更新日: 2023.09.08 その他暮らし

ガソリン「200円」の時代が来るなら、今ハイブリッドカーに買い替えるべき?「フィット」「ノア」で試算

執筆者 : 佐々木咲

ガソリン「200円」の時代が来るなら、今ハイブリッドカーに買い替えるべき?「フィット」「ノア」で試算
「ハイブリッドカーの割高分は、ガソリン代だけでは回収できない」ということは一般的に知られているかと思います。ただガソリン代の高騰が続く昨今、レギュラーガソリンは1リットル当たり200円が当たり前となる時代が近いのかもしれません。
 
さすがに200円ともなれば、ハイブリッドカーの割高分を回収できるのではないでしょうか。本記事で試算してみます。
佐々木咲

執筆者:佐々木咲(ささき さき)

2級FP技能士

2023年8月時点のガソリン価格は185.6円

経済産業省資源エネルギー庁が公表している調査結果によると、2023年8月28日時点におけるレギュラーガソリンの店頭現金小売価格は1リットル当たり185.6円で、15週連続の値上がりとなっています。また、1990年以降での最高値を更新しました。
 

ハイブリッドカーの割高分をガソリン代で回収できるのか

ガソリン代高騰のニュースを見ていると、「ハイブリッドカーに買い替えた方がよいのか」と迷う人もいるでしょう。ガソリン代が200円にもなれば、ハイブリッドカーの割高分をガソリン代で回収できるかもしれません。
本田技研工業株式会社の「フィット」と、トヨタ自動車株式会社の「ノア」を使って試算してみたいと思います。
 
車の実燃費は一般的にカタログ値の6~7割といわれていることから、計算に使用する燃費はカタログに記載されている数値の7割とします。
 

フィットの場合

ハイブリッド車とガソリン車のそれぞれ最安グレードで比較してみたいと思います。
 

●ハイブリッド車「e:HEV BASIC」
全国メーカー希望小売価格(消費税込み)203万8300円、燃費30.2km/L
●ガソリン車「BASIC」
全国メーカー希望小売価格(消費税込み)162万4700円、燃費18.7km/L

 
【車両本体の価格差】
203万8300円-162万4700円=41万3600円
 
【1km当たりのガソリン代差】
・ハイブリッド車
200円÷(30.2km×0.7)=約9.4円
・ガソリン車
200円÷(18.7km×0.7)=約15.2円
・差額
約15.2円-約9.4円=約5.8円
 

【価格差をガソリン代で回収できる走行距離】

41万3600円÷約5.8円=約7万1310km

 
フィットの場合、ハイブリッドカーの割高分は約7万1310km走った時点で回収できることが分かりました。今は走行距離10万kmを軽く超えて走る車が多いので、ガソリン代が200円であれば回収できる可能性が高いといえます。
 

ノアの場合

次は、ノアで計算してみましょう。
 

●ハイブリッド車「HYBRID X 2WD(7人乗り)」
全国メーカー希望小売価格(消費税込み)305万円、燃費23.4km/L
●ガソリン車「X 2WD(7人乗り)」
全国メーカー希望小売価格(消費税込み)267万円、燃費15.1km/L

 
【車両本体の価格差】
305万円-267万円=38万円
 
【1km当たりのガソリン代差】
・ハイブリッド車
200円÷(23.4km×0.7)=約12.2円
・ガソリン車
200円÷(15.1km×0.7)=約18.9円
・差額
約18.9円-約12.2円=約6.7円
 

【価格差をガソリン代で回収できる走行距離】

38万円÷約6.7円=約5万6716km

 
ノアの場合、ハイブリッドカーの割高分は約5万6716km走った時点で回収できる結果となりました。フィットよりも回収しやすいようです。
 

まとめ

本記事では、ガソリン代が200円で継続することを前提に試算しました。ガソリン代200円超が当たり前の時代となれば、ハイブリッドカーの方が家計に優しそうですね。
 
ただ、政府は2023年末までガソリン代を170円台に抑えられるように補助金を拡充する方針を示しています。ガソリン代のためだけにハイブリッドカーに買い替えるのは、「今」ではないかもしれません。
 

出典

経済産業省資源エネルギー庁 石油製品価格調査

本田技研工業株式会社 FIT タイプ一覧

トヨタ自動車株式会社 トヨタ ノア

 
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士

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