更新日: 2023.10.17 その他暮らし

ボーナスの支給額と手取り額が全く違います。どうしてこんなに少ないのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

ボーナスの支給額と手取り額が全く違います。どうしてこんなに少ないのでしょうか?
日本経団連の発表によると、多くの会社で2023年夏季のボーナス額は2022年夏季よりもマイナスとなりました。がっかりした人も多いでしょう。それに加え、支給額と手取り額が全く違うことに驚いた人もいるのではないでしょうか。
 
ボーナスは給与と同じように、支給される際には税金などが天引きされます。この記事では、ボーナスから一体、どのような項目がいくらくらい天引きされるものなのか、詳しく解説します。
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ボーナスから天引きされる項目その1. 社会保険料

ボーナスから天引きされる項目として、まず挙げられるのは、健康保険や厚生年金、雇用保険といった社会保険料です。
 
健康保険は国民の誰もが加入しなければならないもので、健康保険料は医療費一部負担の財源になっています。また、40〜65歳までの人は健康保険に加えて介護保険にも加入する必要があります。健康保険料と介護保険料はどちらも雇用主と折半(せっぱん)です。
 
計算式は「額面ボーナス(1000円未満は切り捨て)×保険料率÷2」です。例えばボーナスが30万円、東京都在住で41歳、協会けんぽに加入している人であれば、介護保険を含めた令和5年度の保険料率は11.82%なので、健康保険料は1万7730円になります。
 
厚生年金は会社で働いている人が加入できる公的年金です。厚生年金保険料は老後に受給する老齢厚生年金の財源になります。この厚生年金保険料も雇用主と折半して納めます。令和5年度の厚生年金保険料率は18.3%のため、計算式は「額面ボーナス(1000円未満は切り捨て)×18.3%÷2」です。先程の例と同じくボーナスが30万円だった場合、厚生年金保険料は2万7450円です。
 
さらに、雇用保険料もおさめなければなりません。雇用保険は失業したときなどに受給できる失業給付を運営している保険です。雇用保険料は、この失業給付の財源になります。令和5年度の場合、一般事業の雇用保険料率は額面ボーナスの1.55%で、そのうち0.6%を労働者が負担します。そのため、さきほどのボーナス30万円の人であれば、雇用保険料は1800円です。
 
これらを合わせると、41歳でボーナス30万円、東京都在住の人の場合、天引きされる社会保険料は4万6980円になります。
 

ボーナスから天引きされる項目その2. 所得税

ボーナスからは社会保険料だけでなく、所得税も引かれます。ただし、給与やボーナスから、あらかじめ天引きされる所得税は見込み額であり、正式な額ではありません。そのため、源泉徴収税とも呼ばれます。正確な所得税額は、年末調整によって決まります。
 
源泉徴収税額の計算式は「(額面ボーナス−社会保険料)×源泉徴収税率」です。源泉徴収税率がいくらになるのかは、課税所得金額がいくらかと、扶養親族がいるかどうかによって異なります。
 
さきほどの例と同じく、ボーナスが30万円、社会保険料が4万6980円で扶養親族が0人だった場合、源泉徴収税率は6.126%です。そのため、源泉徴収税額は1万5500円になります。
 

実際に受けとれる手取り額はおよそ8割!

ボーナスから天引きされるのは社会保険料と所得税です。いくら天引きされるのかは年齢や住んでいる場所、業種、加入している健康保険組合、扶養親族の有無などによって異なります。
 
例えば、東京都在住で41歳、扶養親族は0人の人がいて、ボーナスを30万円支給されたとしましょう。その場合、社会保険料で4万6980円、所得税で1万5500円が天引きされるため、実際の手取り額は23万7520円です。
 

出典

日本経済団体連合会 2023年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結結果
日本年金機構 厚生年金保険の保険料
厚生労働省 令和5年度の雇用保険料率
国税庁 賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表
全国健康保険協会 令和5年度保険料額表(令和5年3月分から)
国税庁 賞与に対する源泉徴収
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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