更新日: 2023.09.09 子育て
【子育て世帯必見!】9月から東京都で年間「6万円」補助の「018サポート」が開始。子育て世代が真に求める支援策とは?
東京都在住者のみに対して実施される制度のため、中には東京に移住したいと考える方もいるかもしれません。しかし、東京での生活費の水準の高さや、他自治体の子育て支援策を知ったうえで判断するのが賢明といえます。
本記事では、東京に住み続ける、もしくは移住することが適切なのか否かについて解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
「018サポート」とは
「018(ゼロイチハチ)サポート」とは、都内に住む0歳から18歳以下の子どもに対して一人あたり月額5000円、年間最大6万円の支給をする子育て支援制度です。受付は9月1日から12月15日までで、2024年1月に一括で支給されます。なお12月16日以降も申請は引き続き可能で、支給は別途行われます。
支給に関しては児童手当とは異なり、親の所得制限や子どもの数による金額の変動はなく、一律で子ども一人に対して月額5000円が支払われます。2023年9月時点では、2024年度以降も継続するかなどについては決まっていません。
東京は物価指数全国1位。特に住居費の負担が重い
図表1は総務省が公表している2022年の全国の消費者物価の地域差を指数化した統計です。総合では東京都が2位の神奈川県に1.6ポイントの差をつけて1位です。住居についても東京都は130.7と1位で、2位の神奈川県に対して約16ポイントもの差をつけています。
この統計からも東京は生活費の水準が高いこと、かつ月々の支払いの中で大きな割合を占める住居費用が全国の中でダントツに高いことが明らかで、東京に住むハードルの高さがわかるかと思います。
【図表1】
総務省統計局 消費者物価地域差指数 10大費目別消費者物価
【図表2】
総務省統計局 消費者物価地域差指数 地域差指数(都道府県)
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子育て世代が真に必要としている支援策とは?「現金給付以外」も重視
東京都内在住者に向けの「018サポート」のような子育て支援策は、他の自治体でも実施しているのでしょうか。現時点では、東京都と同規模で子育て支援の現金給付を行っている、もしくは今後行うと公表している自治体は見受けられません。確かに現金を給付されれば経済的負担は軽減します。
しかし、本質的な子育て支援とは現金を配ることだけではなく、特に共働き世帯が増えている現代では、子育てにかかる親の労働負担や時間コストを軽減するための支援を手厚くすることも重要なポイントです。
図表3・図表4は、東京都に隣接する物価指数ランキング全国2位の神奈川県と4位の千葉県で行われた子育て支援に関するアンケート結果です。この結果からも、経済的な負担軽減と同等かそれ以上に子育てしやすい環境(保育所、遊べる場所の整備充実、相談できる環境、情報提供)に重きを置いていることがわかります。
【図表3】
神奈川県 アンケート調査の結果 ~神奈川県 結婚・出産・子育て、地方創生などに関する県民意識調査~
【図表4】
千葉県 健康福祉部子育て支援課 R3子育てアンケート集計結果
子育てしやすい街ランキング上位の自治体で行われている「現金給付以外」の支援策とは
日経womanが発表した「共働き子育てしやすい街ランキング2022」では、1位が東京都豊島区、2位が千葉県松戸市でした(松戸市は2021年のランキングでは1位)。
子育て支援に対する取り組みでは、2自治体ともに待機児童0を達成しています。松戸市については8年連続で待機児童0を達成しているほか、送迎保育ステーションというシステムもあります。これは駅近くにある指定施設に子どもを連れて行けば、職員が子どもを各幼稚園へ送迎し、終了後は保護者のお迎えまで再び送迎ステーションで預かってくれるという支援策です。
このシステムにより保護者の就労時間などにかかわらず、幼稚園教育も選択肢に含めることができるようになっています。
子育てするうえでの優先順位を考えたうえで住む街を決めることも大切
現金給付はインパクトも大きく目立つ施策ですが、目に見えないより大きなコストを軽減してくれる支援策も多く存在します。自分たちがどれくらいの生活水準を維持したいのか、子育てをする中でどの部分を自治体にカバーしてほしいのかを明確にすることが大切です。
その実現に向けてサポートしてくれる自治体の街へ住むという選択をすることは、家庭の幸福度のアップにもつながるでしょう。
出典
総務省 消費者物価地域差指数 -小売物価統計調査(構造編)2022年(令和4年)結果-
神奈川県 アンケート調査の結果~神奈川県 結婚・出産・子育て、地方創生などに関する県民意識調査~
千葉県 健康福祉部子育て支援課 R3子育てアンケート集計結果
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー