更新日: 2023.06.05 子育て
親の収入と習い事にかかる費用は比例する?私立の「学習費総額」とは?
文部科学省の「子供の学習費調査」によると、令和3年時点において、子どもを私立校に通わせた場合、小学校以上の子どもの年間学習費は100万円を超えており、生涯子どもにかかる教育費は高額です。
本記事を参考に、自身の収入やライフプランに合った、子どもの教育方針を考えてみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
子どもの学習費総額は年間最大166万円必要! 私立小学校が最高額
文部科学省の「子供の学習費調査」によると、令和3年度における、子どもにかかる学習費総額の最高額は、私立小学校の年間166万6949円とされています。また、私立小学校では、学校外での活動費用も66万797円と、最も高くなっています。
学内外を問わず、ほとんどの場合で、幼稚園から高等学校にかけて、私立学校の教育費用のほうが高くなるという結果となりました。
【学校種別 学習費総額】
区分 | 幼稚園 | 小学校 | 中学校 | 高等学校(全日制) | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
公立 | 私立 | 公立 | 私立 | 公立 | 私立 | 公立 | 私立 | |
学習費総額 | 16万5126 | 30万8909 | 35万2566 | 166万6949 | 53万8799 | 143万6353 | 51万2971 | 105万4444 |
学校外活動費 | 9万555 | 14万4157 | 24万7582 | 66万797 | 36万8780 | 36万7776 | 20万3710 | 30万4082 |
※文部科学省「子供の学習費調査」をもとに筆者作成
学習環境で変わる子どもの進路と将来の年収
子どもの頃からの学習環境の違いが、将来の学歴や年収に影響することも少なくありません。
総務省の「全国家計構造調査」によれば、世帯主の年間収入を学歴別にみてみると、2019年時点では、高校卒業で647万5000円、 大学卒業で839万3000円、大学院修了で1059万4000円となっており、高学歴であるほど、年収が高いことが分かります。
また、文部科学省が報告している2019年 「高校生と保護者の進路に関する意識調査」によると、高校生も保護者もともに、将来希望する職業には、教師や公務員などの安定した職業が上位に並びます。
このように、子どもの将来を考えると、私立学校に通わせたり、学校外活動費が高額になったりする家庭が増えることも、うなずけるのではないでしょうか。
年齢や環境によって変わる習い事の総額
習い事の内容や金額は、子どもの年齢や環境によって変化します。
「子供の学習費調査」に基づいて、学校外活動にかかる費用を学年別にみてみると、公立校では、子どもの成長に合わせて学校外活動費が増加し、中学3年生で49万8000円とピークに達します。一方、私立校に通わせる家庭で、費用が最も高いのは小学校時点で、特に高額になるのが、小学5年生の77万6000円です。
習い事の内訳としては、小学校高学年あたりから「クラブなどの学校外活動費」よりも、「塾や家庭教師などの補助学習費」にかかる金額が多くなっています。この結果は、公立・私立に共通しています。
補助学習費が増加する理由として考えられるのは、学年が上がることにともなう科目数の増加や、受験対策の開始。私立中学校の試験対策として進学塾を利用すると、月謝が10万円を超えることもあります。
親の年収も子どもの習い事費用を決定する一要因
世帯収入も、子どもの習い事費用を決める大きな要因の一つです。
「子供の学習費調査」によれば、令和3年度における子どもの学校外活動費を、世帯の年収別にみると、公立校・私立校ともに、親の世帯収入が多くなるほど、子どもの学校外活動費も増加する傾向にあります。
【公立学校】
【私立学校】
出典:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果について」
また、小学校以降は学習塾に使う費用が増加する一方で、未就学児の場合は、学習塾以外での活動に費用をかけている方が多くいます。支出の最高額は、私立幼稚園に子どもが通う家庭の「スポーツ・レクリエーション活動」費用です。
バンダイが調査した「子どもの習い事に関する意識調査」をみると、水泳やピアノを習う子どもの6〜7割は、幼稚園のときから始めています。また同アンケートによると、習い事にかかる月額費用の平均は、水泳が6471円、ピアノが7200円で、年間で7〜9万円程度のお金が必要になります。
世帯収入が多くなれば、資金的にも習い事の掛け持ちが可能になるため、自然と学校外活動費が多くなると考えられます。
今の幸せと将来の幸せの折り合いが大切
私立小学校に通わせた場合の学習費総額は、年間で160万円を超えます。一方で、子どもが小さいうちは、自動車や住宅のローンなどの負債を抱えている場合も少なくありません。
総務省が発表する「2019年全国家計構造調査」によると、夫婦と子どもが二人の世帯(長子が小・中学生の勤労者世帯)の年間収入の平均が、768万7000円であるのに対して、金融負債残高が1441万1000円と、負債のほうが上回っています。
自身の経済状況と併せて、無理のない範囲で、子どもの学習費用も検討していきましょう。
出典
文部科学省 結果の概要-令和3年度子供の学習費調査 令和3年度子供の学習費調査の結果について
総務省 2019年全国家計構造調査関連情報 調査の結果 結果の概要 2019年全国家計構造調査 所得に関する結果 家計資産・負債に関する結果
文部科学省 新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会(第16回) 会議資料 資料5-2 一般社団法人全国高等学校PTA連合会 補足資料 第9回「高校生と保護者の進路に関する意識調査」2019年報告書
株式会社バンダイ バンダイこどもアンケート 2019年05月:子どもの習い事に関する意識調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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