夏休み到来!海外旅行の行く先選び。盛り上がるインスタ映えと盛り下がるコストの関係
配信日: 2018.07.25 更新日: 2019.01.10
長年海外に在住した経験から、どこが一番良かったかという質問を受けることがありますが、それぞれ一長一短があり、個人の好みや興味によってもまったく異なるため、ピンポイントで一番をあげることは難しいといえます。
そこで、それぞれの地域の魅力や特徴を挙げてみたいと思います。それに伴うコスト(つまり旅行費用)が、自身のインスタテーマに見合うのかどうか、判断材料にしていただければ幸いです。
Text:岩永真理(いわなが まり)
一級ファイナンシャル・プランニング技能士
CFP®
ロングステイ・アドバイザー、住宅ローンアドバイザー、一般財団法人女性労働協会 認定講師。IFPコンフォート代表
横浜市出身、早稲田大学卒業。大手金融機関に入行後、ルクセンブルグ赴任等を含め10年超勤務。結婚後は夫の転勤に伴い、ロンドン・上海・ニューヨーク・シンガポールに通算15年以上在住。ロンドンでは、現地の小学生に日本文化を伝えるボランティア活動を展開。
CFP®として独立後は、個別相談・セミナー講師・執筆などを行う。
幅広い世代のライフプランに基づく資産運用、リタイアメントプラン、国際結婚のカップルの相談など多数。グローバルな視点からの柔軟な提案を心掛けている。
3キン(金融・年金・税金)の知識の有無が人生の岐路を左右すると考え、学校教育でこれらの知識が身につく社会になることを提唱している。
ホームページ:http://www.iwanaga-mari-fp.jp/
ヨーロッパ:歴史・文化・芸術が魅力
ヨーロッパの夏は恰好の旅行シーズンです。なぜなら、緯度の高い地域では、夜10時ころまで明るく、過ごしやすいからです。また博物館や美術館の開館時間は、夏のほうが長いことが多いのも特徴です。
現在でこそ、ヨーロッパはEUとなり、一部で経済的な統一ヨーロッパが形成されていますが、元来は民族・言語・通貨などの異なった地域の集合体です。陸続きなので、時間があれば陸路での移動も可能で、気軽に国境を越えると違う文化圏に突入することも面白さのひとつです。
通貨は同じユーロを使用している地域でも、異なる言語や民族性は変わっていません。また東西南北の気候が異なるため、食材となる野菜・果物や家畜の生育は変化に富んでいるため、郷土料理なども魅力です。
<魅力のポイント>
・国王が存在する(または過去に存在した)国では王宮や噴水のある庭園など
・キリスト教国では教会などの建築物
・食文化の発達した南欧ではおいしいお酒や食事、など
以上は、日本とは趣がまったく異なるためインスタ映えもするでしょう。
<渡航費用>
国にもよりますが、直行便があれば日本から12時間程度の飛行時間です。例えば、全日空のエコノミークラスで8月1日~7日までパリへ直行便で飛んだ場合、往復航空運賃は27~30万円(各種税金、燃油特別付加運賃等を含む)程度です。
文化的にも距離的にも日本から遠い分、インパクトが強いのですが、コストはやや高めです。
アメリカ編:アメリカ独自のもの・ワイルドな自然が魅力
歴史はヨーロッパに比べて短いため、歴史的な建造物は少ないですが、移民がそれぞれの文化を融合させて1つのアメリカ文化を形成しています。
<魅力のポイント>
・ハリウッド映画を体感できるユニバーサルスタジオやディズニーランドなどのような独自のテーマパーク
・国技の野球観戦
・都会ならば、アメリカが生んだミュージカルやジャズなどの鑑賞
・国民食のハンバーガー。どんな田舎町のダイナー(食堂)でもこれならありつくことができ、ステーキのように焼き加減を聞かれることが多い
・アメリカのステーキ。大きいのが特徴。アメリカのお肉は安いというイメージもあるかもしれませんが、ステーキハウスで食べるステーキはアメリカでもごちそうで高級品、それなりの出費は覚悟しなければならない。分量は日本の1.5倍以上あることが多いので、インスタにも向く
・広大な国土が織りなすスケールの大きな自然。最も手っ取り早く堪能するには、国立公園を訪れること。砂漠から山まで、バリエーションは千差万別。
<渡航費用>
ヨーロッパ編と同様の条件で、東海岸なら18~20万円(飛行時間片道12~14時間)、西海岸なら17万円程度(飛行時片道10~11時間)です。
ヨーロッパへの飛行時間とさほど変わらないですが、需給関係の差からか航空運賃はヨーロッパより安めです。
アジア編:文化も物理的距離も日本と近いのが魅力
古くは日本が中国から学んでいた時期もあり、中国系の移民も多い東南アジアも含めて、言葉ではっきり伝えなくても、アジアは気持ちが伝わりやすい文化圏でしょう。
<魅力のポイント>
・アジアにおける世界文化遺産(例:万里の長城、タージマハール、アンコールワット、ボロブドゥール遺跡など)
・中国:西安の兵馬俑や、上海博物館の古代遺跡からの出土品、など
・タイ:仏教寺院や仏像など(日本の寺院とは異なる)
・東南アジア地域:ビーチリゾート。ビーチリゾートは雨季に行くと海が荒れて砂と交じりでインスタには向かないので、乾季に訪れることがお勧め
・西欧列強の植民地になっていた、あるいは長らく軍事政権が支配していた国。日本の歴史との対比を客観的に見つめる機会になる
<渡航費用>
前述条件と同様で、日本から7時間程度の東南アジア(シンガポール)だと、7~8万円です。時間的にも金額的にも、最も行きやすい地域でしょう。
さて、好みの地域は見つかりましたか? どの地域でも、乗継便やLCCなどの利用やピークシーズンを外すなどを検討できれば、航空運賃を下げられる可能性はあります。ホテルと航空券のセットのパッケージツアーも、別々に取るより安くなる場合もあります。
一方、写真に収めるのみならず、自分の目で見て一生の思い出となるのであれば、多少費用がかかっても、人生の財産となることもあるでしょう。
Text:岩永 真理(いわなが まり)
一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®
ロングステイ・アドバイザー、住宅ローンアドバイザー、一般財団法人女性労働協会 認定講師。IFPコンフォート代表