更新日: 2023.09.14 その他暮らし

30代男性の隣人が「生活保護」を受給していると聞きました。まだ働けるように見えるけど…受給できる条件って何でしょうか?

30代男性の隣人が「生活保護」を受給していると聞きました。まだ働けるように見えるけど…受給できる条件って何でしょうか?
まだ若く、働くことが可能に見えるにもかかわらず、生活保護を受給している人が近くにいる場合、なぜ受給できるのか、不思議に思われることもあるのではないでしょうか。
 
「生活保護は働けない人が受給するもの」というイメージが強く、働ける状態であるならば、働いて生活費を稼ぐべきだと思う人がいてもおかしくありません。
 
働けるのに、わざと働かずに生活保護を受給することは、不正受給に該当するのでしょうか?本記事では、働かない生活保護受給者が受けられる支援と、生活保護の受給条件についても、あわせてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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働けるのに働かない人でも生活保護を受給できる?

働かなければ、生活費を稼ぐことができないため、国が定める「最低限度の生活」を営むことは不可能です。そのため、病気やけが、親の介護、小さな子どもがいるシングルマザーなど、働きたくても働けない事情がある場合は、生活保護の対象になります。
 
逆にいえば、働けるにもかかわらず働かずにいる人は、普通に考えると、生活保護を受けられないはずです。しかし、実際には働いていなくても、仕事を探していることを証明できれば、生活保護の対象になります。
 

働けるにもかかわらず生活保護を受け取る人を働かせることはできないのか?

働いていなくても生活保護を受給できるとなると、働けるのにわざと働かない人が増えてくるのではないかと心配になります。日本では、すべての国民に対して「職業選択の自由」が認められており、「希望する条件に当てはまらない仕事には就きたくない」という理由で就職しない人を、強制的に働かせることはできません。
 
そのため、働かずに生活保護を受給している人がいても、ケースワーカーは、一生懸命支援することしかできないのです。そして、その支援のなかに、相手を働かせるための強制力はありません。
 
「働ける人は仕事を探す」ことが生活保護の原則となるため、月に1回、ハローワークに足を運ぶなど、何かしらの就職活動さえしていれば、それ以上の指導を行うことは不可能です。しかし、働かない生活保護受給者が、ケースワーカーの指導に従わない場合は、生活保護を打ち切ることもできます。
 

生活保護の受給条件を確認しておこう

特に若い世代の生活保護受給者に対しては、賛否両論もあるため、生活保護の受給条件について、もう一度よく確認しておいたほうがよいでしょう。生活保護は、収入が最低生活水準に満たないときに支給されます。ただし、以下のような条件があるため、事前に確認が必要です。


・働くことが可能な場合は、能力に応じて働く
・活用できる資産を保有している場合は、売却して生活費に充てる
・年金や手当など、ほかの制度を利用できる場合は、まずそれらを活用する
・親族などから援助を受けられる場合は、援助を受ける

上記のことを優先してもなお「最低限度の生活を維持できない」と判断された場合に、生活保護を受給できるのです。
 
健康そうに見える人が生活保護を受けている場合は、実は働けない事情を抱えているか、もしくは、ケースワーカーによる就労指導を受けながら、就職活動をしていることが考えられます。
 
ただ怠けて、働かずに生活保護をもらっているのであれば、いずれ生活保護を打ち切られることになる可能性が高いでしょう。
 

出典

厚生労働省 生活保護制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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