更新日: 2023.05.17 その他暮らし

「過払い金」って、どういうお金? どうして発生するの?

「過払い金」って、どういうお金? どうして発生するの?
コマーシャルなどで「過払い金」という言葉を耳にした人もいるのではないでしょうか?
 
過払い金とは、消費者金融やクレジットカードローンなどの利用により、貸し手に支払い過ぎたお金のことです。しかし、過払い金がどうして発生するのか、疑問に感じている人もいるのではないでしょうか?
 
この記事では過払い金が発生する理由や、過払い金請求をするメリット・デメリットについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

過払い金はどうして発生する?

過払い金とは、消費者金融やクレジットカード会社などから借り入れをしている人が、法律で定められた上限を超えた利息があった場合に、返還を請求できる金額のことをいいます。つまり、借入人が、本来支払うべき金額よりも多く支払った金額です。過払い金が発生する原因には「グレーゾーン金利」と呼ばれるものがあります。
 
グレーゾーン金利とは、貸金業の利息について定めた「利息制限法」と「出資法」の、2つの法律の間で異なる利息上限が設定されていたために生まれてしまった、民事上無効なのにも関わらず、刑事罰の対象とはならない金利範囲です(一部、有効となるみなし弁済規程あり)。
 
具体的には、「利息制限法」で定められた利息は金額に応じて15~20%ですが、出資法では29.2%の上限金利が定められていたのです。そのため、この20%と29.2%の間で設定された金利が違法かどうか、グレーゾーンであるといわれていたのです。
 
その後、改正貸金業法が施行されたことで出資法の上限金利も20%となり、グレーゾーン金利は撤廃されました。そして、それまでに設定されていたグレーゾーン金利分の利息に関しては、過剰に支払いをしていたということで「過払い金」という扱いになり、請求すれば返還される可能性が出てきたのです。
 

過払い金請求のメリット・デメリット

過払い金は、借り手にとっては返還されることによって経済的なメリットがありますが、借り手と貸し手の間にトラブルを引き起こすこともあります。それは、過払い金が発生した原因が、貸し手のミスや不適切な融資の仕組みにある場合が多いためです。
 
ここでは、過払い金を請求する際のメリット・デメリットについて解説します。
 

過払い金請求のメリット

過払い金請求の最大のメリットは、大きな金額が返還される可能性があるという点です。
 
過払い金が発生している場合、返還される金額は膨大なものになる可能性もあります。借り手にとっては、支払い過ぎた分が返還されることで経済的な負担を軽減できるため、非常に魅力的なメリットといえます。
 
また、法律に基づいて請求できるという点もメリットの1つです。過払金(不当利得)に利息が発生する法的根拠は、適法に受領できない金額(不当利得)であることを知っていたという「悪意の受益者」の利息支払義務(民法704 条)に則って行われるため、正当な手続きであれば、高確率で借り手は貸し手に返還を請求することができます。
 

過払い金請求のデメリット

一方で、過払い金請求にはデメリットも存在します。まずは請求手続きが面倒であるという点です。
 
過払い金請求には、一定の手続きが必要であり、必要な書類や証明書類をそろえる必要があります。手続きが面倒で時間がかかるため、諦めてしまう人もいるでしょう。
 
また、貸し手とのトラブルの可能性もあります。過払い金請求は多くの場合、法的に正当なものですが、貸し手が不服申立てをした場合や、借り手が訴訟を起こした場合には、裁判などが必要になることもあります。
 
なお、過払い金の請求には時効があることにも気を付けましょう。例えば、2020年4月1日以降に完済した場合、時効は最終返済日から10年、または、権利が行使できることを知ってから5年経った場合は、過払い金を請求できません。
 

過払い金の仕組みを正しく理解しよう

過払い金請求は経済的なメリットが大きい手続きであると同時に、手続きが面倒で貸し手とのトラブルが発生する可能性もあるため、注意が必要です。
 
過払い金がある場合には、法律事務所など専門家に相談することで、スムーズな請求手続きを進めることができるでしょう。正しく仕組みを理解して、請求が可能かどうか確認しましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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