更新日: 2023.08.23 その他暮らし
台風で車が冠水したら、引き取りすら「拒否」される!? 乗り続けるのはNG? 注意点についても解説
本記事では冠水車の処分方法や、冠水に備えるための対策などについて解説します。
執筆者:山根厚介(やまね こうすけ)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
車が冠水した場合にまずしなければならないこと
冠水による車のダメージは外観から判断しにくいことも多くあり、見た目はきれいでも想定外のダメージを受けている場合があります。不用意にエンジンをかけようとすると、電気系統がショートを起こして火災を引き起こす恐れもあるため危険です。また、エンジンをかけていなくても自然発火する可能性もあります。
そのため、車が冠水した際は、バッテリーのマイナス端子からターミナルを外して、ビニールテープなどで絶縁しておきましょう。ただし、ハイブリッド車や電気自動車の場合は高電圧のバッテリーを使用しているため、自身では触れずに販売店や最寄りの整備工場などに相談してください。
冠水車に乗り続けても大丈夫?
冠水した場合でも、「乾いてしまえばそのまま乗り続けられるのでは?」と考える人もいるのではないでしょうか。しかし車へのダメージは、エンジンまで浸水しているかどうかで大きく異なります。浸水がマフラーに達しない程度であれば、エンジンも無事である可能性が高く、整備により復活する可能性もあるでしょう。
一方で、エンジンまで浸水が及んだ場合、修理は困難です。また、フロア部分以上まで冠水した場合は、エンジンだけでなくシートなど車の内装に汚水によるしつこい臭いが残るため、よりダメージが大きくなります。いずれの場合でも自身で動かすことはせず、ディーラーなどへ修理の可否を問い合わせてみることをおすすめします。
冠水車は売却できる?
では、冠水した車は売却できるのでしょうか? マフラーに達しない程度の冠水であれば、一般のディーラーや中古車買取業者でも買い取ってくれることがあるようです。ただし、冠水していない状態と比べると、買取金額は低くなるでしょう。
エンジンまで浸水している場合は修理が困難となるため、廃車のほうが現実的です。この場合は、廃車の買取業者や解体業者へ依頼することになります。冠水車の買取実績がある業者であれば海外などに販路をもっているため、より高く売却できることもあります。
車の冠水に備えるには
車の冠水への備えとして有効なのが、車両保険に入っておくことです。車両保険であれば、基本的に台風などによる大雨や洪水、高潮による冠水が補償されます。ただし、津波による冠水は補償の対象外となります。また、車対車の車両保険だと補償されないため注意してください。
冠水の恐れがある場合は、車を高台などへ避難させておくことも考えておくべきでしょう。特に、台風はある程度予測や準備ができるため、規模が大きな台風が来る場合などには、あらかじめ車ごと避難しておけば安心です。
ただし、すでに冠水が始まっているなど、災害が進行した状態での避難は危険です。あくまで自らの安全確保を第1に行動してください。
まとめ
車が冠水すると、見た目はきれいでも、想像以上にダメージを受けている場合があります。また、電気系統のショートにより火災を起こす可能性があるため、冠水した際はバッテリーからターミナルを外しておきましょう。
エンジンまで浸水していない場合は、売却できる可能性がありますが査定額は下がります。エンジンまで浸水していると売却は難しく、廃車が現実的です。低地に住んでいたり、地下式駐車場を使っていたりする人は、車両保険に加入するなど冠水に備えておきましょう。
出典
国土交通省 自動車 浸水・冠水被害を受けた車両のユーザーの方へ
執筆者:山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士