職場のランチは「半額菓子パン」と「白おにぎり」どちらが安い? 魚沼産コシヒカリで作っても意外と低価格なの?
配信日: 2023.09.08
しかしその場では安く簡単にお昼ご飯を済ませられたと感じても、よく考えてみるとお手製の「白おにぎり」を持っていたほうが安いのでは? とも思えます。本記事で比較計算してみましょう。
執筆者:佐々木咲(ささき さき)
2級FP技能士
白おにぎりの原価
白おにぎりの原価は格安だろうと想像できますが、具体的な金額を算出しようと思うと難しいものです。まずは計算してみましょう。
おにぎり1個当たりの米使用量は約50グラム
コンビニで売られているおにぎりは、一般的なサイズで約100グラムのご飯を使用しています。生米1合をグラムに換算すると約150グラムで、炊飯すると約300グラムになります。つまり、おにぎり1個に使用する生米は約50グラムです。
では次に、生米50グラムの原価を計算してみましょう。本記事では1キログラム400円の米を使用するとします。50グラム当たりの金額は、400円×50グラム÷1000グラム=20円となります。
塩の原価
100グラムのおにぎり1個に使用する塩の量は0.6グラム程度が適量と言われています。目安としては、濡れた指先2本につく程度です。塩はスーパーで安いものであれば1キログラム100円程度で購入できるので、0.6グラム分にすると100円×0.6グラム÷1000グラム=0.06円です。
タダ同然ですので、本記事では原価に加算しないことにしましょう。
炊飯にかかる電気代
炊飯にかかる電気代は炊飯器によって若干異なりますが、1回当たり5円前後のものが多いようです。1回で3合炊いた場合の米50グラム当たりの電気代は5円×50グラム÷450グラム=約0.6円となり、塩と同様に原価に加味するほどではないですね。
ちなみに、1人暮らしであれば炊いて1合という人もいるでしょう。その場合は、5円×50グラム÷150グラム=約1.7円となります。
おにぎりを作るための労働原価
人の労働もタダではありません。おにぎりを作るために使う時間も金額にして原価に含めてみましょう。「洗米→おにぎりを握る→釜を洗う」にかかる時間を10分と見積もります。乗じる1時間当たりの単価は、月給30万円、所定労働時間160時間の人が作るものとした場合で、30万円÷160時間=1875円とします。
おにぎりを作るためにかかる労働原価は、1875円×10分÷60分=約313円になりました。
よって、白おにぎりの原価は生米代20円と労働原価約313円で合計約333円です。ただ、仕事を休んでおにぎりを作るわけではないので、労働原価は0円と考えたほうが自然かもしれません。
こだわり白おにぎりの原価
白おにぎりというのはシンプルの極みであり、こだわろうと思えばどこまでも追求できる食事の1つです。コンビニでも今や「白おにぎり」は定番商品となっているほどです。
最後に素材にこだわった「高級白おにぎり」の原価も計算してみたいと思います。
米の原価
米は、魚沼産こしひかりの特別栽培米「雪椿」を使用してみましょう。2023年8月31日時点のAmazonでの価格は5キログラム6480円です。米50グラム当たりの金額は、6480×50グラム÷5000グラム=約65円となります。
塩の原価
塩は石垣島産「星塩新月」、2023年8月31日時点Amazon価格40グラム1350円を使用してみます。0.6グラム当たりの金額は、1350円×0.6グラム÷40グラム=約20円です。
こだわりの「高級白おにぎり」の原価は約85円となりました。筆者は、「こんな高い米があるんだな」、「たった0.6グラムで20円!?」などと思いながら計算しましたが、それでもコンビニで買うより断然安いのにはびっくりしました。しかも半額60円の菓子パンには負けますが、定価120円のパンよりは低価格で作れます。
まとめ
一般的な米と塩を使用した普通の白おにぎりの原価は約20円で半額の菓子パンの完敗、高級食材を使用した白おにぎりは約85円で半額の菓子パンの勝利(ただし昼食の充実感は白おにぎりの圧勝かもしれません)という結果になりました。
20円の白おにぎり、85円の白おにぎり、半額60円の菓子パン、みなさんはどれを選びますか?
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士