更新日: 2023.09.07 その他暮らし
日本の「社会保障制度」はどんなときに受けられる? それぞれの機能を解説
執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー
東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。
現在、サマーアロー・コンサルティングの代表。
ファイナンシャル・プランナーの上位資格であるCFP(日本FP協会認定)を最速で取得。証券外務員第一種(日本証券業協会認定)。
FPとしてのアドバイスの範囲は、住宅購入、子供の教育費などのライフプラン全般、定年後の働き方や年金・資産運用・相続などの老後対策等、幅広い分野をカバーし、これから人生の礎を築いていく若い人とともに、同年代の高齢者層から絶大な信頼を集めている。
2023年7月PHP研究所より「70歳の現役FPが教える60歳からの「働き方」と「お金」の正解」を出版し、好評販売中。
現在、出版を記念して、サマーアロー・コンサルティングHPで無料FP相談を受け付け中。
早稲田大学卒業後、大手重工業メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超え、海外の話題にも明るい。
サマーアロー・コンサルティングHPアドレス:https://briansummer.wixsite.com/summerarrow
社会保障制度の機能とは?
社会保障制度には、それぞれ次の機能があります。
(1)社会保険制度
病気・けが・障害・出産・老齢・死亡・失業など、国民の生活に困難をもたらす事象が発生したときに一定水準の給付による保障を行う。
(2)社会福祉制度
障害者、母子家庭など社会生活上のハンディキャップを負う国民が、それを克服し、安心して生活するための公的支援を行う。
(3)公的扶助制度
生活に困窮する国民に対し、最低限度の生活を保障して自立を助ける。
(4)保健医療・公衆衛生制度
国民が健康に生活できるよう、保健、医療などの分野で予防や衛生を行うための制度。
これら社会保障制度の中核となっているのが(1)の社会保険制度ですが、本記事では社会保険の役割について説明します。
社会保険制度とは?
社会保険には年金保険、医療保険(健康保険)、介護保険のほか、労働者災害補償保険、雇用保険の5種類があり、原則として加入が義務付けられています。
そのうち、会社員など労働者として雇用されている場合に加入する労働者災害補償保険と雇用保険を「労働保険」、年金保険、医療保険、介護保険を「狭義の社会保険」といい、5種類を総称して「広義の社会保険」と呼んでいます。
社会保険制度の財源は、被保険者の一人ひとりが原則として所得に応じて拠出する保険料のほか、雇用者である企業の負担、さらに国・地方公共団体も一定の割合を支出することで成り立っており、国民に一定水準の生活の保障を行っています。
ライフサイクルで見た社会保険の役割
図表1は、人生における年齢(ライフサイクル)の変化に合わせて、どのような社会保険が役に立っているのか、保育・教育等のサービスを含めて給付と負担のイメージを示しているものです。
図表1
厚生労働省 給付と負担について
全般的には0歳から20歳までと、65歳以降の期間において社会保険の給付を受けることが多くなっており、社会保険料の負担は20歳から65歳までの現役世代が主に行っていることが分かります。
0歳から20歳までの期間では、出産関係・育児休業、保育所・幼稚園、学校教育などに関するさまざまな給付が受けられます。また、現役世代には労働保険に関する給付、65歳以降は老齢年金、介護費用などの給付を受けることができます。
社会保険の給付については、現役世代が公的年金保険料、医療保険料、雇用保険料、介護保険料を負担することで主に支える仕組みになっています。
まとめ
社会保障制度のうち、社会保険の役割を簡単に説明しました。社会保険は、国・地方公共団体、企業、被保険者が負担を分担しながら、国民の社会生活に必要な保障を行っています。社会生活における基本的な保障を提供しているので、社会保険の内容を知ることは重要です。本記事を参考に、自身が負担しているもの、受けられるものについて改めて確認してみましょう。
出典
厚生労働省 給付と負担について
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー