更新日: 2019.01.07 その他暮らし
【調査】新入社員 VS 先輩社員。あなたは残業とデート、どっちを優先して仕事する?
会社の新入社員に対して、「何を考えているかわかんないな…」と思っている社員のみなさん。この記事を読めば、彼らに対する理解が少し深まるかもしれません。
Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
働く目的は「楽しい生活をしたい」が約4割と最多。「自分の能力を試す」は過去最低
公共財団法人日本生産性本部と一般社団法人日本経済青年協議会は、平成30年度の新入社員1644人を対象に「働くことの意識」を調査しました。
「働く目的」を聞いたところ「楽しい生活をしたい」という回答が41.1%と最も多く、平成12年度以降右肩上がりに増加しています。次に多いのは「経済的に豊かになる」で30.4%。こちらは今回、過去最高を記録しました。
一方、「自分の能力を試す」は10%と過去最低を更新し、「社会に役に立つ」は8.8%と、いずれも低下傾向です。
「楽しい生活をしたい」や「経済的に豊かになりたい」と考えることは、ごく当たり前のことでしょう。しかし、注目すべきは「自分の能力を試す」が過去最低を更新した点です。安定志向とも言えますが、チャレンジを好まない人が増えているのかもしれませんね。
デートの日に残業を頼まれたら?「仕事派」が約7割も、年々「デート派」が増加中
次に、「デートの約束があった時、残業を命じられたらどうするか」という質問を、10年前と比較してみてみましょう。
平成20年度の調査では、「デートをやめて仕事をする」が81.4%、「ことわってデートする」が18.1%と、多くの人がプライベートよりも仕事を優先していたことがわかりました。
平成30年度の調査では、「デートをやめて仕事をする」が68.5%、「ことわってデートする」が30.9%でした。仕事を優先する傾向は変わらないものの、「仕事派」は減少し、「デート派」が増加しています。この「デート派」は平成23年を境に着実に増加しているようです。
近年は残業による過労死や過労自殺が問題視されていますが、今年成立した働き方改革法によって、残業時間に罰則付きの上限規制が設けられる予定です。かつては「残業をする=仕事を頑張っている」という風潮もありましたが、ここにきて社会全体が残業に対する考え方を改める流れにあるようです。職場でもプライベートを優先して仕事を切り上げるということが、以前よりしやすくなっているのではないでしょうか。
5年前と比較して「リーダーになるより、人に従う方がいい」が9.9%アップ
また、同調査では就労意識と生活価値観に関する項目において、「そう思う」から「そう思わない」までの4段階で回答を求めています。「そう思う」「ややそう思う」を合わせた割合が最も多いのは「仕事を通じて人間関係を広げていきたい」で94.1%でした。次に多かったのが「社会や人から感謝される仕事がしたい」で92.9%、「ワークライフバランスに積極的に取り組む職場で働きたい」(92.6%)と続きました。
次に、就労意識と生活価値観について、「そう思う」「ややそう思う」を合わせた割合を5年前と比較しました。
その結果、最も増加した項目は「リーダーになって苦労するより、人に従っている方が気楽でいい」(56.2%)で、5年前より9.9%アップしました。また、「仕事はお金を稼ぐための手段であって面白いものではない」(41.0%)も9.5%増加しています。
反対に、最も減少した項目は「あまり収入がよくなくても、やり甲斐のある仕事がしたい」(50.5%)で、5年前と比較して16.5%減少しました。
参考資料:公共財団法人日本生産性本部・一般社団法人日本経済青年協議会
平成30年度新入社員「働くことの意識」調査結果
平成20年度新入社員「働くことの意識」調査結果
ミレニアル世代は、やっぱり現実的?
今回の調査によって、新社会人の仕事に対する考え方が変わりつつあることが伺えました。
また、株式会社ジャパンネット銀行の「ミレニアル世代のお金に関する意識・実態調査」によると、ミレニアル世代(ここでは日本国内の18~25歳の若年層を指す)に「10年後、あなたはどれくらいの年収を稼いでいると思いますか?」と聞いたところ、回答平均で429.8万円でした。そのうち、「700万円以上」の回答をした人は全体の約15%です。
国税庁の「平成28年分民間給与実態統計調査結果」をみると、平成28年分の一人当たりの平均給与は男性が521万円、女性が280万円、全体の平均が422万円です。実際の平均給与と、ミレニアル世代の答えた金額とは大きな違いはなく、彼らが現実的な視点を持っていることがうかがえます。
※国税庁「平成28年分民間給与実態統計調査結果」<1年を通じて勤務した給与所得者に関する主な結果>
仕事に対する比重は人それぞれ。世代に関わらず個々の「働き方」に理解を示すことが大事
最近では日本企業の間で「副業解禁」の動きが広がってきています。ネットやSNSの登場で、副業の内容も多種多様になりました。
社員の中には退社後、副業に励む人もいるかもしれません。そのために、会社ではやるべきことだけをやり、必要以上に残業をしないということも考えられます。副業でないとしても、プライベートで「自分の能力を試している」可能性もあるのです。
仕事に対する比重が低いことが、意欲がないということにはなりません。中にはワークライフバランスを考え、職場はお金を稼ぐ場所と割り切ることもあるでしょう。さまざまな働き方が認められつつある現代、世代に関わらず、それぞれが考える「働き方」に理解を示すことが大事なのではないでしょうか。
新入社員に対して「冷めてるなあ」などと感じているみなさん。そんな彼らも、もしかしたら会社以外の場所で野心を燃やしているかもしれませんよ?
参考資料:ジャパンネット銀行『「ミレニアル世代」のマネー事情を調査』
厚生労働省「平成29年国民生活基礎調査」各種世帯の所得等の状況
Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)