育児休業中は家計を支援する 制度を利用しよう! 「育児休業給付」とは?
配信日: 2023.06.26
本記事では、育児休業給付がどのような制度であるのか詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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「育児休業給付」とは
「育児休業給付」は、育休中の収入減少を補うための給付です。母体保護の見地から認められている産休とは目的が異なります。
出生後8週間以内に合計4週間分(28日)を限度として、「産後パパ育休(出生時育児休業)」を取得した場合に一定の条件を満たすと「出生時育児休業給付金」が支給されます。また、原則として1歳未満の子どもを養育するために「育児休業」を取得し、同じく一定の条件を満たした場合に「育児休業給付金」が支給されます。
「産後パパ育休(出生時育児休業)」と「育児休業」は共に2回まで分割取得可能です。親が育児に専念できるようにするため、そして家計を支えるために設けられています。
育児休業給付の受給条件
「育児休業給付」は、無条件で受給できるというわけではありません。子どもの年齢や受給期間、金額など、いくつかの定めがあります。そこで、育児休業給付の受給条件を、申請方法とともに解説します。
育児休業給付の支給要件
育児休業給付には、「出生時育児休業給付金」と「育児休業給付金」の2つがあります。それぞれ、下記の要件を満たした場合に支給対象となります。
・雇用保険の被保険者
・出生日あるいは出産予定日のうち遅い日から8週間が経過する日の翌日までに、28日以内の範囲で産後パパ育休を取得
・育児休業を開始した日より2年間前に賃金支払基礎日数が11日以上あるいは就業した時間数が80時間以上の月が12ヶ月以上
・休業開始中の就業日数が、最大10日(10日を超えるときは80時間以下)
・有期雇用の場合、子どもの出生から8週間を経過する翌日から6ヶ月経過する日までに、労働契約期間が満了にならない
・雇用保険の被保険者
・原則として1歳未満の子どもを養育するために育児休業を取得
・育児休業を開始した日より2年間前に賃金支払基礎日数が11日以上あるいは就業した時間数が80時間以上の月が12ヶ月以上
・1ヶ月の就業が10日以下あるいは80時間以下
・有期雇用の場合、子どもが1歳6ヶ月に達する日までの間に、労働契約期間が満了にならない
育児休業給付の期間
出生時育児休業給付金は、子どもの出生日から8週間経過する日の翌日から、2ヶ月を経過する日の属する月の末日までの期間が対象です。2回に分割して取得しても、支給申請は1回で行います。
一方、育児休業給付金は育児休業開始日から、子どもが1歳6ヶ月に達する日の前までの期間が支給対象です。ただし、保育所に預けられないなどの事情がある場合は2歳に達する日前まで延長される場合があります。
育児休業給付の支給金額
出生時育児休業給付金の支給金額の計算式は、下記の通りです。
・支給額=休業開始時賃金日額×休業期間日数(上限28日)×67%
育児休業給付金の給付金額は、原則としては休業前の日額賃金に基づき、休業開始日からの180日間は給与の67%、その後は50%が給付されます。
・180日目まで:支給額=休業開始時賃金日額×休業期間日数×67%
・181日目以降:支給額=休業開始時賃金日額×休業期間日数×50%
休業開始時賃金日額の上限は1万5190円、下限は2657円です。
企業によってはさらなる給付が加えられる場合もありますので、具体的な金額は雇用主や労働組合、またはハローワークに確認してください。
受給期間中に働けるのか?
育児休業給付を受けている期間中は、休業期間中の労務提供義務を消滅させるものであり、仕事をして収入を得ることは想定されていません。
しかし、例外として、子どもの養育が必要ない期間に限り、一時的・臨時的に就労することが可能です。ただし、就労には労働者が事業主の求めに応じて合意する必要があり、事業主の一方的な指示によって就労させることはできません。
就労する場合は、就労日数が月10日(10日を超える場合は月80時間以下)であれば、育児休業給付金が支給されます。
育児休業給付の申請方法
育児休業給付の申請は、通常、勤務先経由で行います。勤務先から「育児休業給付受給資格確認票・出生児育児休業給付金支給申請書」あるいは「育児休業給付金支給申請書」の記述を求められたら、賃金台帳や母子健康手帳などの必要な証明書の写しを添えて提出しましょう。出生時育児休業の場合、診断書や出産証明書が必要です。
また、申請は2ヶ月ごとに行います。ハローワークから次回用の申請書が勤務先に郵送されますので、署名・押印して提出しましょう。
育児休業給付を受けて育休中の家計を支えましょう
育児休業給付は、子育て期間中の家計を支援する重要な手段で、育児に専念できるよう家計を助けてくれます。
出生時と育児期間で給付が異なり、それぞれの要件を満たすことで給付を受けられます。申請手続きは通常、勤務先を通じて行います。育児と仕事の両立を助けるために、制度を十分に理解し、うまく活用してください。
家計を安定させることで、より心に余裕をもって子育てに専念できるようにしましょう。
出典
厚生労働省 育児休業給付について
厚生労働省 育児・介護休業法 改正ポイントのご案内
厚生労働省 育児休業給付の内容と支給申請手続
厚生労働省 Q&A~育児休業給付~
厚生労働省 育児休業中の就労について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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