更新日: 2023.10.02 子育て

上の子がもう中学生です。住宅ローンの返済中なのですが、今から大学進学資金の準備は間に合いますか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

上の子がもう中学生です。住宅ローンの返済中なのですが、今から大学進学資金の準備は間に合いますか?
子どもが中学生になり大学進学の資金が気になり始める時期は、住宅ローンなどの大きな出費も重なって家計にそれほど余裕がないことが珍しくありません。具体的にどれくらいの資金が必要なのか不安に思う人も多いでしょう。
 
そこで本記事では、大学進学時や在学時に必要な資金の目安を紹介するとともに、貯め方や計画の立て方、資金の準備が間に合わないときの対処法を解説します。
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大学進学時と在学中に必要な資金の目安

日本政策金融公庫が公開している「教育費負担の実態調査」の結果をもとに、大学進学時および在学中に必要な資金の目安を整理してみましょう。
 
同調査の最新のデータ(2021年12月20日発表)によると、大学の種類別の子ども1人当たりの入学費用は次のとおりです。

●国公立大学:約67万円
●私立大学文系:約82万円
●私立大学理系:約89万円

また、1年間の在学費用は次のような結果となっています。

●国公立大学:約104万円
●私立大学文系:約152万円
●私立大学理系:約183万円

つまり初年度の時点で、国公立大学:約171万円、私立大学文系:約234万円、私立大学理系:約273万円の資金が準備できている必要があるのです。また、入学費用と4年間の在学費用をまかなうには、最も費用がかからない国公立大学でも、約500万円の資金が必要な計算となります。
 
これに加えて、1人暮らしの家賃や家財道具をそろえる費用などがかかるケースだと、さらに大きな資金が必要です。大学進学資金を準備するときには、希望する進路などからおおよその必要額を見積もって、目標金額を設定しましょう。
 
独立行政法人 日本学生支援機構が提供する「進学資金シミュレーター」を利用して試算を出してみるのもおすすめです。
 

大学進学資金を準備する方法はさまざま

大学進学資金を準備する方法として、次のようなものが挙げられます。

●貯蓄(預金・貯金)する
●NISAなどで運用して増やす
●祖父母からの贈与を受ける

大学進学資金の準備を間に合わせるには、家計の状況や目標額に応じて、資金を貯める方法を上手に選択することが大切です。
 
例えば、国公立大学の初年度に必要な約170万円を中高の6年間で用意しようとすると、毎月2万3000円以上の貯蓄が必要となります。貯蓄や投資に回せる金額、祖父母からの援助の見込みなどを整理して、どう貯めれば中学在学中から大学進学までの4〜6年間で目標額を達成できるかを試算してみましょう。
 

進学時に足りない大学費用を補う方法は?

「住宅ローンの負担が大きく大学進学資金の貯蓄に回せる金額が小さい」「希望進学先が私立で必要額が大きい」など、どうしても資金の準備が追い付かない場合もあるはずです。資金が足りない場合には、教育ローンの利用や奨学金制度、国の修学支援制度の利用も視野に入れるとよいでしょう。
 
ただし、教育ローンや奨学金、修学支援制度にはそれぞれ利用条件があり、誰でもが必ず利用できるものではありません。漠然とあてにするのではなく、事前に制度について十分に調べて、利用できる見込みがあるかどうかを確認しておくことが重要です。
 

教育ローンを借りる

教育ローンには、銀行などが提供する民間のものと、日本政策金融公庫が提供する「国の教育ローン」があります。
 
いずれも基本的には保護者がローンを組み、返済責任を負うものです。奨学金のように子ども自身の将来の負担にならない点がメリットと言えるでしょう。
 
一方で、金利の負担が発生すること、今後、家庭で組むローンの審査に影響する可能性があることには注意が必要です。また、通常のローンのように審査を通過できなければ融資を受けられない点に留意しましょう。
 

奨学金や大学無償化制度を利用する

進学する子ども自身が奨学金を借りる方法もあります。最も一般的なのは、独立行政法人 日本学生支援機構が運営する奨学金です。
 
日本学生支援機構の奨学金には、将来の返済が必要な「貸与型」、返済不要の「給付型」があります。また、貸与型には無利子の第一種、有利子の第二種があり、第一種のほうが学力基準などが厳しくなっています。
 
なお、給付型奨学金は2020年にスタートした「高等教育の修学支援新制度」の一環であり、対象となると(家庭の収入基準等あり)授業料の免除・減額も同時に受けられます。
     

家計からの進学資金捻出が難しいときは公的な支援制度などの活用も視野に入れよう

短期間で大学進学費用を準備するには、必要な資金を具体的に試算してみて、必要額から逆算して貯蓄計画を立てる必要があります。
 
住宅ローンの返済などで家計に余裕がない場合、中学在学中の数年では大学進学費用の準備が難しい場合もあるでしょう。そのようなときは、教育ローンや奨学金などの制度に頼る選択肢もあります。利用条件などを前もって確認して、使えそうな制度を把握しておきましょう。
 

出典

日本政策金融公庫 教育費に関する調査結果
日本政策金融公庫 教育一般貸付(国の教育ローン)
金融庁 NISA活用事例
独立行政法人 日本学生支援機構 進学資金シミュレーター
独立行政法人 日本学生支援機構 奨学金
独立行政法人 日本学生支援機構 給付奨学金(返済不要)
独立行政法人 日本学生支援機構 貸与奨学金(返済必要)
一般社団法人 全国銀行協会 Q. 大学費用の準備、今からでも間に合いますか?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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