更新日: 2023.09.27 その他暮らし

楽しいキャンプのはずが「山火事」に!? 注意点や罰則について解説

楽しいキャンプのはずが「山火事」に!? 注意点や罰則について解説
キャンプの計画を立てているとき、「キャンプ中の火の扱いが悪く、山火事を起こしてしまったらどうなるのか」と心配になったことがある人もいるのではないでしょうか。他者や他者の財産を傷つける可能性もある山火事を起こせば、当然ながら罰則もあります。
 
今回は山火事を起こした場合の罰則を解説しながら、山火事を起こさないための注意点についても紹介していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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火の不始末で山火事に! どんな罰則となるのかを解説

山火事の原因の多くは失火です。失火とは、不注意によって火事を起こしてしまうことをいいます。例えば、たき火をしたあと消火したはずなのに、山火事になってしまった場合などです。ここでは、失火で山火事を起こしてしまった場合と、山火事で民家に延焼させたり人を死なせたりした場合の罰則について解説していきます。
 

・失火による山火事の場合

結論からいうと、失火によって山火事を起こしてしまった場合の罰則は、50万円以下の罰金です。懲役や禁錮はありません。これは「森林法」第203条に定められています。
 

・民家に延焼させた場合

民家に延焼させた場合、基本的には失火責任法によって損害賠償責任は免責されるのが一般的です。
 
しかし、重失火罪(重過失失火罪)は民法第709条による不法行為となり、延焼させた民家の損害額に相当する損害賠償責任を負います。適用される内容は、150万円以下の罰金または3年以下の禁錮です。重失火罪は、失火が予見できたり本人の身勝手な判断で山火事を起こしたりした場合などに適用されます。
 
例えば、森林のなかでのタバコのポイ捨てをしたようなケースでは重失火罪を問われる可能性があります。
 

・山火事で人を死なせてしまった場合

山火事の失火で人を死なせた場合は、過失致死罪が適用されます。この場合の罰則は、50万円以下の罰金です。しかし、重失火罪となった場合は重過失致死傷罪が成立します。この場合の罰則は、5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金です。
 
このように、山火事は「失火責任法が適用されるか」「重失火罪と判断されるか」によって、罰則が大きく異なります。この2つの違いを分けるのは、結果の予見がしやすいかどうかの判断です。
 
少し注意をすれば結果が予見できるような失火は、故意に近いと判断される可能性があります。楽しいキャンプが万が一の大惨事へと発展しないよう、火の始末には十分に注意する必要があります。
 

必ず守ろう! 山火事予防の注意点を紹介

山火事予防の主な注意点は、以下の通りです。
 

●枯れ草のあるところでたき火をしない
●たき火をするならその場を離れない
●風が強かったり乾燥がひどかったりするときは、たき火や火入れをしない
●火入れは許可を受けてから行う
●タバコは指定された場所以外では吸わない
●火遊びはしない、させない

 
燃えうつる危険があるため、枯れ草の多い場所でのたき火は避け、その場を離れるときは完全に消火したことを確認してください。また、火入れは強風や乾燥に十分注意し、事前に許可を受けて実施します。タバコは必ず指定場所で吸い、吸い殻の火が完全に消えたかの確認を徹底しましょう。また、火遊びは「しない・させない」ことが大切です。
 
林野庁が令和5年7月に更新した「原因別出火件数(平成29年~令和3年の平均)」によると、原因の31.5%をたき火が占め、次いで火入れ、放火、タバコ、マッチ・ライター、火遊びと続きます。
 
つまり、人間が火の扱いに注意すれば多くの山火事を防ぐことが可能です。山火事の多くは、人間の不注意によって起こっている事実を十分に認識しながら、一人ひとりが防火意識を持つことが求められます。
 

山火事防止を心がけて思い出に残るキャンプをしよう

せっかくキャンプを楽しんでも、山火事を起こしてしまったらすべてが台なしです。悪意がなくても、万が一山火事で人を死に至らしめてしまった場合は取り返しがつきません。
 
山火事は人間が注意すれば防げるものも多いため、予防するには一人ひとりの心がけが大切です。ここで紹介した山火事予防の注意点を十分に把握したうえで、思い出に残るキャンプを楽しみましょう。
 

出典

e-Gov法令検索 森林法

林野庁 山火事予防!!

林野庁 山火事の直接的な原因にはどのようなものがあるの?

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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