更新日: 2023.06.23 子育て

「年収600万」のひとり親です。わりと稼いでいる方だとは思いますが、子ども2人を私立に通わせるのは現実的ですか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「年収600万」のひとり親です。わりと稼いでいる方だとは思いますが、子ども2人を私立に通わせるのは現実的ですか?
ひとり親家庭で子育てを行う場合の経済的負担が、大きな社会問題となっています。特に、子どもたちの教育にかかる費用は、解決すべき最も重要な課題の一つでしょう。
 
この記事では、年収600万円の収入を得ている、ひとり親家庭において、2人の子どもを私立学校に通わせることについての、現実性について検討します。その過程で考えるべき教育費の実情や支援制度、奨学金の活用などについても併せて解説していきます。
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子どもの教育にかかる費用

子どもの教育にかかる費用は、その子どもが通う学校の種類やレベルによって、大きく変わります。私立学校の場合、一般的に学費は、公立学校と比べて高額になります。以下で、両者を比較したデータを確認してみましょう。
 

・小・中・高の場合

文部科学省による「令和3年度子供の学習費調査」では、公立学校と私立学校の学習費総額の差は、次のように報告されています。
 
幼稚園では、私立が公立の1.9倍、小学校では、4.7倍、中学校では、2.7倍、高等学校(全日制)では、2.1倍の差になっています。学年(年齢)別に見ると、私立小学校の1年生が最も高く、約213万6000円であり、公立の中で最も高いのは、中学校の3年生で、約64万1000円となっています。
 

・大学の場合

日本学生支援機構による「令和2年度学生生活調査」によれば、公立と私立では、以下のような金額の差が報告されています。まず、私立大学(昼間部)において、学生生活費(学費+生活費)の合計は、公立大学よりも56万円高額になっています。
 
また、短期大学(昼間部)では、私立が公立よりも49万円、修士課程では、私立が公立よりも38万円高くなっています。さらに、専門職学位課程では、私立が国立よりも86万円多く納める必要があるのです。
 
以上のような、学費や在学時の生活費だけではなく、習い事や塾、学習教材の費用なども、考慮に入れる必要があります。これらの費用が積み重なると、一人の子どもにかかる年間の教育費は、かなりの金額になります。特に、私立に通わせると、公立と比べて、かなりの出費増になることが分かるでしょう。
 

年収600万円のひとり親家庭で、2人の子どもを私立学校に通わせることは現実的か?

私立学校は、たしかに公立と比べて学費が高めです。しかしながら、年収600万円の収入のひとり親家庭で、2人の子どもを私立学校に通わせることは、以下の二つの点から、適切に対処すれば問題ないと考えられます。
 

・ひとり親家庭が利用できる学費支援制度の活用

財政的な困難から、子どもの教育を諦めることがないように、多くの自治体では、学費支援制度を設けています。ひとり親家庭の場合、生活保護や児童扶養手当などの給付金のほかに、学費に対する補助制度や、奨学金制度が利用できることがあります。
 
ただし、これらの制度は、各自治体により異なるため、まずは、住んでいる地域の相談窓口に問い合わせることをおすすめします。
 

・不足分は奨学金の利用でまかなう

支援制度をフルに活用したうえで、それでも教育費が足りない場合、奨学金の利用を検討してみましょう。奨学金には、返済が必要な「貸与型」、返済不要な「給付型」の2種類があります。返済が不要な給付型奨学金は、学業成績や家庭の経済状況などが審査対象となりますが、申請が認められれば、その負担を大いに軽減することができるでしょう。
 

ひとり親家庭でも教育費の負担を軽減するための手段はある

年収600万円のひとり親家庭で、2人の子どもを私立学校に通わせるのは、一見難しいようにみえるかもしれません。しかし、子どもの教育にかかる費用の現実を理解して、各種の学費支援制度や奨学金を上手に活用すれば、経済的困難を乗り越えられる可能性は高まります。自身の状況に最適な支援策を見つけて、支援制度を活用しましょう。
 

出典

文部科学省 結果の概要-令和3年度子供の学習費調査 2. 調査結果の概要
独立行政法人 日本学生支援機構 令和2年度 学生生活調査結果
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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