更新日: 2023.04.28 その他暮らし

【男性が対象?】子宮頸がんワクチン接種無償化の条件や開始地域を紹介

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

【男性が対象?】子宮頸がんワクチン接種無償化の条件や開始地域を紹介
子宮頸がんのワクチン接種が進んでいます。12歳から16歳の期間にワクチンを接種することで、将来の子宮頸がん発症リスクを大きく低減させることが期待できます。
 
厚生労働省は副作用の問題で、子宮頸がんワクチンの接種を奨励していなかった時期があり、当時の対象年代で現在ワクチン接種の年齢を過ぎた女性にも、追加で接種が認められています。そんな子宮頸がんワクチンが男性にも適応になりました。
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子宮頸がんワクチンとは

子宮頸がんの95%以上は、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスへの感染が原因で発症します。HPVは皮膚や粘膜に感染するウイルスで、性交渉の経験がある女性の半数から8割ほどが感染しているといわれています。
 
HPVは年間約1万1000人が罹患する子宮頸がんを始め、肛門がん・膣がん・外陰がん・陰茎がんに尖圭(せんけい)コンジローマを発症させる原因となることがしばしばあります。
 
このHPVのなかでも特に子宮頸がんを起こしやすいタイプのHPV16型と18型の感染を防ぐのがHPVワクチン、いわゆる子宮頸がんワクチンです。
 

子宮頸がんワクチン接種対象者

現在、子宮頸がんワクチンは小学校6年~高校1年相当の女性が定期接種の対象となっており、平成17年度生まれまでの人も公費により無償で接種できるようになっています。
 
HPVワクチンは、サーバリックスとガーダシルの2種類があり、決められた間隔をあけて、同じ種類のワクチンを、合計3回接種します。ワクチンにより接種のタイミングが変わってきます。どちらを接種するかは、接種する医療機関との詳細な相談が必要です。
 

追加接種対象者

厚生労働省は、子宮頸がんワクチン接種の呼びかけが中止されていた期間に12歳~16歳の年代を過ごした、1997年~2007年度生まれの女性に対し、子宮頸がんワクチンの無料接種の対象とし、2022年4月~2025年3月の3年間、追加接種が認められています。
 

男性にもおすすめ

近年、子宮頸がんワクチンが、男性の肛門がんや陰茎がん、中咽頭がんの発症を抑える効果が認められ、男性の接種を進めています。世界を見渡せば、アメリカ・イギリス・オーストラリア・カナダのように男性への接種が普通に行われている国が多くあります。
 
日本では2020年12月から、ガーダシルと呼ばれる4価HPVワクチンの男性への任意接種が承認されました。HPVは性交渉によって男女間で感染するため、男女にワクチン接種をすることで、相互に感染を抑制する効果が期待できます。
 
現在のところ日本では、男性に対する子宮頸がんワクチンの公費助成はありません。全額自己負担になります。接種年齢は、女性と同じように、性交渉を行う前段階の12歳、13歳から、できるだけ早期に接種することで効果が高く見込めるとされています。
 

男性が無料で子宮頸がんワクチンを受けられる市も

千葉県の南東部に位置するいすみ市では、男性が子宮頚がんワクチンを接種する際の費用を2023年4月から全額助成します。いすみ市によると、子宮頸がんの原因の多くは性行為で感染することから、感染予防には男女のワクチン接種が有効と判断し無料化しています。
 

まとめ

子宮頸がんの発症を予防する効果が高いといわれる、子宮頸がんワクチンについて紹介しました。子宮頸がんの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)と呼ばれるウイルスは性交渉でうつります。
 
さらに、HPVは男性の肛門がん・陰茎がん・中咽頭がんの発症原因になります。男性が子宮頸がんワクチンを接種すると、一部のがんの発症を抑え、女性がHPVウイルスへ感染する危険性も低下させます。
 
自治体も男性への子宮頸がんワクチンの無償接種を促進する動きが出始めました。この流れは、今後ますます加速していきそうです。
 

出典

日本産科婦人科学会 子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために

厚生労働省 ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種を逃した方へ~キャッチアップ接種のご案内~

厚生労働省 HPVワクチンの男性への接種について

千葉日報 男性への子宮頸がんワクチン接種助成へ いすみ市 千葉県内初、4月から

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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