年収が800万だった場合、「産休・育休中」半年間の手取り額はいくら?

配信日: 2023.04.19

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年収が800万だった場合、「産休・育休中」半年間の手取り額はいくら?
産休中や育休中の収入がどうなるか不安である。そんな話をほうぼうで耳にします。これから始まる子育てを考えると育休中もできる限り収入を得ておきたいところです。産休中の不安を解消するため、産休・育休を開始してから半年間における手取り収入について考えていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

産休・育休中は給料が支払われない会社がほとんど

現実問題として産休や育休中は給与が支払われない会社がほとんどです。大手企業など福利厚生が充実しているようなごく一部企業であれば別かもしれません。しかし、多くの場合は給与が支払われず、年収800万円であろうと基本的に給与の支払いが受けられず手取り自体は0円となるでしょう。
 
ただ、産休は産前産後休業として産前6週間から産後8週間、その後は最長で子が2歳になるまで育児休業(育休)として、雇用形態を問わず全ての女性が取得できるよう法律で義務付けられています。その間勤務先との雇用は維持され、さらに勤務先の社会保険に加入したまま社会保険料の支払いは免除されます。
 
それによって、産休・育休中の生活の負担は軽減され職場での復帰もしやすいようになっています。
 

給与の代わりに出産手当金と出産育児一時金の支給がされる

産休中、勤務先から給与が支払われない場合は、出産手当金として休んだ日1日につき標準報酬日額(社会保険料の基礎となる給与額を1日当たりに換算したもの)の3分の2が支給されます。
 
原則出産以前の42日、出産後56日で合計98日支給が受けられるため、年収800万円の方が産休を取得すると148万円ほど受け取れると想定されます(賞与については加味せず月額給与は67万円程度と想定)。
 
また、出産育児一時金は収入にかかわらず一児につき原則42万円が支給されます。これらは健康保険から支給されるものになっています。詳細については加入している健康保険組合などへご相談ください。
 

育休中は育児休業給付金が受け取れる

産休が終わり育休に移行する際、勤務先から育休中の給与を受け取れない場合、最大2年間、育児休業給付金を国の雇用保険から受け取ることができます。育児休業給付金は、次の計算式で算出できます。
 
育児休業給付金の額=休業開始時賃金日額(簡単にいうと直近6ヶ月の日給相当額)×支給日数×67%
※給付率67%の場合、支給上限額(30日当たり)は30万5319円となります。
 
参考までに、年収800万円の方が育児休業給付金によって支給される金額は、半年間で183万円程度と想定されます。(賞与については加味せず月額給与は67万円程度と想定)
 
育児休業給付金は収入によって支給額が変化するのですが、年収800万円もあると支給上限額に達してしまい、年収800万円という収入に比べるとやや金額が低く感じてしまうでしょう。
 
詳細については勤務先の事業所の所在地を管轄するハローワークへご相談ください。
 

住民税に注意

育児休業給付金においても所得税や社会保険料が非課税とされるため支給金額がほぼ全額手取りになるようなイメージです。しかし、住民税は別です。住民税は現在の収入についてではなく前年の収入を基に課されるため育休中でも発生します。
 
家族構成など控除の内容によっても異なりますが、昨年の給与収入も800万円と仮定すると、予想される住民税は半年間で22万8000円程度となります。
 
基本的に産休中や育休中に受け取る給付金は非課税で社会保険の負担もありませんが、前年の給与収入を基に課税される住民税は発生することを覚えておいてください。
 

年収800万円でも産休・育休中は手取り0円がほとんど

産休中は年収に関わらず多くの会社で給与が支給されず手取りは0円となってしまいます。しかし、産休中は健康保険から手当てを受けられます。それによる手取り金額は年収800万円あれば出産手当金で148万円、出産育児一時金が42万円(子どもは1人と仮定)で合計190万円ほどと想定されます。その後も育休中は育児休業給付金を受け取ることができます。
 
子どもが生まれるとさまざまなことが起き、お金も必要となります。産休や育休を取得する場合は勤務先に給与の確認をしつつ、自分の受け取れる諸手当の内容や金額についても確認しておくようにしてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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