みんなやっているラン活。大きな出費だけど、本当に必要なの…?

配信日: 2023.07.28

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みんなやっているラン活。大きな出費だけど、本当に必要なの…?
1970代は1万円程度が相場だったランドセルも、今や数万〜数十万円のものが売られています。子どもの進路によってどれだけ教育費がわからないのに、学校生活の最初に購入するランドセルがいきなり高額となると、期待と同時に不安が募る保護者の方も多いかもしれません。ランドセルをきっかけに、学校生活はじめの出費の考え方について掘り下げてみたいと思います。
柴沼直美

執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com

ラン活は小学校入学の1年前

例えば、ほしいランドセルが8万円する場合、保護者にとっては大きな出費になることは疑う余地もありません。下にさらに子どもがいる場合はなおさらです。もし3人子どもがいれば、それぞれに買うとなると、それだけで結構な金額です。
 
さらに、かつてに比べてカラーバリエーションやさまざまな機能を備えたランドセルも提供されていて、入学の1年前から品定めをするという方もいらっしゃいます。支払い担当は両親ではなく祖父母というケースもあるでしょうが、いずれにしても大きな出費です。
 

本当に6年間持ち続けるか

ただ、8万円かけたランドセルを小学校時代6年間、ずっと使い続けるのかというのも疑問です。子どもの身体的成長が急に加速する年頃はそれぞれですが、早ければ小学校3~4年生ごろから急激に体格が変わって、体に合わなくなってくるかもしれません。
 
また、このころから中学受験に向けた塾通いが始まると、持ち物が増え、ランドセルではまかないきれず、柔軟性のあるリュックサックを子どもに持たせているという方もいらっしゃるでしょう。
 
いずれの理由にしても、子どもに責めを帰するものではないことと、毎日学習に必要なものを運ぶカバンは必ず必要なので8万円とまではいかなくても、「ラン活Part2」に奔走しなければならなくなる可能性はゼロではありません。そしてそうなるかどうかも、その時になってみないとわからない、不確実性の高い買い物になります。
 

「ファミリールール」を早くから共有

「まわりがラン活しているから、うちも同じことをしないとかわいそう」と思いがちですが、子どもはわれわれ親世代が考えている以上に柔軟だ、よく考えている、鋭い、と感じさせられる場面に出くわすことは多いのではないでしょうか。
 
「幼いとき」から「ファミリールール」を共有しておくと、思いのほか吸収力があるものです。
 
例えば、「ランドセルはここまで」とある一定の価格帯で線を引く、ランドセルは希望どおりのモノを祖父母からプレゼントされたとしても、両親から子どもに買ってあげるものは「ここまで」と決める。その時にその理由も説明します。そうすることで、徐々に「限られた収入の中でやりくりをする」という家計を理解する土台ができてきます。
 

ストップ「ザ・お稽古三昧」

幼い時に、「ここまで」という線を引くことによって、「友だちがやっているから、自分もやりたい」とまわりに流されてお稽古三昧に陥ってしまうこともなくなります。「あれもやりたい、これもやりたい」と子どもは言ってくるかもしれませんが、その都度、「お稽古は1つだけ」ということを必ず理由も添えて説明します。
 
学校で先生から教えてもらう「読み書き」よりも、一見難しいかと思いますが、各家庭でしかできない将来役に立つ社会の基礎で、両親から説明を受けることで理解できる大事な課題ではないかと思っている方もいらっしゃるでしょう。
 

出典

一般社団法人 日本鞄協会 ランドセル工業会 ランドセルの価格・今昔
 
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者

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