高騰に備えていきましょう。
出典
経済産業省 電気・ガス価格激変緩和対策の実施のため、電気・ガス料金の値引きを行うことができる特例認可を行いました
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー