低所得だから、急な出費だけどお金がない…!そんな時に利用できる「生活福祉資金貸付制度」とは?
配信日: 2023.09.21
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
急な出費で困るのはどんなとき?
株式会社ビズヒッツが実施した「急な出費で困った理由や対処法ランキング」調査によると、急な出費で困った理由ランキングは、以下のとおりです。
1位 家電の故障
冬に暖房器具が、そして夏にエアコンが壊れると、早急に修理・買い替えを行わなければなりません。冷蔵庫や洗濯機などの大型家電が立て続けに壊れると、出費は大きくなります。
2位 車の維持費
修理やメンテナンスで、まとまった費用が必要になるケースがあります。車検や保険の支払いも同様です。
3位 冠婚葬祭
親戚が突然亡くなると、香典の費用や、帰省のための交通費がかかります。大切な人の結婚や出産が重なって、まとまったお金が必要になるケースも考えられるでしょう。
上記以外にも、急な病気やケガ、住宅設備の故障、PCやスマホの故障、税金の支払い、子ども関連の出費や学費が、ランキング上位に入っています。
急な出費があると、家族にお金を借りたり貯蓄を崩したりして、対処しなければなりません。中には、カードローンや消費者金融で借りる方もいます。しかし、頼れる親族がいなかったり十分な収入がなかったりして、対処が難しいケースもあるでしょう。
急な出費で利用できる制度のひとつ! 生活福祉資金貸付制度とは?
急な出費で対処法が見つからない場合には、生活福祉資金貸付制度があります。
生活福祉資金貸付制度とは、低所得者世帯・障がい者世帯・高齢者世帯に、無利子または低金利でお金を貸し付ける制度のことです。
失業や収入源の減少により生活に困窮しているなどの、さまざまな課題を抱えた方が、包括的な相談支援を受けて、生活を立て直せるようにすることが目的です。
生活福祉資金には、以下の4種類があります。
●生活支援費
生活再建までの間に必要な生活費用で、貸付限度額は、二人以上の世帯で月20万円以内、単身世帯は月15万円以内です。
●住宅入居費
敷金や礼金などの賃貸契約を結ぶために必要な費用で、40万円が上限です。
●一時生活再建費
就職や転職のための技術習得など、生活再建のために一時的に必要かつ日常生活費で賄うのが難しい費用で、60万円を上限に借りられます。
●福祉費
生業を営むために必要な経費や、障がい者用の自動車購入に必要な経費、病気やケガの療養に必要な経費などで、資金の用途に応じて、580万円以内で上限目安額を設定します。
●緊急小口資金
緊急かつ一時的に生計の維持が困難になった場合に、10万円以内の少額の費用を借りられます。
●教育支援費
低所得世帯の子どもが、高校・高専・短大・大学に修学するために必要な経費で、高校ならば月3万5000円以内、高専・短大は月6万円以内、大学は月6万5000円以内と、上限が定められています。
●就学支度費
低所得世帯の子どもが、高校・高専・短大・大学へ入学するために必要な経費を、50万円以内で借りられます。
●不動産担保型生活資金
低所得の高齢者世帯に対して、一定の居住用不動産を担保として、生活資金を貸し付けます。
●要保護世帯向け不動産担保型生活資金
要保護の高齢者世帯に対して、一定の居住用不動産を担保として、生活資金を貸し付けます。
生活福祉資金貸付制度を利用する流れ
生活福祉資金貸付制度を利用する流れは以下のとおりです。
1. 相談と申し込み
各市町村社会福祉協議会で相談して、必要書類をそろえて申し込みます。
2. 貸付審査
申込書や提出資料を総合的に審査して、判断します。虚偽の申請や不正な手段があった場合は、資金の即時返還が求められます。
3. 契約と貸付金交付
貸付金の使途や世帯の状況などの事実確認のために、関係機関に聞き取りが行われることがあります。
生活福祉資金貸付制度は急な出費で困ったときの最終手段!
生活福祉資金貸付制度は、低所得世帯で、ほかの貸付制度が利用できない方を対象にしています。「低金利だから」といった理由で、誰もが申し込めるわけではなく、「審査が厳しい」ともいわれています。
ほかにお金を貸してくれるところがない場合に、最終手段として利用できる制度であることを理解したうえで、急な出費で困ったときは、相談してみるとよいでしょう。
出典
株式会社ビズヒッツ 【500人に聞いた】急な出費で困った理由や対処法ランキング!困らないための備え方も紹介
厚生労働省 生活福祉資金貸付条件等一覧
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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