更新日: 2023.06.29 子育て
年収560万、わが家は「私立高校」に無償で通える? 年収の目安について解説
そこで今回は私立高校の無償化について説明し、年収が560万円の場合にも適用されるのか解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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無償化に相当する制度
まず私立高校の無償化の実態について知っておく必要があります。正確には無償になったわけではなく、令和2年4月に高等学校等就学支援金が拡充されました。高等学校等就学支援金は、それ以前から主に公立高校の生徒のために存在していたものです。授業料を想定した金額が提供されるので、収支の観点から実質的に無償と表現されています。
学校側は授業料を請求しますが、それを国の支援でカバーするという形です。そして、経済的な理由で進路が制限されることを防ぐため、上記のタイミングで制度が改正されました。私立高校に通っている場合は、私立高校の授業料をまかなえる高等学校等就学支援金が支給されます。
その際の支給先は生徒本人や保護者ではなく、生徒が通っている私立高校です。いったん受け取ってから自分で納付する方式ではありません。
対象となる年収の目安は?
文部科学省は、私立高校向けの高等学校等就学支援金を支給する要件として、590万円未満という年収の基準を掲げています。実際の判定は、課税所得と市町村民税に関する金額をもとに行いますが、参照しやすいように年収に換算しているのです。いずれにせよ、その基準だけを見て判断するのはよくありません。
なぜなら、これは高校生と中学生を養っている世帯で、夫婦の片方のみが働いているケースの目安だからです。家族構成や夫婦の就労状況によって、この目安は大きく変わるので気を付けましょう。例えば、大学生と高校生を養っている世帯で夫婦が共働きだと、基準は一気に740万円未満に跳ね上がります。
ただし、年収が560万円なら、対象外になることを心配する必要はないでしょう。上記の590万円未満という基準が最も低いため、どのようなケースでも基本的には支給されます。
無償にならない費用に要注意!
高等学校等就学支援金の対象でも、私立高校に通うための費用がすべて無償になるわけではありません。支払いが不要なのは授業料に限られるので注意が必要です。入学金や施設設備費をはじめとして、学校から請求される費用は自己負担となります。
授業に関しても、教材や実習に用いる物品は各自で購入することが一般的です。制服や通学カバン、文房具など、日常的に使うものも同様となっています。徒歩や自転車で通えないなら交通機関の定期券も不可欠です。課外授業や部活で宿泊する場合は、そのたびに大きな出費が生じる可能性もあります。したがって、上記のような支出が別途生じることを理解しておかなければなりません。
正しい要件や自己負担の費用を踏まえて判断しよう
子どもたちの進路を考えるにあたり、私立高校の無償化は選択の幅を大きく広げてくれます。経済的な不安があっても、収入に関する要件を満たすなら、必ずしも公立高校のみを選ぶ必要はありません。授業料の負担がないことを踏まえ、卒業まで通えるのか検討することが大事です。無償にならない費用も把握して、総合的に判断することを心がけましょう。
出典
文部科学省 2020年4月からの「私立高等学校授業料の実質無償化」リーフレット
文部科学省 高等学校等就学支援金制度 年収目安
文部科学省 高等学校等就学支援金制度に関するQ&A
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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