10月からとうとう「日本郵便」も値上げ! 宅配便を安く送るにはどの業者を使えば良い?
配信日: 2023.06.25
本記事では、日本郵便・ヤマト運輸・佐川急便の料金を比較するとともに、各社の割引制度などについても解説します。
執筆者:山根厚介(やまね こうすけ)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
日本郵便の料金改定による宅配便送料の変化を比較
2023年10月に行われる日本郵便の値上げでどのような影響があるのでしょうか。日本郵便・ヤマト運輸・佐川急便の宅配便送料について、料金改定前後の送料を比較します。
改定前の料金比較
まず、改定前の料金比較は図表1のとおりです。図表1には関東(東京)から関東へ送った場合の料金を記載しています。サイズは、荷物の3辺の長さの合計(センチメートル)です。
図表1
日本郵便株式会社 ゆうパック 基本運賃表・ヤマト運輸株式会社 宅急便・宅急便コンパクト運賃表・佐川急便株式会社 飛脚宅配便 飛脚ラージサイズ宅配便より筆者作成
2023年4月にヤマト運輸と佐川急便が料金を値上げしたこともあり、日本郵便で取り扱いのある60~170サイズの宅配便のうち、60サイズ以外は日本郵便が最安でした。日本郵便で取り扱いのない180~260サイズは佐川急便が最安です。
ただし、ヤマト運輸は、料金が10~15%割り引かれる「クロネコメンバー割」や「にゃんPay」と呼ばれるサービスがあります。15%割り引かれた際の料金で比較すると、60~120サイズと180~200サイズではヤマト運輸が最安です。
図表1と図表2のヤマト運輸の料金は現金決済の場合のものです。クロネコメンバー割の場合はキャッシュレス決済の料金が適用され、そこから15%割り引かれます。
改訂後の料金比較
次に改訂後の料金を図表2で比較してみます。
図表2
日本郵便株式会社 ゆうパック 基本運賃表・ヤマト運輸株式会社 宅急便・宅急便コンパクト運賃表・佐川急便株式会社 飛脚宅配便 飛脚ラージサイズ宅配便より筆者作成
改訂後では、ほとんどのサイズで佐川急便が最安になりました。改定前は最安だった日本郵便が改訂後も最安であるのは、佐川急便で取り扱いのない120サイズのみです。しかも、次点のヤマト運輸との料金差は20円しかありません。
また、こちらでもヤマト運輸について15%割り引いた料金で比較したところ、60~200サイズいずれでもヤマト運輸が最安になりました。
ヤマト運輸の割引を使う際の注意点
このように大手3社の料金を比較した場合、割引を使うとヤマト運輸が最安になるケースが多くなります。ただし、ヤマト運輸のクロネコメンバー割やにゃんPayを使う際には注意点もあります。
クロネコメンバー割には、割引率が10%の「クロネコメンバー割」と15%の「クロネコメンバー割BIG」の2種類があります。
これらのサービスを使うには、あらかじめプリペイドカードに現金をチャージする必要があり、クロネコメンバー割の場合は最低3000円、クロネコメンバー割BIGの場合は最低5万円チャージしなければなりません。
15%と高い割引率を誇るクロネコメンバー割BIGですが、頻繁に宅配便を利用する人でなければ、5万円をチャージするのは少しためらってしまうのではないでしょうか。
もう1つの割引サービスである「にゃんPay」は、スマホアプリによるキャッシュレス決済サービスで、割引率は12%です。にゃんPayではクロネコメンバー割のような最低チャージ額はありませんが、チャージできるのが銀行口座に限られており、利用できる銀行も限られている点がデメリットです。
他にはどのような割引がある?
割引率が大きいクロネコメンバー割やにゃんPayを取り上げましたが、細かな割引は他にも用意されています。例えば、自分が荷物を持ち込んだ場合の割引は3社とも用意されています。割引額は、日本郵便が120円、ヤマト運輸が100円または150円、佐川急便が100円です。
また、日本郵便ではスマホアプリを使って発送手続きを行うと180円割り引かれます。同様のサービスはヤマト運輸にもあり、ヤマト運輸の割引額は60円です。
割引制度を賢く利用しよう
日本郵便の料金改定後は、多くのサイズで佐川急便が最安になります。しかし、割引を使うとヤマト運輸のほうが安くなるケースもあります。
ただし、割引を使うには条件もあるため、誰でも使えるわけではありません。荷物を送る際には、自分でも使える割引を事前によく確認した上で、最も料金が安くなる業者を利用しましょう。
出典
日本郵便株式会社 新運賃表
ヤマト運輸株式会社 宅急便・宅急便コンパクト運賃表(2023年4月3日から適用・現金決済)
佐川急便株式会社 飛脚宅配便(改定後)
佐川急便株式会社 飛脚ラージサイズ宅配便(改定後)
執筆者:山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士