更新日: 2023.05.02 その他暮らし

奨学金「300万円」を「月1万5000円」ずつ返済すると何年かかる? 減額制度の利用は可能?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

奨学金「300万円」を「月1万5000円」ずつ返済すると何年かかる? 減額制度の利用は可能?
奨学金は学生生活を送るために大きな支援となりますが、貸与奨学金の場合は学校を卒業すると返済していかなければいけません。有利子と無利子の場合があり、どちらも無理のない返済を考えると、完済するまでに何年もかかってしまいます。それでは、一般的な奨学金を完済するまでに何年かかるのでしょうか?
 
本記事では、貸与奨学金を300万円借りた場合に完済までに何年かかるか、解説します。
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奨学金を利用した人のほとんどは返済が必要

労働者福祉中央協議会の「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査」では、奨学金の利用実態について公表しています。同調査によると、利用していた奨学金の割合は、日本学生支援機構の第一種奨学金が30.1%、日本学生支援機構の第二種奨学金が41.2%です。
 
第一種奨学金は無利子で返済が必要、第二種奨学金は有利子で返済が必要な奨学金なので、返済が必要なものがほとんどを占めていることが分かります。
 

奨学金返済額の平均は約300万円

同調査では奨学金の借入総額についても公表しています。返済が必要な奨学金を利用した場合、借入総額の平均は324万3000円です。また、平均ではなく、分布の中心となる中央値は285万6000円となっています。いずれにしても約300万円を借りていることが分かります。
 
奨学金を借りる場合は、学校を卒業後に約300万円を返済していかなければいけないということです。
 

奨学金の返済額

奨学金の返済額の平均は、同調査によると1万6880円です。中央値は1万4976円となっています。約1万5000円が毎月の返済額のようです。学校を卒業して就職した場合、給料から社会保険料が引かれるようになり、生活費もかかってきます。1人暮らしをする場合は、さらに生活費がかかることが予想されるので、毎月1万5000円の返済は大きな負担です。
 

奨学金を300万円借りた場合は完済までに何年かかる?

300万円の奨学金を借りた場合、完済までに何年かかるのかを計算します。日本学生支援機構の「奨学金貸与・返還シミュレーション」で毎月の返済額や完済までの年数をシミュレーションすることが可能です。
まず、第一種奨学金を考えてみると、定額の返済を選択した場合、毎月の返済額が1万4705円、完済までの期間は17年になります。
 
23歳になる年から返済が始まったと仮定すると、40歳まで返済していかなければ完済できません。
 
また、第二種奨学金で定額の返済を選択した場合は、毎月の返済額が1万5200円、完済までの期間は第一種奨学金と同じく17年です。毎月の返済額は、有利子であるため第一種奨学金よりも多くなっています。こちらについても40歳まで支払うことになるので、経済的な負担は大きいといえるでしょう。
 

返済が難しい場合は減額制度の利用も検討しましょう

災害や病気、経済的な理由によって奨学金の返済が難しい場合は、減額返還制度を利用することもできます。減額返還制度を利用すると、一定期間は返済額を減らすことが可能です。しかし、借入総額は変わらないので、返済期間が長くなってしまうので注意する必要があります。
 
また、減額返還制度を利用するには要件があります。延滞していないことや年間収入金額が325万円以下であることなどです。要件を満たさなければ利用できないので、確認しておきましょう。
 

延滞にならないように奨学金について考えましょう

貸与奨学金は長い期間負担がありますが、進学のために借りたお金なので返済しなければいけません。奨学金を借りる前に、できるだけ返済についても考えておくことをおすすめします。
 
また、延滞をしてしまうと延滞金が発生し、さらに負担が大きくなる恐れがあります。延滞にならないように、時には減額返還制度なども利用して計画的な返済をしていきましょう。
 

出典

労働者福祉中央協議会 「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査」 調査結果の要約
独立行政法人 日本学生支援機構 減額返還制度の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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