更新日: 2023.04.25 その他暮らし

【2023年4月から】「年金生活者支援給付金」の金額アップ? どんな人が受け取れる?

【2023年4月から】「年金生活者支援給付金」の金額アップ? どんな人が受け取れる?
「年金生活者支援給付金」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。おそらく初めて耳にする人も多いでしょう。ここでは年金生活者支援給付金がどういう目的で制度化され、どういった内容なのかなどについて説明します。また、物価が高騰していますが、この給付金も増額されるのでしょうか。こうした情報もあわせて紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

年金生活者支援給付金とはどんなもの

年金生活者支援給付金は、公的年金などの収入が一定額以下の人の生活支援を目的に、年金に加算して国が支給するものです。消費税率が10%に引き上げられた際に、2019年10月からこの制度が始まっています。
 
この給付金は受給している公的年金に合わせて「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3種類があります。次に、それぞれの給付金ごとに支給対象者と支給額をみていきます。
 

年金生活者支援給付金の対象者と給付金額はどうなっているの?

給付金の種類ごとに支給対象者と給付金額を説明します。
 

・老齢年金生活者支援給付金

老齢年金生活者支援給付金の対象者は、「65歳以上の老齢基礎年金の受給者」「世帯の全員が市町村民税非課税」「前年の公的年金等の収入金額(障害年金、遺族年金などの非課税収入は含みません)とその他の所得との合計額が88万1200円以下(78万1200~88万1200円以下の場合は、『補足的老齢年金生活者支援給付金』が支給されます)」という3つの要件をすべて満たす人です。
 
令和5年4月以降の給付額は、次の2つを合計した金額になります。「保険料納付済期間による月額=5140円×保険料納付済月数÷480月」+「保険料免除期間による月額=1万1041円×保険料免除月数÷480月」です。
 
前年収入合計額が78万1200円~88万1200円以下の人は、「保険料納付済期間による月額」に一定割合を乗じた補足的老齢年金生活者支援給付金が支給されます。生年月日が昭和16年4月1日以前の人は、生年月日に応じて480月から短縮した月数で計算します。
 

・障害年金生活者支援給付金

障害年金生活者支援給付金の対象者は、「障害基礎年金の受給者」「前年の所得(非課税収入は含みません)が472万1000円以下(扶養親族等の数により増額)」という要件をすべて満たす人です。給付月額は障害等級1級の人が6425円、2級の人が5140円になっています。
 

・遺族年金生活者支援給付金

遺族年金生活者支援給付金の対象者は、「遺族基礎年金の受給者」「前年の所得(非課税収入は含みません)が472万1000円以下(扶養親族等の数により増額)」という要件をすべて満たす人です。
 
給付月額は5140円ですが、2子以上が遺族基礎年金を受給の場合、子の数で割った金額がそれぞれに支給されます。50銭未満の端数が生じたときは切り捨てて、50銭以上1円未満の端数が生じたときは1円に切り上げて計算します。
 

2023年4月から給付額がアップします

年金生活者支援給付金支給金額は、毎年度、物価の変動に伴って改定されます。2023年度は昨年度から2.5%の増額改定になりました。日本年金機構のホームページから支援給付金の給付基準額の改定表は、図表1のとおりです。
 
図表1
 

令和5年度(月額) 令和4年度(月額)
老齢年金生活者支援給付金 5140円※1 5020円
障害年金生活者支援給付金 1級6425円※2
2級5140円※2
1級6275円
2級5020円
遺族年金生活者支援給付金 5140円※3 5020円

 
※1 基準額であり、実際の金額は保険料納付済期間や保険料免除期間等に応じて算出されるので、支給金額は2.5%の増額とならない場合があります。算出方法は「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」を参照してください。
※2 障害年金の等級に応じて給付基準額が異なります。
※3 2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合、この基準額を子の数で割った金額がそれぞれに支払われます。
日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について
 

年金生活者支援給付金の支給要件に該当する人は忘れずに手続きを

この支援給付金を受けるためには、対象者が「年金生活者支援給付金請求書」を提出しなければなりません。この請求書を提出すると、日本年金機構から「年金生活者支援給付金 支給決定通知書」が送られてきます。
 
給付金は年金と同じ偶数月に年金と同じ口座に振り込まれます。最初に手続きをすれば、翌年度からの手続きは不要です。請求した翌月分から支払われますので、該当する場合は早く手続きしましょう。手続きなどの詳細は、お近くの年金事務所に問い合わせてください。
 

出典

厚生労働省 年金生活者支援給付金制度について

日本年金機構 年金生活者支援給付金

日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集