「都立中高一貫校」の学費は？「私立中学」と徹底比較！

都立中高一貫教育校は、公立中学校と同じ程度の学費で、私立レベルの教育が受けられるというメリットがありますが、実際のところ、私立中学校・高校に入学するよりも、どの程度お得なのでしょうか。
 
本記事では、都立の中高一貫教育校とは一体どのような学校なのか、そして、具体的にどの程度学費が違うのかについて、詳しく紹介します。

中高一貫教育校とは

中高一貫教育校は、中学校・高校の6年間を一貫して同じ学校に通います。6年間同じ環境で学び続けられるため、余裕を持って大学受験に備えられることや、特色あるカリキュラムで学べること、そして、私立に比べて学費が安いというメリットがあります。
 

都立中高一貫教育校と私立校の数

東京都内には、「都立」と「私立」の中高一貫教育校が、およそ170校あります。在学する6年間だけではなく、将来の進路も大きく左右することから、志望校選びが非常に重要な選択といえるでしょう。
 
都立中高一貫教育校は、中等教育学校が5校と併設型が5校の、合わせて10校あります。
 
表1　都立中高一貫教育校一覧

中等教育学校	併設型
小石川中等教育学校 桜修館中等教育学校 立川国際中等教育学校 三鷹中等教育学校 南多摩中等教育学校	大泉高校・附属中学校 白鷗高校・附属中学校 富士高校・附属中学校 武蔵高校・附属中学校 両国高校・附属中学校

※東京都教育委員会「都立中高一貫教育校（中等教育学校及び併設型中高一貫教育校）とは」を参考に筆者が作成
 
中等教育学校では、中学校を「前期課程」、高校を「後期課程」として教育を行い、後期課程からの募集はしません。併設型では、中学と高校を接続して、一貫教育を行います。中学から高校へ進学する場合は高校入試が不要で、高校からの募集はしていません。
 

都立中高一貫教育校と私立中学の学費の違い

都立中高一貫教育校と私立中学の大きな違いは、6年間にかかる学費です。都立の前期課程（中学校）の場合は、入学金や授業料はかからない点が、大きな特徴といえるでしょう。
 

※東京都教育委員会「都立高等学校、中等教育学校（後期課程）の授業料・入学料及び特別支援学校高等部の授業料について」、東京都「令和5年度 都内私立中学校の学費の状況」「令和5年度 都内私立高等学校（全日制）の学費の状況」を参考に筆者が作成
 
東京都の調査結果によると、私立中学校の初年度納入金の平均額は、98万9125円と分かりました。このように、私立中学に入学すると、都立と比べてかなり高額な納付金がかかります。
 
しかし令和2年より、保護者の年収にもよりますが、私立高校授業料実質無償化制度が始まり、最大39万6000円の支援が受けられます。そのほかにも、特待生や奨学金制度を活用することで、学費を安く抑えられます。
 

都立中高一貫教育校はこんな人におすすめ

学費だけではなく、都立中高一貫教育校を受験するメリットはたくさんあります。中高一貫教育校の受験は、次のようなお子さんにおすすめです。

●学習環境を変えずに、勉強や部活動に一生懸命打ち込みたい
●幅広い内容を学習したい
●高校受験よりも早い段階で、進路に向けて動きだしたい
●中高一貫教育校に進学したいという明確な志望動機がある

同じ環境で、勉強や部活動に打ち込ませたいと感じているご家庭にとって、中高一貫教育校への進学はぴったりの選択肢といえます。また大学受験に向けて、早い段階から準備ができることから、余裕を持って学習を進められることも大きなメリットです。
 
都立中高一貫教育校が掲げる教育方針や、特定の部活に興味があるなど、進学したい明確な志望動機がある場合にもおすすめです。
 
ただし、中高一貫教育校には高校受験がないため、緊張感が失われやすく、中だるみしやすいという注意点もあります。目標を見失わないように、お子さん本人が意識を高く持つことはもちろん、保護者のフォローも重要となります。
 
私立ほどはお金をかけずに、恵まれた環境で学習に取り組める都立中高一貫教育校は、非常に魅力的な進路です。進学希望者も多いので、高い意識と意欲を持って、受験対策を進めましょう。
 

出典

東京都教育委員会　都立中高一貫教育校（中等教育学校及び併設型中高一貫教育校）とは
東京都教育委員会　都立高等学校、中等教育学校（後期課程）の授業料・入学料及び特別支援学校高等部の授業料について
東京都　令和5年度 都内私立中学校の学費の状況
東京都　令和5年度　都内私立高等学校（全日制）の学費の状況
文部科学省 私立高校授業料実質無償化がスタート！
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー