更新日: 2023.09.14 その他暮らし

マンション購入を考えています。「頭金ゼロ」の購入者も増えているって本当ですか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

マンション購入を考えています。「頭金ゼロ」の購入者も増えているって本当ですか?
マンションの購入で心配なのが、住宅ローンを払いきれるかどうか。そこで気になるのは、住宅ローンを組む際の「頭金」と「金利タイプ」です。
 
従来は「物件価格の2~3割の頭金を貯めてから購入する」「金利タイプは低金利の変動金利」が一般的でしたが、最近では購入者の意識が変化しているようです。
 
今回は、マンションの購入において、多くの方が選択している頭金の捻出方法や、金利タイプについて調べました。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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「頭金ゼロ」の購入者も増えている!? その背景とは?

住宅ローンを組む際は、物件価格の2~3割を頭金として用意することが一般的でした。頭金には、住宅ローンの借入金額が減ることで、毎月の返済額や利息を抑えられるというメリットがあります。
 
しかし「三井住友トラスト・資産のミライ研究所」によると、昨今では、頭金は「ゼロもしくは1割」が主流になっているとのこと。全体の3割弱が頭金ゼロで、20~30代では約6~7割が、頭金ゼロもしくは1割程度で、住宅を購入していることが分かりました。
 
頭金を貯めるよりも、とにかく購入することを選ぶ方が増えている背景には「高齢になる前に返済を完了したい」「住宅ローン減税が適用されるうちに購入したい」などのニーズが考えられます。
 
従来のように頭金を2割ほど貯めるとなると、5000万円のマンションでは1000万円、3000万円のマンションでは600万円を用意しなければなりません。ローンを組むときの年齢が高くなると、返済予定年齢が高くなり、老後破産のリスクにもつながります。
 
頭金を貯めるまで待っていると、住宅ローン減税が受けられなくなる可能性もあります。住宅ローン減税とは、「ローンの年末残高の0.7%分を、その年の所得税の額から差し引く減税措置」のことです。2021年で終了する予定でしたが、2025年末まで、4年延長されました。
 

固定金利を選ぶ購入者が増加傾向!? 金利タイプを選ぶポイントとは

住宅ローンの金利タイプは、大きく「変動金利」と「固定金利」に分けられます。
 
「変動金利」は、市場金利の動向に応じて、適用金利が通常6ヶ月ごとに見直されることが特徴で、「固定金利」と比較すると、低く設定されることが一般的です。金融機関の金利引き下げ競争もあり、金利が低く返済額が少なくてすむため、変動金利を選ぶ方は多いようです。
 
しかし昨今では、変動金利型ローンの金利も上昇していくと予想して、金利に変動のない固定金利で、ローンを組むほうが安心であるという考えを持つ方が増えています。
 
LIFULL HOME’Sが、3年以内に住宅購入を予定しているユーザーを対象に、2023年3月に実施した「住宅ローンに関する意識調査」では、変動金利を利用する予定のある人は23.3%で、固定金利は67.9%でした。
 
しかし、住宅金融支援機構が行った「住宅ローン利用者の実態調査【住宅ローン利用者調査(2023年4月調査)】」では、2022年10月から2023年3月までに住宅ローンの借り入れをした人で、変動金利を利用した人は72.3%であったことから、金利タイプを選ぶ意識が、大きく変化していることが分かります。
 
金利タイプを選ぶ際は、返済期間や、将来の収入見込みなどを考慮することがポイントです。例えば、返済期間が長くなれば、金利上昇リスクも大きいため、心配な方は、固定金利を選ぶと安心です。
 
金利動向のチェックをしながら、対応策を判断するとか、金利上昇時に十分な収入など資産に余裕があれば、変動金利を選んでも、過度に心配する必要はないでしょう。
 

「みんな」の決定はあくまでも参考に! 自身の状況に適した方法を選ぼう

マンション購入でローンを組む際に、「みんな」の意見や経験を参考にすることは大切です。
 
しかし、個々で生活状況が異なるため、自分の年齢・収入・貯蓄・返済期間などを考慮して、頭金や金利タイプを選ぶとよいでしょう。また変動金利を選ぶ際は、金利上昇リスクに備えて、金利タイプの見直しや繰り上げ返済など、対応策も考えておくと安心です。
 

出典

三井住友信託銀行 三井住友トラスト・資産のミライ研究所 2021年1万人アンケート調査より 「住まいと資産形成に関する意識と実態調査~住宅購入と住宅ローン~」2021年6月(8ページ)
財務省 身近な税 Q「住宅ローン減税」について教えてください。
株式会社LIFULL LIFULL HOME’S 「LIFULL HOME’S」が住宅購入検討者に『住宅ローンに関する意識調査』を緊急実施
住宅金融支援機構 住宅ローン利用者の実態調査 【住宅ローン利用者調査(2023年4月調査)】
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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