更新日: 2023.11.10 子育て
奨学金を借りていた息子が大学を辞めました。返済の免除や減額の制度はないのでしょうか?
では、一体どういった状況であれば免除や減額ができるのでしょうか。本記事では、奨学金の返済を免除や減額できるケースについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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JASSOの貸与型奨学金とは
奨学金は、日本国憲法第26条と教育基本法第4条第3項に基づいて運営されている教育政策です。日本国憲法と教育基本法に基づく教育の機会均等と人材育成の観点から、経済的な理由で進学が困難な優秀な学生に対して進学費用が貸与または給付されます。
なお、奨学金には貸与型と給付型がありますが、本記事で扱うのはJASSOによる貸与型奨学金です。
・JASSOの概要
最も利用者が多いJASSOは、奨学金、留学生支援、学生生活支援という、主に3つの学生支援事業を行う独立行政法人です。貸与資金は、返還金、財政融資資金による借り入れなどによって調達しています。
・貸与型奨学金とは
原則返済が必要な奨学金を貸与型奨学金と呼びます。JASSOの貸与型奨学金は、一定の学業基準や家計基準を満たしている学生が借りられる奨学金で、無利子型と有利子型があります。
貸与型奨学金が免除や減額できるケースとは
JASSOの貸与型奨学金は、大学を辞めても原則返済が必要です。ただし、返済の免除や減額が認められるケースが定められています。
※出典:独立行政法人 日本学生支援機構
・奨学金が免除されるケース
奨学金を借りていた本人(奨学生)の死亡や心身の障害によって返済が不可能になった場合には、奨学金の全部か一部の返済が免除されます。なお、心身の障害に関しては、障害による労働能力の喪失や、労働能力への高度の制限によって返済が不可能になった奨学生が対象です。
・免除の手続き方法
免除を願い出る場合には次の手続きが必要になります。奨学生が死亡した場合は、「貸与奨学金返還免除願」に、戸籍抄本と住民票などの公的証明書を添付してJASSOに提出します。心身の障害による免除の場合は、「貸与奨学金返還免除願」に、返済が不可能な状況を証明する書類と診断書の提出が必要です。
・奨学金が減額できるケース
経済的な理由で返済が困難になった場合には、返済期間を延長して月々の返還額を減額できます。対象になるのは、奨学金を借りる際に約束した月額での返済は難しいものの、減額すれば返済可能になる奨学生です。減額できるのは当初の返済月額の2分の1か3分の1で、利用期間は最長15年です。
なお、奨学金が減額の対象になるためには、年間収入金額が325万円以下(給与所得以外の所得を含む場合は年間所得金額が225万円以下)でなければいけません。
※減額返還は、毎月返還する割賊金を減額して、返還期間を延長するものです。返還予定総額が減額されるわけではありません。
・減額の手続き方法
減額を願い出るには、「奨学金減額返還願」か「マイナンバー関係書類」に、返済できない状況を証明する書類を添付してJASSOに提出します。なお、その際には不備の有無を確認したチェックシートも提出する必要があります。
規定のケースに該当する場合は免除や減額を願い出よう
JASSOで借りた奨学金は、条件を満たせば返済の免除や減額返還が可能です。ただし、免除は奨学生が死亡した場合や心身の障害を負ったケースが条件のため、対象になる人は多くないでしょう。
一方、減額返還は、経済的な理由が条件のため、免除よりは対象になる可能性が高いといえます。もし、大学を辞めた息子さんがいずれかのケースに該当するのであれば、規定の手続きを行って免除や減額返還を願い出ましょう。
出典
日本学生支援機構 月々の返還額を少なくする(減額返還制度)
日本学生支援機構 死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除
※2023/11/10 記事を一部修正いたしました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー