更新日: 2023.04.28 その他暮らし
社会人の友達作り、「交流会」は要注意! 28歳で上京した男性が体験した「怪しい出会い」
「なるべくお金をかけずに恋人や友人を作りたい」と考えるのは当然だが、無料の「出会いの場」には大きなリスクもある。5年前に28歳で上京したAさんは、「お金以外の大切なモノ」を失った人を何人も見たことがあるという。
大人だからこそ、賢く交友関係を広げてほしいというAさんに、「怪しい出会い」を見抜くコツを聞いた。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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無料も有料もリスクあり! 交流会は「厳選」しよう
Aさんは28歳のとき、地元の広島県から転職で初めて上京した。それまでは関西の大学に進学した経験はあったものの、大都市圏に住むことも働くことも初めてだったという。
「28歳での上京というタイミングの遅さもあり、知人友人はほとんどゼロ。『仕事以外のつながりが欲しい』との思いは日に日に大きくなりました」
元々、Aさんの交友関係は「深くて狭い」タイプで、そこまで社交性が高くないと自称する。それでも上京から半年が過ぎると寂しさも感じはじめた。そこで、社会人になって初めてまともな「友達作り」にチャレンジしたという。
とはいえ、Aさんに共通の知人やコミュニティーを紹介してくれる人もいない。交友関係の構築におけるゼロイチを図るため、Aさんは片っ端から交流会や食事会、セミナーに参加した。その中で印象に残っているものを挙げてもらった。
●資産形成、投資セミナー(不動産、金融関係)
●ビジネス交流会、異業種交流会、同業種交流会
●テーマ型交流会(ボードゲームなど)
●スキルアップセミナー
「合計で10回以上は軽く参加しましたね。どの集まりでも無料、有料のものがありましたが、結論、その集まりで出会った人と今もお付き合いがある人は1人もいません(笑)。それどころか、やはり『怪しい出会い』の方が多くて、最終的にほとんどの人をブロックしてしまうという結末でしたよ」
Aさんが言う「怪しい出会い」とは、主に不動産投資や出資、マルチビジネスの勧誘だ。セミナー・交流会の主催者や講師が推奨するケースは少なかったが、「同じ参加者」にそのような話を持ちかけてくる人が圧倒的に多かったという。
「有料の交流会もありましたが、やはり無料の方が確率的には多かったですね。はっきりいって、そのときに連絡先を交換した人の中に『ほぼ100%いる』のは過言じゃないです」
新しい人間関係よりも、大切なモノをなくした人も…
「交流会で連絡先を交換し、後日、一対一やその人が連れてきた人たちと会うときに、それとなく勧誘されたケースがほとんどでしたね。そのときの向こうの売り文句は大きく2つありました。1つは『老後の不安』、そして2つめが『とてもよい友達が作れる』ということです。それを何度も聞かされるうちに、自分がカモネギなんだと自覚しました(笑)」
その中でも記憶に残っているシーンがあるという。「朝カツ会」で出会ったある男性と後日、WEBミーティングでその人の「金融投資の先生」と話したときの会話だ。
「その人は数年前まではマルチ商法にハマっていて、そのコミュニティーはすこぶる心地良かったというんです。ただ、気付いたらお金はもちろん、勧誘を行ったせいで家族や友人を含めた『これまでの人間関係』が全部壊れてしまっていたんですよ。そのときに『先生』に出会って資産形成をしていると。正直、この時点で金融投資に興味なんてなかったのですが、今の寂しさを埋めるために、東京とは離れているけれど、確かにある人間関係を崩す怖さを実感しました。それが私が交流会に参加するのを辞めた決定打になりました」
まとめ
Aさんは今、近所のバーで出会った人に誘われて、月1回程度の登山サークルに参加して汗を流しているという。
「今考えると、当時は上京したてでお金がなかったのに、交流費だけで込み込み10万円くらいは支払っていたのではないでしょうか。それよりもかなり時間を浪費してしまったのが惜しいですよね(笑)。ただ、それ以上に学びも多かったので後悔はしていないですよ」
Aさんは無料の交流会やセミナーは「主催者の実態を要チェック」、有料セミナーは「つながった人の裏側」をよく観察し、確認すべきだと注意を促している。
「あとはテーマです。ビジネス、資産形成は参加した時点で『ターゲティング』されているので要注意です。たとえ心地よさ、みんなが親切でモチベーションが上がりそうなコミュニティーを紹介されたとしても、『なんのために集まっているのか』は冷静に観察する必要があります」
みんなで頑張る、結束する、高めあう……。少し寂しさを感じている上京者にとって心地よい言葉かもしれないが、大人の付き合いとしては「適度な距離感」も大事だ。Aさんのように趣味などの「緩いつながり」の方が、精神衛生上よいのかもしれない。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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