更新日: 2023.04.26 子育て

世帯年収「400万円」のわが家では「大学無償化制度」を利用できる? 年収などの要件を確認!

世帯年収「400万円」のわが家では「大学無償化制度」を利用できる? 年収などの要件を確認!
大学無償化制度は2020年4月から始まりました。しかし誰もが利用できる制度ではなく、住民税非課税世帯の学生や、住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生が対象となるため、世帯年収によっては難しいのではないかと思う人も多いでしょう。
 
本記事では、どのくらいの年収までの世帯が大学無償化の対象になるのかを解説します。
古田靖昭

執筆者:古田靖昭(ふるた やすあき)

二級ファイナンシャルプランニング技能士

大学無償化とは

大学無償化制度とは、正式には「高等教育の修学支援新制度」といい、4年制大学や短期大学などの高等教育を受ける意欲があるものの、経済的な理由で進学が難しい世帯に向けて子どもの修学支援をする制度です。
 
高等教育の修学支援新制度の対象となる学校は、国立大学や公立大学、私立大学、短期大学の他、専門学校や高等専門学校も含まれます。
 

支援内容

高等教育の修学支援新制度では、授業料や入学金の減免と給付型奨学金の支給が受けられます。
 
授業料や入学金の支援額は図表1のとおりです。なお世帯収入によっては、図表1の金額の満額ではなく、2/3または1/3に減額されて支援を受けることになります。
 
図表1 昼間制(年額)

    

国公立 私立
授業料 入学金 授業料 入学金
大学 約54万円 約28万円 約70万円 約26万円
短期大学 約39万円 約17万円 約62万円 約25万円
専門学校 約17万円 約7万円 約59万円 約16万円
高等専門学校 約23万円 約8万円 約70万円 約13万円

文部科学省 学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度 大学生の皆さんへ より筆者作成
 
なお、図表1は昼間制だけを示していますが、夜間制や通信課程の場合も支援を受けられます。
 
また給付型奨学金の支給額は図表2のとおりです。なお世帯収入によっては、授業料や入学金と同様に、図表2で示した金額の2/3または1/3に減額されて支援を受けます。
 
図表2 昼間制・夜間制(月額)

    

国公立 私立
自宅通学 自宅外通学 自宅通学 自宅外通学
大学
短期大学
専門学校
2万9200円
(3万3000円)
6万6700円 3万8300円
(4万2500円)
7万5800円
高等専門学校 1万7500円
(2万5800円)
3万4200円 2万6700円
(3万5000円)
4万3300円

※カッコ内は生活保護世帯で自宅から通学する人および児童養護施設等から通学する人の金額
文部科学省 学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度 大学生の皆さんへ より筆者作成
なお通信課程の場合も図表2とは金額が異なるものの、支援を受けられます。
 

支援対象の学生について

高等教育の修学支援新制度の対象となる学生は、住民税非課税世帯や、それに準ずる世帯の学生であり、年収によっては満額受給ではなく2/3や1/3になります。年収の目安と支援額は図表3のとおりです。
 
図表3

支援対象者 年収の目安(※1) 年収の目安(※2) 支援額
住民税非課税世帯の学生 ~270万円 ~300万円 満額
住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生 ~300万円 ~400万円 満額の2/3
~380万円 ~460万円 満額の1/3

※1 両親・本人(18歳)・中学生の家族4人世帯
※2 両親・本人(19~22歳)・高校生の家族4人世帯
文部科学省 学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度 大学生の皆さんへ より筆者作成
 
また、年収要件だけではなく、子どもの学力も要件となります。支援制度の目的は、支援を受けた学生が大学などで学んで、社会で自立し、活躍できるようにするためです。そのため明確な進路意識や学びの意欲、進学後の学修状況を見極めた上で支援が行われます。
 
もし学生に一定の学力や、学修意欲などがなければ支援を受けられないため、成績を落とさないようにすることに留意しておく必要があるでしょう。また進学後の成績が悪く、欠席が続けば、支援が打ち切られる可能性もあるため注意が必要です。
 

世帯年収400万円の場合

高等教育の修学支援新制度は、主に住民税非課税世帯が対象の制度といえるでしょう。また住民税を納付している場合でも、世帯年収が低ければ、住民税非課税世帯に準ずる家庭として支援を受けられます。
 
そのため、もし世帯年収が400万円であったとしても、図表3のように子どもの年齢によっては支援を受けられることがあります。また高等教育の修学支援新制度は、大学入学前だけではなく入学後も申し込めるため、急に家庭環境が変わるような事態が起きたとしても、金銭面ですぐに退学しなければならないような事態は避けられるでしょう。
 

出典

文部科学省 学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度
 
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士

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