更新日: 2023.11.16 子育て

シングルですが、こども食堂の利用は「恥ずかしい」ですか? 親に噂になったら困ると言われましたが、金銭的に厳しいです…

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

シングルですが、こども食堂の利用は「恥ずかしい」ですか? 親に噂になったら困ると言われましたが、金銭的に厳しいです…
シングルで生計を立てることに難しさを感じている人もいるのではないでしょうか。特に、食費の問題は切実です。こども食堂のような施設を利用して、少しでも食費を節約したいのは当然でしょう。
 
しかし、子の祖父母である親の世代からは「恥ずかしい」との声があがることもあるようです。そこで今回は、こども食堂の利用は恥ずかしいことなのかを、社会的な偏見を解決していく必要性も含めて解説していきます。
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こども食堂とは? 全国にどれだけあるの

「こども食堂」とは、地域住民やボランティア団体が主催し、子どもたちに無料または安価で栄養豊かな食事を提供する場所のことです。生活困窮などで食事をとることが難しい子どもたちに、親子での参加も含めて温かい食事と交流の機会を提供しています。
 
こども食堂の目的は多岐にわたりますが、特に重要なのは、子どもたちにとって貴重な共食の機会を提供し、地域社会の中での居場所を作ることです。
 
この活動の全国的な広がりについて、「認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ」が地域ネットワーク団体とともに調査を行っています。その資料によると、こども食堂の数は、2023年2月13日の更新時点で7363ヶ所です。こども食堂の数は年々増えていますが、特に2020年2月からの新型コロナウイルス感染症の流行以降、2022年が最も多い増加数だといいます。
 
ただし、こども食堂は民間活動です。自治体への届出が不要なため、すべての施設を完全に把握することは難しいといえるでしょう。現在の数字は、あくまでも確認できた範囲でのものとされています。
 

利用することは恥ずかしい? こども食堂の課題とは

こども食堂の利用に関して、「貧困家庭と思われるのは恥ずかしい」と感じる家庭が少なくありません。このような感情は、社会的な偏見や自己責任論が原因とされています。実際、こども食堂の利用をためらう親子は、支援を必要としていながらも、周囲の目を気にして行動できないことも多いようです。
 
こども食堂を利用することは、恥ずかしい行為ではありません。しかし農林水産省の調査によると、食堂運営の課題として、支援が必要だと考えられる家庭の子や親に来てもらうことが難しいとの回答が約42.3%にのぼるという現実もあります。
 
問題の背景には、行政や地域社会がすべての家庭の事情を把握できていないこともあります。さらに、貧困家庭と見なされることへの羞恥心や屈辱感、それに、貧困を個人の責任と見る風潮が支援を受けることへの心理的障壁をつくりがちです。
 
こども食堂のような支援を周知し、社会全体で理解を深め、受け入れ、支えていくことが大切といえるでしょう。
 

こども食堂の必要性と社会的偏見の解決

こども食堂は、初期の段階では学校外での子どもたちの学習や体験と並び、「食」をテーマとした活動と考えられていました。その後、子どもの貧困が社会的問題として認識されるにつれて、子どもを支援することを目的とした食堂が増えてきたのです。そのため、今ではこども食堂を貧困対策として受け取る人が多くなり、社会的な偏見も生み出しています。
 
しかし、こども食堂の活動は、多くの支援と寄付のもとに広がりを見せているのも事実です。
 
社会的な偏見を排すには、こども食堂がもつ多様な可能性や価値を広めていく必要があります。例えば、子どもと大人の交流の場としての価値観です。そのためにも、「利用する者」イコール「貧困者」のイメージを払拭する必要があるでしょう。
 

シングル親子への支えと社会的課題

こども食堂は、一人親家庭などの生活を支えるための重要なサポートの場となり得るものです。社会の偏見は気になるでしょうが、利用することは決して恥ずかしいことでありません。
 
しかし、この問題の根本的解決には、ボランティアに頼らない国や自治体による積極的な支援が不可欠といえます。そのうえで、将来的には、こども食堂がなくても大丈夫な社会を目指すことが必要でしょう。
 

出典

農林水産省 こども食堂と連携した地域における食育の推進
農林水産省 子供食堂と地域が連携して進める食育活動事例集(P12)
むすびえ こども食堂全国箇所数調査 2022 結果(確定値)のポイント
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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