更新日: 2023.10.10 その他暮らし

ガソリン価格が高いのは「二重課税」のせい? ガソリン代の仕組みについて把握しよう

ガソリン価格が高いのは「二重課税」のせい?  ガソリン代の仕組みについて把握しよう
ガソリン代は、ガソリン税に対して消費税が課されており、いわゆる「二重課税」されている状況です。近年は、原油価格の高騰(こうとう)などの影響からガソリン代が大きく値上がりしており、家計が圧迫していると感じる方も多いでしょう。
 
政府は「燃料油価格激変緩和補助金(ガソリン補助金)」を通じて、ガソリン代をおさえるための施策を行っているものの、相変わらずガソリン代の高騰は続いています。こちらの記事では、ガソリン代の推移やガソリン税の仕組みなどについて解説します。
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ガソリン代の高騰が止まらない

資源エネルギー庁の給油所小売価格調査によると、2023年9月19日発表のレギュラーガソリンの価格は1リットルあたり182円でした。
 
2022年以降、ロシアのウクライナ侵攻などの影響から原油価格が高騰し、近年は右肩上がりで上昇しています。ガソリンの価格は、原油価格だけでなく、為替(かわせ)動向など多くの要素が関与しています。非資源国である日本は、石油を諸外国からの輸入に頼らざるを得ません。円安による仕入れコストの上昇もガソリン代が高騰している一因です。
 
消費者がガソリンスタンドで給油するときの小売価格は「原油価格+精製費+輸送費+企業利益+税金」と、さまざまなコストが総計されています。
 
ガソリン価格に含まれているガソリン税は、現在1リットルあたり28.7円で、暫定税率である25.1円と石油税2.8円が加算されています。
 
つまり、現在のガソリン税は1リットルあたり56.6円となっており、小売価格の約3分の1が税金です。ガソリン価格上昇のニュースが流れている通り、「ガソリン税が高すぎる」と不満を感じているドライバーも多いようです。
 

JAFは提言を行うもトリガー条項の発動はなし

一般社団法人 日本自動車連盟(JAF)は、政府に対してガソリンの小売価格にかける税金について再考を求める声明を出しています。
 
ガソリン代にはガソリン税が含まれていますが、ガソリン税に対しても消費税を課す「二重課税」が行われている状況です。JAFは、ガソリン税に消費税が課税される仕組みを疑問視しており、「Tax on Tax」の仕組みを解消するように求めています。
 
ガソリン代を抑制するために政府に求められているのが、「トリガー条項」の発動です。トリガー条項とは、ガソリンの平均小売価格が3カ月連続で「1リットルあたり160円を超えたとき」に、暫定(ざんてい)税率を免除する制度です。
 
もし政府がトリガー条項を発動すれば、ガソリン代が1リットルあたり25.1円安くなり、消費者にとっても大きな負担軽減効果が見込まれます。しかし、政府は東日本大震災の復興財源の確保を理由に、トリガー条項を発動しない方針を示しています。
 
残念ながら、トリガー条項の発動は期待できず、しばらくはガソリン代の高騰に悩まされる状況が続く公算が高いでしょう。
 

まとめ

マイカーを持っている方にとって、ガソリン代の高騰は家計に大きな問題となります。
 
原油価格の高騰や円安の進行など、ガソリン代が高騰する要因はさまざまです。ガソリン代を抑制する手段であるトリガー条項の発動は、残念ながら期待できません。また、現在、施行されている「ガソリン補助金」も、いつまで続くか不明です。
 
燃費を抑えるための運転を意識するなど、自分にできる対策を実践しながら、ガソリン代高騰の影響を抑えることが大切になるでしょう。
 

出典

JAF ガソリン価格高騰を受け、声明を発表 “自動車ユーザーの暮らしを守るためにも「当分の間税率の廃止」・「Tax on Taxの解消」を!
経済産業省 石油製品価格調査
経済産業省 燃料油価格激変緩和補助金
神奈川県石油協同組合 ガソリンと税金のおはなし
経済産業省 資源エネルギー庁 燃料油価格抑制の仕組み
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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