更新日: 2023.05.15 子育て
児童手当の「所得制限」は廃止される?「少子化対策のたたき台」の内容を確認!
公表された少子化対策のたたき台に記載がある「児童手当の拡充」に注目が集まっています。そこで本記事では、政府が検討する児童手当の拡充について解説します。
現状の児童手当制度のおさらいもするので、ぜひ参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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児童手当とは
まずは、現状の児童手当制度を確認しましょう。児童手当は、中学生までの子どもを持つ世帯が受け取れる手当です。内閣府「児童手当制度のご案内」によると、支給される児童手当の金額は図表1のとおりとなります。
【図表1】
児童の年齢 | 1人当たりの児童手当 |
---|---|
3歳未満 | 月1万5000円 |
3歳以上小学校修了前 | 月1万円(第3子以降は月1万5000円) |
中学生 | 月1万円 |
内閣府 児童手当制度のご案内
支給される金額は子どもの年齢によって異なります。子どもが3歳未満の場合は月1万5000円、3歳以上の場合は原則月1万円です。中学生以下の子どもが複数人いる場合、子どもの数だけ同時に児童手当を受給できます。
また、子ども1人あたりの総支給額は、第1子・第2子の場合で約200万円です。ただし、誕生月によって総支給額が異なることを覚えておきましょう。子どもが4月生まれの場合、もっとも多くの児童手当を受給可能です。
児童手当の所得制限とは
子どもがいる世帯が対象の児童手当ですが、親の年収によって支給金額が減ったり支給が停止されたりします。子どもを扶養する親の年収が「所得制限限度額」を超えると、支給額は1人あたり月5000円です。さらに、「所得上限限度額」を超えると児童手当の支給は停止されます。
内閣府「児童手当制度のご案内」によると、所得制限限度額と所得上限限度額の目安は図表2のとおりです。
【図表2】
扶養親族の数 | 所得制限限度額(年収の目安) | 所得上限限度額(年収の目安) |
---|---|---|
0人 | 622万円(年収833万3000円) | 858万円(年収1071万円) |
1人 | 660万円(年収875万6000円) | 896万円(年収1124万円) |
2人 | 698万円(年収917万8000円) | 934万円(年収1162万円) |
3人 | 736万円(年収960万円) | 972万円(年収1200万円) |
4人 | 774万円(年収1002万円) | 1010万円(年収1238万円) |
5人 | 812万円(年収1040万円) | 1048万円(年収1276万円) |
内閣府 児童手当制度のご案内
子どもと配偶者を扶養する会社員の人の年収が917万8000円を超えると、支給額は月5000円です。また、年収が1162万円を超えると支給が停止されます。
児童手当の所得制限が廃止される?
所得によって制限がかかる児童手当ですが、政府は少子化対策のために児童手当の改定を検討しています。
こども政策担当大臣「こども・子育て政策の強化について(試案)」によると、児童手当の所得制限を廃止する予定です。さらに、支給期間を現在の中学卒業までから高校卒業までに延長し、支給額も増額予定です。
具体的な金額や見直し時期については公表されていませんが、2023年中に具体的な内容を決める方針となっています。
子育てしやすい社会となることを期待
子どもがいる世帯にとって児童手当の見直しはうれしいニュースですが、財源は私たちが納める税金などです。
子育て世帯が平等に手当を受けられることも大切ですが、それ以外でも子どもを育てやすい社会となるよう、さまざまな制度などが見直されることも期待されます。
出典
内閣府 児童手当制度のご案内
内閣官房 こども・子育て政策の強化について(試案)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー