更新日: 2023.05.22 子育て

子どもを「保育園」に預けて復職! 毎日1時間の「時短勤務」で給料はどのくらい減る?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

子どもを「保育園」に預けて復職! 毎日1時間の「時短勤務」で給料はどのくらい減る?
子どもを保育園に預けられることになり、産休や育休を終えて職場復帰するとき、育児との両立を考えて時短勤務を選ぶ人も多いかもしれません。保育時間も無制限ではなく、18時頃まで、または19時頃までには迎えにいくという人も多いのではないでしょうか。
 
また、会社員の場合、往復の通勤時間のことも考えるとフルタイムでは厳しいこともあります。しかし、時短勤務を選ぶと給料が減ってしまうこともあります。そこで本記事では、毎日1時間の時短で働くと、収入はどのくらい減るのか解説します。
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ノーワーク・ノーペイの原則

提供される労働力の対価として賃金を支払うことを「ノーワーク・ノーペイの原則」といい、労働時間が少なくなると給料も減ります。時短勤務についても、本来1日8時間勤務のところが7時間になって1時間減るため、それに応じて会社が賃金を調整するのは、法的に問題はありません。
 
ただ、賃金の調整はあくまで減少する労働力に相当する部分のみ認められるので、時短勤務に便乗して基本給を減らすとか残業代を払わないなどの対応を行うと、不当な取り扱いとして問題になる可能性があります。
 

時短勤務で給料はどう変わる?

時短勤務になると給料はどう変わるのでしょうか。下記の設定をもとにフルタイム勤務時と比較しながら解説します。

●フルタイム勤務時の基本給:20万円
●1日の労働時間:8時間から7時間
●月間実労働時間:140時間
●月間所定労働時間:160時間
●月間労働日数:20日
●年間平均賞与(ボーナス):30万円

話を分かりやすくするために残業時間はフルタイム勤務時、時短勤務時ともになく、住居手当などの各種手当は考慮しないものとします。
 

フルタイム勤務

平均年収は「(月間の平均賃金×12ヶ月)+年間の平均賞与」で計算することができます。これに当てはめると今回の事例では「20万円×12ヶ月+30万円=270万円」となります。
 

毎日1時間の時短勤務

時短勤務中の平均年収は「フルタイム勤務時の年収×実労働時間/所定労働時間」で計算することができます。
 
今回の場合は「270万円×0.875=236万2500円」となり、フルタイム勤務時との差額は33万7500円です。月給ベースでは20万円から17万5000円に下がります。
 

時短勤務の注意点

今回は残業時間などを考慮しませんでしたが、実際には残業がなくなることで残業代がゼロになる、管理職をしていた場合は仕事内容が変化して役職手当がなくなったり削減されたりするようなことが起こることも考えられます。その場合はさらに給料が減ります。
 
時短勤務になってもフルタイム勤務時と仕事内容や業務量がほとんど変わらないケースもあるかもしれません。その場合は給料を減らさずにフルタイムの時と同じ金額にしてもらえないか、上司に相談してみましょう。
 
税金や社会保険料は収入に応じて計算されるため、給料が減ると基本的にこれらの負担も減少します。ただし社会保険料は前年の4月から6月の標準報酬月額によって算出されるため、このままでは時短勤務で給料が減っているにもかかわらず社会保険料は以前の金額のままになってしまうおそれがあります。
 
そこで育休明けで時短勤務になった場合は、会社を通して「育児休業等終了時報酬月額変更届の提出」の手続きがされているか確認しましょう。
 

まとめ


 
今回は育休明けで毎日1時間の時短で働くと給料はどのくらい減るのか解説しました。ノーワーク・ノーペイの原則によって基本給が下がり、その影響でボーナスが少なくなって、結果的に手取り金額が減ってしまう可能性があります。
 
時短勤務で仕事と育児の両立がしやすくなる一方で、給料が減って家計が厳しくなる側面もあるので、状況に応じて使い分ける必要があるかもしれません。時短勤務の細かい内容は企業ごとに異なるので、勤務先の就業規則などを確認してみましょう。
 

出典

日本年金機構 育児休業等終了時報酬月額変更届の提出
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和5年度版)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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