更新日: 2023.04.30 その他暮らし

一家の稼ぎ手だった会社員の夫が急逝。残された妻と子は生活費をどう工面していく…?

一家の稼ぎ手だった会社員の夫が急逝。残された妻と子は生活費をどう工面していく…?
今も昔も、筆者がよく受ける相談に「夫が亡くなった、今後の生活はどうすれば…」といった切実なものがあります。
 
一家の稼ぎ手である会社員の夫が亡くなってしまった場合、残された家族はどのように生活費を工面していけばよいのでしょうか。妻は専業主婦、子どもは就労することができないケースを基に考えていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

まずは遺族年金について確認

稼ぎ手であった夫が亡くなってしまった場合、基本的に今後は遺族年金と妻の就労によって得るお金で生活することになります。保有する資産からの収入や貯蓄の切り崩しも候補となりますが、今回はそういったことは除いて考えていきます。
 
会社員の夫が厚生年金に加入中に亡くなった場合、一定の要件を満たせば遺族基礎年金と遺族厚生年金が、遺族年金として支給されます。
 
しかし、基本的に遺族年金だけで妻と子の生活を支えるのは厳しいというのが現実です。遺族基礎年金の場合、妻と子1人の家族で受け取れる年金額は月におおよそ8万3000円となります。遺族厚生年金の場合、夫の収入により受給額が異なります。
 
例えば、厚生年金の加入期間中の平均収入が賞与込みの換算で月当たり38万円だったとすると、月当たりの遺族厚生年金の支給額はおおよそ3万9000円です(平成15年以降に就労しており、厚生年金の加入期間は25年未満と仮定)。遺族基礎年金と合わせても妻と子1人の生活には厳しいところでしょう。
 

現実においては就労も必要

遺族年金だけでは生活が難しいとなれば就労についても検討することになります。遺族年金は収入があっても支給が打ち切られたり減額されたりすることはないので安心して働くことができます。
 
仮に就労して月に手取りで10万円でも得ることができれば、遺族基礎年金と遺族厚生年金と合わせて22万円ほどの収入になります。これだけの収入があれば、生活をしていくことはできそうです。
 
子どもが小さく長時間家を空けられないという場合はリモートワークで働ける職場を探すのもよいでしょう。また、1人でもコツコツ作業できる方であればクラウドソーシングでリモートワーク案件を個人で受注するというのも有効です。
 
コロナ禍以降、在宅でできる仕事は増えており、特にクラウドソーシングには高いスキルがなくとも受注できる案件も多くあります。最初は大した収入にならなくとも簡単な仕事から初め、仕事を通じてスキルアップし、難易度の高い仕事に挑戦することもできます。
 

最悪の場合生活保護も

例えば、遺族年金は夫がきちんと年金保険料を納付していなかった場合受け取れないこともあります。妻自身も就労が難しかったり、これまでの経歴や今の体調によっては生活できるだけの収入を得られなかったりすることもあるでしょう。
 
そのうえ、親族などで頼れる人もいないという場合は生活保護の受給も検討してください。生活保護は、働くことができない方や働いても最低限の生活が維持できない方に支給されるものです。生活保護についてはお住まいの市区町村役場にご相談ください。
 

遺族年金だけでなく、就労や生活保護も検討

一家の稼ぎ手であった夫が急逝したとき、残された妻や子は多くの場合遺族年金や就労によって生活費を工面することになります。
 
しかし遺族年金と、いきなり就労してそのお金だけで十分な生活費が確保できるとも限りません。そういった場合は生活保護を頼ることで無理なく最低限度の生活を維持することができます。
 
まずは遺族年金の申請手続きを進めるとともに、必要に応じて就労や生活保護などについても検討してください。何らかの形で生活費を確保することができるはずです。
 

 
執筆者:柘植輝
行政書士

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