更新日: 2023.09.21 子育て

家計が苦しく子どもの進学は「奨学金」を頼ることに……他の家庭では学費を捻出できているの?

家計が苦しく子どもの進学は「奨学金」を頼ることに……他の家庭では学費を捻出できているの?
近年では、高等学校から大学・短期大学への進学を選ぶ方が6割を超えるようになりました(普通科卒業生において)。就職後のことも考慮すると、大学進学は、その先の人生を左右する重要な選択といえます。そのため、本人が望むなら大学は卒業させてあげたいと思う親も多いでしょう。
 
しかし、そこで悩むのが、お金のことではないでしょうか。
 
十分な蓄えがない場合は奨学金を利用する選択肢もありますが、奨学金は基本的に、返還義務が生じます。昨今では「奨学金破産」ということばも登場しており、奨学金という「借金」を子どもに負わせることに躊躇する方もいるでしょう。
 
今回は、奨学金を利用している学生の割合や、その学生の家庭収入についてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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奨学金を希望している家庭・受給している家庭の割合

大学進学に際して、奨学金は多くの家庭が利用を検討する制度です。独立行政法人日本学生支援機構によると、奨学金の受給状況は図表1のとおりとなっています。
 
図表1

図表1

※独立行政法人日本学生支援機構「令和2年度 学生生活調査結果」を基に筆者作成
※黄色箇所は50%を超える箇所
 
奨学金の受給を希望する家庭は、すべての学校区分で半数を超えています。昨今において、奨学金を受給することは珍しいことではないといえるでしょう。
 

奨学金を利用するのは低収入の家庭に限られない

奨学金に対して、なかには「収入が少ない家庭が利用する制度」といったイメージを持つ方もいるのではないでしょうか。しかし実際には、世帯収入の多い家庭でも、奨学金を利用しているケースがあります。
 
例として、大学(昼間部)における、奨学金を利用する世帯の年収分布を確認しましょう。図表2のとおり、国立大学へ進学する場合でも、年収1000万円以上の世帯で奨学金を受給している世帯は合計10%を超えています。
 
図表2

図表2

※独立行政法人日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査結果」を基に筆者作成
※黄色箇所は区分ごとにもっとも割合の高い箇所
 
ここから分かるとおり、奨学金を利用することは、収入が少ないこととイコールではありません。貸与型奨学金を利用する際は「きちんと返還していけるか」という点を考慮しなければなりませんが、利用すること自体に負い目を感じる必要はありません。
 
もし「家計が厳しいせいで、返還義務のある奨学金を利用させてしまった」と心苦しい思いをする場合は、卒業後に返還で苦労するのを軽減できるよう、できるだけ貯金を蓄えておき、繰り上げ返還分として援助するのもよいでしょう。
 
あるいは、日本学生支援機構の設けた条件を満たせる場合は、返還義務のない「給付奨学金」を検討したり、民間団体や地方自治体が受け付けている給付型奨学金を調べて利用したりするのもおすすめです。
 

希望進路へ進むために奨学金を利用するのは悪いことではない

大学へ進学する方が一定数いる昨今では、奨学金を利用する家庭も少なくありません。大学・短期大学や、博士課程・修士課程では、ほぼ半分の学生が奨学金を利用しています。利用できる制度は活用して、子どもの希望する進学をサポートしてあげましょう。
 

出典

独立行政法人日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査結果」
文部科学省 【参考資料2】大学入学者選抜関連基礎資料集(その3)9.大学入学者数等の推移
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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