更新日: 2019.01.07 その他暮らし
病院に行く前に知っておきたい初診料・再診料ルール
近所の小児内科医院に勤務している友人も、「ひっきりなしに、患者さんがやってくる!」と悲鳴を上げていました。
急に具合が悪くなって病院を受診するのは仕方がないとしても、事前に知っておけば、ちょっとした節約につながる診療報酬のルールについてご紹介しましょう。
目次
「初診料」と「再診料」は約4倍も違う!
病院でもらう領収書には、初・再診料、医学管理料、投薬、処置、検査、処方箋料など、さまざまな内訳が点数で書かれています。
これが、診療報酬の点数で、原則として1点=10円で計算し、全国一律料金です。まず「初診料」は、外来で、はじめて診察を受けたときに必ずかかるもので、いわばお医者さんの‘お見立て料’。
平成30年度診療報酬によると、初診料は282点(2,820円)ですから、自己負担3割の場合850円を病院の窓口で支払うことになります(医科の場合)。
そして、「再診料」は、2回目以降かかるもの。病院の規模によって異なり、診療所・中小病院は720円、ベッド数200床以上の大病院は730円です。なんと初診料は、再診料に比べて4倍近くも割高なんですね。
ですから、同じ病気で、違う病院をハシゴ受診してしまうと、その都度、初診料がかかりますので、医療費がかさむ原因になります。
2つ以上の診療科を受診する場合は同じ病院の同じ日に行くとおトク!
初診料や再診料(大病院は外来診療料)は、外来で診察を受けると、誰でもかかるお金です。
ただし、同じ病院で同じ日に複数の診療科を受診した場合、2つ目の診療科は半額になるというルールがあり、初診料は1,410円、再診料は360円に減額。
例えば、胃腸炎で内科を、湿疹ができて皮膚科を、それぞれはじめて受診したとします。この場合、初診料は4,230円(2,820円+1,410円)。別の日に受診する場合よりも、1,370円安くなり、自己負担3割の場合、窓口での支払が410円もオトクになるというわけです。
さらに、3つ目以降の診療科については、いくつ受診しても初診料や再診料がかかりません。
とはいえ、実際のところ、1日に受診できるのは2科目まで、と‘縛り’を設けている病院が多いようです。
診察時間以外の割り増し料金にも要注意!
また、その病院があらかじめ看板などに提示している診察時間以外に治療を受けた場合、特別料金がかかる点にも注意が必要です。
例えば、初診時にかかる平日の「時間外加算」(おおむね8時前と18時以降。土曜日は8時前と正午以降)は、基本的に850円ですが、日曜・祝日・年末年始の「休日加算」は2,500円。
さらに、22時〜6時までの「深夜加算」は4,800円と跳ね上がります。初診時の加算よりは緩やかですが、再診時はもちろん、調剤薬局でも時間外等は加算され、精算時にその額にびっくりした!なんで人もいるのでは?
その上、マイカーがなければ、深夜に自宅等から病院への往復にタクシーを利用すると、時間によっては、ここでも割増料金が加算されることになります。
夜間や休日などの安易な受診は避けた方が無難
誰もが病気になるタイミングを計ることはできませんし、受診を控えて手遅れになっては大変です。それでも、仕事の都合などで休日や時間外を利用する人はちょっと待って!
夜間や休日は、当直で専門外の医師しかいなかったり、限られた検査や治療しか受けられなかったりする場合も多く、診療時間内にあらためて受診しなければならないケースもあります。
医療費の面だけでなく、日中の時間内の診療の方が確実で安心だということを覚えておきましょう。
TEXT:マネラボ お金と投資の知っトク研究所
黒田 尚子(くろだ なおこ)
ファイナンシャル・プランナー/消費生活専門相談員資格/乳がん体験者コーディネーター。