更新日: 2023.07.10 その他暮らし

年収350万円で新車の選択肢は「軽自動車」のみ? 趣味車デビューする方法は?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

年収350万円で新車の選択肢は「軽自動車」のみ? 趣味車デビューする方法は?
「本当は欲しい車種があるけれど、家族のために我慢……」と、乗り換えの度に諦めている人は多いのではないだろうか。選択肢に上がる車は、ライフステージはもちろん、年収などによっても大きく異なるのが一般的だ。
 
さらに車両価格やガソリン代などの維持費の高騰によって、「ロマン」を追いかけるのはますます難しくなっている。4人家族のAさんも、子どもたちが独立した今、大好きなSUVを購入したいと考えているが、妻を説得するには「年収が少なすぎる」と考えているという。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

すっかり「軽自動車が当たり前」が根付いた家庭

「『軽自動車はコスパ最高!』というのは嫌というほど分かっているんですがね……」と苦笑いするのは、今年、53歳を迎えたAさん(男性)だ。地方在住でマイホームに住んでいるAさんにとって、通勤や買い物などに車は必要不可欠で、25歳で結婚し、28歳で初子を授かったときから妻と軽自動車2台体制を続けている。ただ、子どもが家を出た現在、これまでに乗ったことのない「本当に欲しい車」に一度は乗ってみたいという気持ちが強まっている。
 
「外車のSUVですね。価格は大体500万円でしょうか。もう10年くらい前から目を付けていて、実はこっそりディーラーに行ったりもしていたんですよ。ただ、やっぱり維持費や購入費が軽自動車と比べるとかなり高い印象なので……。税金を払うときに妻に文句を言われそうなのが目に見えているんですよね(笑)。ただ、子どもが大きくなった今、軽自動車に乗り続ける理由もない気がするんですよ」
 
Aさんの年収は350万円で、妻と合わせると世帯年収は600万円ほどだ。今後も年収アップのための副業は考えておらず、「このまま勤め上げられたら」と語っている。マイホームの35年ローンは残っているものの、教育費などの大きな支出は今後ない。軽自動車はそれぞれ7年程度(車検3回目くらい)を目安に買い替えており、来年はAさんが普段使っている車にそのタイミングがやってくるという。
 

新車は難しいが中古車なら購入可能

まず、自身の年収が350万円、世帯年収が600万円超のAさんであっても、500万円前後の価格のSUVを購入することは可能だ。しかし、一般的に車を購入する際の適切な価格の基準は年収の5割程度といわれているため、Aさんが外車のSUVを購入するのは大変だろう。
 
SUVの購入時にはカーローンを利用することになるが、一般的にローンの借り入れ上限額は年収の30〜40%、返済比率は25〜35%といわれている。つまり世帯年収600万円のAさんの場合、ローンの借り入れ上限額は180万〜240万円となるので、残りの費用については、貯金を頭金にローンを組む必要がある。また、年間の返済額は150万〜210万となるため、毎月12万5000〜17万5000円の負担となる。
 
さらに購入費用以外にも税金、保険料、車検費用などの維持費がかかる。車種により違いはあるが、仮に500万円前後のSUVの維持費用をシミュレーションしてみると、年間約115万円となった。加えて、将来ローンで住んでいる家のリフォームや子どもの結婚費用の補助などでお金が飛ぶ可能性がないとは言い切れない。そうなると、Aさんの貯金が多いケースを除くと、新車のSUVを購入する判断には慎重になるべきだ。
 
とはいえ、SUVの新車にこだわらないのであれば話は変わってくる。市場に多くの台数が出回っている車種の場合、走行距離が少ないモデルを選べば、200万〜300万円台まで価格が下がる。貯金があれば、月々のカーローンの返済費用も抑えることが可能だ。車種の選択肢も広がるため、好みの車と出会えるだろう。
 

まとめ

自身の年収よりも高い車を購入したいと考える、Aさんのような人は多い。しかし、新車の購入価格が高いからといった理由で欲しい車を諦める必要はない。1年落ちなど走行距離の少ないモデルなら、新車よりも200万円以上安い価格で車を購入できる可能性があるからだ。
 
ただし、車を購入後に予定外の出費がないとは言い切れない。無理なく維持費用を支払い続けることができるのか、シミュレーションをしておくことが重要だ。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

ライターさん募集