更新日: 2023.05.20 子育て
児童手当が「18歳」まで引き上げに? 全額貯めたら「教育資金」は足りる?
子育てに大きな費用が必要となる現代において、児童手当が今より長く受け取れるようになるのは助かりますね。ただし、「それなら教育資金は大丈夫」と安心した人は要注意です。
本記事では、児童手当のみで教育資金が足りるのかどうか、解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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児童手当とは
児童手当とは、中学校を卒業するまでの子どもを育てている人に対して支給されるお金で、金額は図表1のとおりです。例えば、3歳児と0歳児がいる家庭には満額で月2万5000円が支給されます。
図表1
内閣府 児童手当制度のご案内
ただし、児童手当には所得制限が設けられており、たくさんのお金を稼いでいる家庭に対しては減額または支給されない仕組みとなっています。例えば、子ども2人と専業主婦(夫)の家庭では、年収960万円以上から減額され、1200万円になると支給がなくなります。
近い将来、18歳以下・所得制限なしへ?
児童手当は高校卒業まで支給され、所得制限は撤廃される予定となりました。児童手当の改正は、岸田総理が掲げている「異次元の少子化対策」の目玉であり、近い将来の実現が期待されます。
児童手当を全部貯蓄すると約200万円になる
児童手当は子どもの誕生月によって受け取れる総額は変動しますが、支給額が最大になる4月生まれの場合で208万5000円となっています。児童手当の振り込みをただ貯金するだけで、200万円もの教育資金が準備できるのです。
実際に、児童手当には手をつけずに貯蓄しているという家庭も多いでしょう。これが今後、高校卒業月までの支給になれば月1万円としても、さらに36万円の上乗せになります。
子どもにかかる教育資金
子どもの教育資金を目的に貯蓄する場合、多くの人が高校卒業後の学費に大部分をあてる予定でいるのではないでしょうか。
日本政策金融公庫の調査によると大学1年間の在学費用の平均は、国公立で約104万円(4年間で約416万円)、私立文系で約152万円(約608万円)、私立理系で約183万円(約732万円)という結果になっており、国公立と私立では約1.5~1.8倍の差になります。
図表2
日本政策金融公庫 子供1人当たりにかける教育費用(高校入学から大学卒業まで)は減少 ~令和3年度「教育費負担の実態調査結果」~
児童手当だけでは到底足りない
仮に国公立に行ったとしても、最低でも400万円必要だということが分かりました。下宿をした場合には、月5万円の仕送りであっても年間60万円、4年間で240万円かかる計算になります。児童手当のみの200万円では、かなり不足してしまうことになります。
まとめ
子どもの進学先にはよりますが、児童手当だけでは高等教育費用をカバーできない場合がほとんどでしょう。児童手当の支給が18歳まで延長されたとしても同様です。
奨学金で補うという選択肢もありますが、少しでも子どもにしわを寄せないようにするためには、子どもが小さいうちから計画的に貯蓄していきましょう。
出典
内閣府 児童手当制度のご案内
日本政策金融公庫 子供1人当たりにかける教育費用(高校入学から大学卒業まで)は減少 ~令和3年度「教育費負担の実態調査結果」~
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー