更新日: 2023.09.15 その他暮らし

「オール電化」は災害時にはデメリットになる? 光熱費は「ガス併用」より安くなるの?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「オール電化」は災害時にはデメリットになる? 光熱費は「ガス併用」より安くなるの?
家の建て替えなどでオール電化を選択する家庭も増えています。オール電化は主要なエネルギーソースとして電力を利用する方式で、ガスや石油などの化石燃料を利用しないため、環境に優しいエネルギー方式として知られています。
 
ただ、オール電化は電気代が高いという情報を耳にすることも多く、また災害時に停電したときなども心配です。そこで今回は、オール電化の電気代や災害時の懸念点などについて解説します。
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オール電化住宅は電気代が高い? 光熱費トータルで見たらどう?

一般家庭の電気代は、住宅や建物のサイズ、場所、気象条件、家電や設備のエネルギー効率、家庭の生活スタイルによって大きく異なります。ただ、一般的な住宅と比べて、エネルギー方式をすべて電気で統一するオール電化では、家庭で消費する電力量が大きくなるため、基本的には電気代が高くなります。
 
その一方で、キッチンや給湯においてガスを使用しないため、ガス代や他の光熱費がかからない点は大きなメリットです。
 
電気代だけで見た場合、すべてのエネルギーを電気でまかなうオール電化住宅は、そうでない住宅に比べて電気代は当然高くなります。しかし、ガス代なども含めた光熱費トータルで見た場合だと、オール電化住宅のほうがかえって費用が安上がりになるというデータもあります。
 
例えば、関西電力が試算している一般の住宅とオール電化住宅の光熱費を比較したデータでは、一般の住宅の光熱費合計が月額1万4824円(2人暮らし)であるのに対して、オール電化住宅の電気料金は月額1万3406円(2人暮らし)です。
 
このように、オール電化住宅は電気代単体で見れば高額であっても、光熱費トータルで見た場合は非オール電化住宅よりお得になることがあります。
 

オール電化は災害時に弱い住宅?

オール電化住宅を検討するにあたって、災害時の停電は大きな懸念点として挙げられます。つまり災害時に停電した場合、家庭のエネルギーをすべて電気に頼るオール電化住宅は、機能が完全にストップしてしまうのではないかという懸念です。
 
確かに、オール電化住宅は停電になれば家庭の電化製品を使えないばかりか、お湯を沸かしたり場合によっては水をくみ上げたりすることもできなくなるかもしれません。
 
しかし、災害時は電気だけではなく、ガスや水道もすべて使えなくなることが多いため、オール電化住宅だけがことさら災害時に弱いというわけではありません。
 
東京電気管理技術者協会によると、阪神淡路大震災や新潟中越地震の際には、電気がガスや水道に比べて復旧のスピードが速かったといいます。また、オール電化住宅の場合、給湯に「エコキュート」などを利用していることが多く、お湯は事前に温めておいたものを使うため、停電したからといってただちにお湯が使えなくなるわけではありません。
 
オール電化住宅は太陽光発電システムを採用していることも多く、その場合は停電時も電気を使用することができます。もちろん、どのような住宅でも災害時の備えは必要ですが、少なくともオール電化住宅は災害に弱い住宅ではなく、停電時も役立つ機能があるため、むしろ災害に強い住宅だとさえいえるのです。
 

オール電化住宅は光熱費や災害時にメリットが大きい住宅!

オール電化住宅は、電気代は高くても光熱費トータルでは安くなることもあります。ただし、オール電化で光熱費が安くなるかどうかは、家族構成や生活スタイルなどによって変わってくる点には注意しましょう。
 
地震などの災害時は火災の心配もありますが、オール電化は火を使わないため安心だという考えもあります。
 
ただしオール電化でも一般の住宅でも、停電すれば電気は使えなくなるので、万が一のための備えは万全にしておきましょう。
 

出典

関西電力 オール電化世帯人数別の電気代平均額
公益社団法人 東京電機管理技術者協会 電気安全に関するQ&A
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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