更新日: 2023.08.26 その他暮らし

31歳、実家に帰省したら「結婚しないの?」と何度も聞かれました。独身だと老後は悲惨ですか?

31歳、実家に帰省したら「結婚しないの?」と何度も聞かれました。独身だと老後は悲惨ですか?
結婚への考え方は時代とともに大きく変化しています。男性の20代後半、女性の20代前半を結婚適齢期と呼んでいた時代もありました。しかし、いまは30代や40代になっても独身でいることが珍しくないのです。質問のケースは31歳ですので、結婚を慌てなくてもよいかもしれません。
 
一方、独身でいることに不安を感じる人が多いのも事実です。ここでは、独身だと老後は悲惨になるかという質問に答えていきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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ずっと独身でいると老後は悲惨なの?

独身者には、家族サービスや配偶者の親戚付き合いをしなくてもよいなど、自分軸で生活できるという大きなメリットがあります。そのため、社会で活躍したい人、趣味を極めたい人にとっては理想的ともいえるでしょう。
 
もし、結婚した場合、人数分の生活費が必要になります。子どもが生まれると教育費もかかってきます。子どもが独立してから結婚資金や住宅購入費の援助を求められるかもしれません。孫が誕生したら節目のお祝いも必要です。
 
家族が増えるとおめでたいイベントも多いですが、そのための資金確保を負担に感じることもあるでしょう。しかし、独身者にはこのような費用が不要です。夫婦共働きよりは収入が減りますが、生活費を削ったり、最小限の親戚付き合いにとどめたりするなど、工夫しだいで安定した生活を送ることが可能です。
 
一方、独身生活にデメリットがないわけではありません。人生にはいろいろな節目がありますが、大事なことはすべて自分で解決する必要がでてきます。また、病気やけがで働けなくなったとき、頼る人がいないかもしれません。
 
病気などで収入が途絶えてしまうと経済的な不安も拭えません。若いうちはともかく、年齢を重ねるごとに独身でいることに不安を感じ、寂しい老後を迎える人もいるでしょう。友人や知人がいると心強いですが、いざというときに頼れるのは家族や親戚です。このような理由から、質問者の家族が結婚を意識するのは自然な流れかもしれません。
 

老後の経済面はどうなの?

ずっと独身でいる場合、やはり心配なのは経済的に生活が成り立つかどうかです。総務省の家計調査報告によると65歳以上の無職独身者の場合、実収入(税込み収入)は13万4915円、可処分所得(手取り収入)は12万2559円になります。消費支出(生活費)が14万3139円のため、可処分所得12万2559円との差額2万580円を何らかの形で補う必要があります。
 
一方、65歳以上の無職夫婦2人暮らしの場合、実収入は24万6237円、可処分所得は21万4426円です。そして、消費支出23万6696円と可処分所得21万4426円との差額は2万2270円になっています。
 
独身者よりも夫婦2人暮らしのほうが実収入や可処分所得が多いですが、余裕がある生活ができるとは限らないでしょう。実際、生活費不足分は独身者2万580円と夫婦2人暮らし2万2270円と大差ないため、経済的に不安なのは独身者だけではないといえます。
 

老後の生活費不足をカバーしよう

消費支出のなかには、家計のやりくりによって節約可能なものと、そうではないものがあります。消費支出のなかで住居費の占める割合が大きい人もいるでしょう。
 
持ち家でローンの支払いがない場合は、賃貸暮らしよりも安く抑えることが可能です。しかし、ずっと賃貸暮らしをするのなら、家賃支払分を確保しなければなりません。そのためにも、老後に向けて計画的に貯金していくことが大切です。
 
多くの人にとって、老後の収入源として公的年金が占める割合が大きいでしょう。生活費不足をカバーするために国民年金基金や個人型確定拠出年金(iDeCo)などの私的年金に加入することも選択肢の1つです。また、収支の割合はケースバイケースですが、人によっては老後も働く必要があるでしょう。
 

独身者の老後は必ずしも悲惨ではない! もちろん老後に向けた資金準備は必要

独身者の老後を心配する声もありますが、老後は必ずしも悲惨ではありません。独身でいるためには、経済面に加えて健康面での不安をなくすことが大切です。
 
ただし、経済的な面では夫婦2人暮らしも同じといえるでしょう。いずれの場合も月々の収支がマイナスになることが多いので、不足分を補うための資金準備をしなければなりません。そのうえで、老後も仕事を続けることも考えておきましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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