【国際ロマンス詐欺】被害に遭わないように知っておきたい手口や注意点は？

SNSやマッチングアプリなどで出会った外国人から、恋愛感情や信頼感などを利用して金銭などをだまし取られる「国際ロマンス詐欺」が現在も増加傾向にあります。恋愛感情があるため、詐欺被害に遭っていても本人も周りも気づきにくいのが特徴です。国際ロマンス詐欺に多い手口や詐欺被害に遭わないための注意点などをご紹介します。

増加中の国際ロマンス詐欺

国際ロマンス詐欺とは、SNSやマッチングアプリ、出会い系サイトなどを通じて知り合った外国人から、金銭や贈り物、投資などさまざまな要求をされる詐欺です。現在、国際ロマンス詐欺は世界中で増加傾向にあります。
 
国民生活センター越境消費者センター（CCJ）が発表した「出会い系サイトやマッチングアプリ等に関する年度別相談件数」によると、相談件数は2020年の109件から2021年は187件と大きく増加しています。そのなかでも、投資などが関係する被害が多いのが特徴です。
 

国際ロマンス詐欺の流れ

被害者の恋愛感情や信頼感を利用して、金銭をだまし取る国際ロマンス詐欺の手口は非常に巧妙です。国際ロマンス詐欺の代表的な流れは次のようなものです。
 

1.SNSやマッチングアプリ、出会い系サイトなどで知り合った外国人から積極的にアプローチがある
2.恋愛感情や信頼感を得られたら、まずは少額の金銭などを要求する
3.1000万円以上の高額の要求をして、目的を達した後は音信不通になる

 
投資に関わるケースでは、実態の分からない投資サイトに誘導され、最初は少額の投資をもちかけられます。投資サイト上では利益が出ているように見えるため、被害者も相手を信頼してしまいます。しかし、さまざまな名目で次々と高額の送金をさせられ、最終的に相手と音信不通になります。
 
相手は外国に住んでいるため、連絡をとる方法がほかにありません。投資サイトに連絡しても投資したお金は戻らず、大きな被害に遭うのです。
 　　　　

国際ロマンス詐欺の手口

国際ロマンス詐欺は、外国人が被害者の恋愛感情や信頼を利用してさまざまな要求をしてくるため、詐欺だと気づきにくいのが特徴です。男性に限らず、女性が被害に遭うこともあります。具体的な手口には、次のようなものがあります。
 

●結婚をほのめかして「2人の将来のために」と投資をもちかけられ送金したが、相手とも投資会社とも連絡がとれなくなる
●日本に来るための渡航費を要求される
●相手が海外で身柄を拘束されたと弁護士を名乗る人物から連絡があり、弁護費用などを請求される
●子どもが事故に遭い、大金が必要になったと送金を要求される

 
このように、あらゆる理由やシチュエーションを作り、お金をだまし取ろうとするのが国際ロマンス詐欺の手口なのです。
 　　　　

国際ロマンス詐欺に引っかからないための注意点

今後、手口がますます巧妙化してくる可能性のあるロマンス詐欺は、自分、または身内がだまされないように注意したいものです。さまざまな詐欺の手口をメディアなどで知っていても、人の恋愛感情や信頼感を利用しているため、だまされていると気づきにくいといえるでしょう。国際ロマンス詐欺に引っかからないための注意点は、次のとおりです。
 

●国際ロマンス詐欺の手口を知る
●ユーザーの特徴に着目する
●少額でも簡単に送金しない
●違和感を覚えたら第三者に相談する

 
以下で、それぞれについて詳しく解説します。
 

国際ロマンス詐欺の手口を知る

多様化している国際ロマンス詐欺ですが、過去の事例などを見て手口を知っておけば、早期に詐欺だと気づきやすくなります。SNSやマッチングアプリなどを利用している人は、知り合って間もない外国人から急速にアプローチされ、金銭を要求されたときは気をつけましょう。
 

ユーザーの特徴に着目

SNSやマッチングアプリは、匿名性が高いことから相手がどんな人物なのか判別しにくく、国際ロマンス詐欺の被害に遭う可能性が高いです。しかし、国際ロマンス詐欺を仕掛けるユーザーの特徴を知っておくことで、被害を防げます。次のようなユーザーには、注意をしましょう。
 

●ユーザー名やニックネームが意味のないアルファベットの羅列
●知り合ってすぐに連絡先を交換しようとする
●掲載しているプロフィール写真が本人のものではなく、無断転用の画像
●会っていないのに恋愛感情を伝えてきたり結婚を申し込んだりする
●SNSの投稿が少ない、始めて間もない

 　　　　　

少額でも簡単に送金しない

国際ロマンス詐欺に引っかからないようにするためには、たとえ少額であっても簡単に相手に送金しないことが大切です。国際ロマンス詐欺の最終的な目的は、大金をだまし取ることですが、初期段階では不信感を抱かせないよう少額を要求します。
 
そのうちにさまざまな理由をつけて、要求してくる金額も大きくなります。いかなる理由であっても、簡単に送金しないようにしましょう。
 

違和感を覚えたら第三者に相談する

早い段階で相手との関係が恋愛や結婚に発展したり、投資をもちかけられたりするなどの場合は、国際ロマンス詐欺を疑うようにしたいものです。相手の言動や要求に少しでも違和感を覚えたら、第三者に相談しましょう。
 
消費者ホットラインに電話すれば、消費者センターなどの相談窓口を案内してくれます。
 

国際ロマンス詐欺の被害に遭わないように注意しよう！

世界中で増加傾向にある国際ロマンス詐欺は、日本でもまだ増え続ける可能性があります。被害に遭った後では、お金は戻ってこないことがほとんどです。国際ロマンス詐欺の手口を知ることで詐欺被害を防げます。SNSやマッチングアプリ、出会い系サイトなどで積極的にアプローチをしてくる外国人には慎重に対応しましょう。
 

出典

独立行政法人 国民生活センター ロマンス投資詐欺が増加しています！ その出会い、仕組まれていませんか？
消費者庁 消費者ホットライン

 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー