更新日: 2023.10.16 その他暮らし
生活保護を受給していますが、遺産が入りました。申請しないとどうなりますか?受給できなくなるのでしょうか?
保護の必要性がないとみなされることをおそれて、福祉事務所への報告を怠ると、大きなリスクが伴いますので、注意が必要です。
本記事では、生活保護受給者が遺産を相続した場合の影響について、申告しなかった場合のリスクとともに紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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遺産を相続する=利益が入るということ
生活保護は、経済的に困窮している方が、最低限度の生活を維持するために活用するものであり、売却して生活費に充てられる資産を所有していないことや、働ける状況にないことなどが受給要件になります。
つまり、利用できる資産や能力などをすべて駆使したにもかかわらず、最低限度の生活の維持が不可能な場合に、生活保護で補います。
遺産を相続することは「利益が入る」ことであり、最低限度の生活を維持できるようになった場合は、生活保護を受給する必要がなくなります。生活保護は、停止または打ち切りか、減額になる可能性があるでしょう。
相続した遺産の額により判断が異なる
相続した遺産の額によっては、生活保護の受給状況に影響しないこともあります。
遺産が少額なため、活用しても最低限度の生活が維持できないようであれば、生活保護が停止されたり減額されたりすることはありません。また、現金以外の遺産を相続した場合は、最低限度の生活の維持に活用できないと判断されることもあります。
例えば、売却しようにも買い手が見つからないような不動産を相続したときは、現金化することが難しいため、生活保護には影響しません。自分では判断できない場合も多いため、まずは、担当のケースワーカーに相談するとよいでしょう。
遺産の申告を怠ると懲役や罰金が科せられるおそれもある
遺産を相続したにもかかわらず、申告せずに生活保護を受給し続けることは、不正受給に該当する可能性があります。
生活保護法第八十五条によると、「不実の申請その他不正な手段により保護を受け、又は他人をして受けさせた者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する」とのことです。
ケースワーカーは、生活保護受給者の自宅を家庭訪問したり、口座情報を把握したりできる権限を持っています。大きなお金の動きがあれば、必ず発覚するため、無申告は必ずバレると考えたほうがよいでしょう。
生活保護受給者が遺産を相続する際には注意が必要
生活保護を受給している方が遺産を相続した場合は、利益が入ったとみなされて、受給が停止・廃止されたり、減額されたりする可能性があります。
遺産が入ったことを隠して生活保護を受け続けると、最悪の場合には、懲役刑が科されることもありますので、注意が必要です。場合によっては、相続を放棄したほうがよいケースもあるため、早めにケースワーカーに相談してみましょう。
出典
デジタル庁 e-gov法令検索 昭和二十五年法律第百四十四号 生活保護法第八十五条
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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