更新日: 2023.09.15 その他暮らし
33歳、夫婦2人で「毎月6万円」の奨学金返済があります。子どもや老後のことを考える余裕がなく、今後どうすれば良いでしょうか?
今の時代、奨学金返済を抱えている人は珍しくありません。結婚後も夫婦それぞれが奨学金返済をしていれば、自分たちの子どもや老後のことまで考える余裕などないのが正直なところです。しかし、夫婦でどのような生活を送るにしても、夫婦で時間をきちんと確保して、家計のことを話し合う必要があります。
本記事では、奨学金返済を抱えたまま、今後のことをどのように考えていけばよいのか解説します。
執筆者:平良ひとみ(たいら ひとみ)
FP2級(AFP)、損害保険プランナー
奨学金を返済しながら出産・子育てと老後の不安を解消するために、夫婦で話し合うこと
奨学金を返済しながらも、「子どもが欲しい」「老後のことも考えておきたい」という場合に、夫婦で話し合っておきたいことを紹介します。
今抱えている不安を整理する
40歳までの7年間「毎月6万円」の奨学金返済があることで、夫婦が抱える不安を具体的に整理してみましょう。
●子どものための支出と、自分たちの奨学金返済を同時にやっていけるのか
●老後の準備は、奨学金返済が終わる40歳からでも間に合うだろうか
●今は共働きだけど、どちらかが働けなくなった場合、奨学金返済がさらに苦しくなるのではないか
例えば、子どもが生まれた場合、子どもの日用品などで月に2~3万円ほどの支出が増えることを想定しておきましょう。子どものための学資積み立ては、私立と国立どちらで考えておくのか、自宅から通える範囲か自宅外で1人暮らしなのか、親としてどこまでのお金を準備してあげるかを明確にしておくことも大切です。
奨学金返済が終わる40歳から老後の年金支給まで20年以上あります。そこから老後資金を準備するのも1つの方法ですが、子どもの教育費や習い事などで支出が増えるタイミングでもあります。老後の生活にいくら必要になりそうか、夫婦で話し合い確認しましょう。
万が一、どちらかが働けなくなってしまったときは、家計の収支バランスが一気に崩れてしまいます。そうなった場合にどう備え、対処するのかを考えておく必要があります。
自分たちに合った解決策を準備しておく
子どもが生まれた場合に増える支出については、現状の収支バランスを把握しておくことが大切です。無駄な支出やなんとなく続けているサブスクなどは解約するなどして整理します。
現状で収支がギリギリの生活であれば家計の見直しを行い、子どものために使えるお金を確保しましょう。また、自分たちと同じように、子どもにも奨学金を利用してもらう前提で考えてもよいかもしれません。価値観は人それぞれです。夫婦でしっかりと方向性を話し合っておくことが重要です。
老後資金については、奨学金の返済が終わる40歳からでも遅くはありません。NISAやiDeCoなどを活用した資産形成も視野に入れるとよいでしょう。
もし、しばらく使う予定のないまとまった資金があるのであれば、そのお金の目的を明確にしておくことが大切です。子どものためか老後のためか、または別の使用目的があるのかを夫婦で話し合い、お金の預け先を変えて20年以上の長期運用に使うことで、お金に働いてもらい将来のための資金を増やせます。
一般的に運用期間は長ければ長いほどリスクは少なくなるとされているため、毎月の新たな支出を増やすことなく子どもや老後のためのお金を備える方法ともいえます。
今の生活レベルは、2人の収入があって成り立っています。どちらかが働けなくなり世帯収入が減ってしまうことも想定して備えをすることは大切です。働けなくなったときに受け取れる保険や、緊急予備資金として別枠の貯蓄なども検討してみてください。
専門家に相談する
自分たちだけでお金のことを考えるのは難しいと思う人も多いのではないでしょうか。夫婦で話し合って喧嘩になってしまうこともあるかもしれません。
そのようなときはファイナンシャルプランナーなどに相談し、一緒に考えながら整理するとスムーズに不安を解消してもらえるはずです。自分たちでは気づかなかった問題点や解決策が発見できることもあります。プロの意見を聞いてみることも検討してみましょう。
夫婦で奨学金返済があっても諦めない
夫婦それぞれの奨学金返済が負担で、さまざまなことに挑戦できていない人も多いかもしれません。子どもや老後のことなどへの漠然とした不安を抱え、思い描く将来を諦めてしまうのはまだ早いと思います。その前に何が不安になっているのかを具体的にし、夫婦で共有しておきましょう。そして、その対策を考えておくことはとても大切です。
また、ファイナンシャルプランナーに相談する場合は、3ヶ月~6ヶ月分の家計簿など、収支が分かるものを持参するとスムーズに相談できます。ぜひ、夫婦で行動に移してみてください。
執筆者:平良ひとみ
FP2級(AFP)、損害保険プランナー