更新日: 2023.10.28 その他暮らし
郵便貯金がおろせない? 「郵政民営化」前の口座残高が凍結されるってなに?
本記事では、使っていない郵便貯金が凍結されてしまう理由について解説します。大切な資産を守るためにも、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
郵政民営化前の口座残高が凍結される理由
郵便貯金は、現在のゆうちょ銀行が扱う預金です。以前は国または日本郵政公社が運営してきた事業でしたが、2007年に民間企業(株式会社)による経営に移行され、ゆうちょ銀行がとり扱っています。運営母体が日本郵政公社からゆうちょ銀行に変わったことが、口座残高の凍結に関係しています。
本項では、通常の休眠預金の扱いと、郵便貯金の休眠預金それぞれの扱いについて解説します。
通常は長期の取り扱いがないと休眠預金となる
休眠預金とは、最後の取り引きから10年以上が経過し、その後も一切の取り引きがない預金のことです。2009年1月1日以降、取り引きがなかった預金は、休眠預金として民間公益活動に活用されることになりました。
しかし、基本的には、自分の預金が休眠預金となっても、通常は引き続き、元の金融機関で引き出しが可能です。手続きには、通帳やキャッシュカード、本人確認書類が必要となり、詳細な手続きは金融機関によって異なります。
預金者が亡くなっていた場合でも、所定の手続きを経て相続人が引き出すことが可能です。ただし、郵便貯金に関しては事情が異なるため、確認しましょう。
郵便貯金は民営化された影響で通常の休眠預金のケースとは異なる
郵便貯金における休眠預金の取り扱いは、郵政民営化にともなう一定の特例が適用されるため、一般の銀行とは扱いが異なるので注意が必要です。郵政民営化前に預けられた預金は、「旧郵便貯金法」が適用され、通常の休眠預金とは異なる扱いとなります。
2007年9月30日以前に預けられた定期郵便貯金に関しては、満期日から20年間の取り引きがないと、権利消滅の案内が送付されます。その後、2ヶ月以内に「払戻請求」がないと、権利は消滅してしまいます。
2007年9月30日以降の通常郵便貯金や通常貯蓄貯金には、通常の休眠預金のルールが適用され、最後の取り引きから10年が経過すると休眠預金となります。休眠預金となった郵便貯金は公益活動に活用されますが、必要な手続きを行えば払い戻しは可能です。
民営化後の郵便貯金は払い戻し可能
郵政民営化後の郵便貯金には注意が必要です。最後の取り扱い日、または満期日から10年経過すると、休眠預金となり、ATMやゆうちょダイレクトの利用制限がかかることがあります。ただし、旧郵便貯金法の対象外となるため、通常の銀行預金と同様、適切な手続きを行えば、払い戻しが可能です。
休眠預金になってしまった場合は、近隣のゆうちょ銀行、または郵便局の貯金窓口で払い戻し手続きが可能です。手続きの際は本人確認書類や届出印など、必要なものを持参するとスムーズです。
郵政民営化前の郵便貯金があるなら払い戻し手続きをしましょう
郵政民営化前の郵便貯金は特別なルールが適用され、20年以上放置した預金は権利が消滅する可能性があります。具体的には、2007年9月30日以前の預金で、満期日から20年間、取り引きがない口座です。該当する預金があれば、すぐに確認しましょう。
一方で、郵政民営化後の預金は、最終取り引き日から10年経過すると休眠預金となりますが、所定の手続きで払い戻しが可能です。
旧来の郵便貯金法と現行ルールの違いを理解し、適切な手続きを行うことで、大切な財産を守りましょう。心あたりがある方は早めに確認して、必要な手続きを行ってください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー