更新日: 2023.09.15 子育て

【高校実質無償化】支給額はいくら? 「無償」にならない費用は?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

【高校実質無償化】支給額はいくら? 「無償」にならない費用は?
高校実質無償化(就学支援金)は、高校等の授業料の全額または一部を国が支援する制度です。この支援金により、高校の授業料が実質的に無料となり、さらに支援金は返済の必要がありません。このような就学支援金について、具体的な金額や対象となる費用について疑問を抱く方も多いようです。
 
本記事では、高校実質無償化(就学支援金)の支給上限額や対象者、支援の対象となる費用などについて詳しく解説します。高校実質無償化についての理解を深めて、教育資金の計画を具体的に立てる際に役立ててください。
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高校実質無償化の支給上限額

高校実質無償化の支給上限額は、公立高校と私立高校とで異なります。支給上限額を理解しておくことは非常に重要です。これによって、具体的にどれだけの支援を受けることができるかが明確になり、教育資金の計画を立てやすくなります。
 
本項では、公立高校と私立高校における高校実質無償化の支給上限額について見ていきましょう。
 

公立高校の場合は11万8800円

公立高校の場合、高校実質無償化(就学支援金:返還不要の授業料支援)の支給上限額は、11万8800円です。これは、公立高校の年間授業料が11万8800円(月額9900円)であるためです。つまり、就学支援金によって、公立高校の授業料の実質的な負担がなくなります。
 

私立高校の場合は最大39万6000円

私立高校の場合、高校実質無償化の支給上限額は、世帯年収や学校の種類(全日制もしくは通学制)によって異なります。私立高校における就学支援金の支給上限額は、図表1のとおりです。
 
【図表1】
 

世帯年収 支給上限額
私立高校(全日制) 590万円未満 最大39万6000円
私立高校(全日制) 590万円以上~910万円未満 11万8800円
私立高校(通信制) 590万円未満 最大29万7000円

 
文部科学省 高等学校等就学支援金制度より筆者作成
( *世帯年収は両親・高校生・中学生の4人家族で、両親の一方が働いている場合の目安 )
 
このように、私立高校の就学支援金の支給上限額は最大39万6000円となります。
 

高校実質無償化の対象となる方

高校実質無償化の対象となるのは、以下の条件に当てはまる方です。
 

●日本国内に在住している
●高等学校等に在学している
●保護者等の課税標準額(課税所得額)×6%-市町村民税の調整控除額=30万4200円未満 ※年収目安約910万円未満

 
これらの条件を満たす場合、年額11万8800円から39万6000円までの範囲で就学支援金を受けることができます。
 
ただし、すでに高校等を卒業・修了した方や、在学期間が36ヶ月を超えている方は対象外です。
 

高校実質無償化の支援対象となるのは「授業料」

高校実質無償化の支援対象となるのは、授業料のみとなります。そのため、実習費や学校納付金、修学旅行費、通学関連費など、授業料以外の費用については就学支援金の対象外となり、自己負担が必要です。
 
就学支援金が適用されるのは、授業料に限定されることを認識し、その他の費用については貯蓄、奨学金、教育ローンなど、別の方法で用意する必要があります。
 

高校実質無償化の支給方法

高校実質無償化(就学支援金)は、国や自治体から直接家庭や生徒に支給されるものではありません。支援金は、国が都道府県に交付し、都道府県が学校に支払う仕組みです。学校は生徒の代わりに就学支援金を受け取り、それを授業料に充てることになります。
 
就学支援金は、直接個人が受け取るものではないことを理解しておきましょう。
 

高校実質無償化を考慮した教育資金の具体的な計画を立てましょう

高校実質無償化の対象者は、公立高校の場合は年額11万8800円、私立高校の場合は最大で年額39万6000円の支援を受けることができます。ただし、就学支援金の対象となるのは授業料のみであり、他の費用については自己負担が必要です。
 
したがって、高校実質無償化を考慮した具体的な教育資金の計画を早い段階で立てることをおすすめします。奨学金や教育ローンを検討する際には、早めの準備が重要です。
 

出典

文部科学省「高等学校等就学支援金手続きリーフレット」

文部科学省「私立高校授業料実質無償化リーフレット」

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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