更新日: 2023.11.21 その他暮らし
「タイヤの脱落」は大型車だけではない!? 冬タイヤへの交換前に確認したい「脱落の前兆」や「防ぐ方法」について解説
自分でタイヤを交換する人はもちろんのこと、業者に依頼する場合も「増し締め」などが必要です。本記事ではタイヤの脱落が起こる原因と対策について解説します。
執筆者:山根厚介(やまね こうすけ)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
タイヤの脱落はなぜ起きる?
タイヤが脱落する原因は複数考えられます。代表的なものを紹介します。
ホイールが適切に取り付けられていない
まず考えられる原因として、車体にホイールが適切に取り付けられていないことが挙げられます。例えば、ホイールを固定するホイールナットは「締め付けトルク」が車種によって決まっています。
締め付けトルクとは、ナットを締める際に必要な力のことです。締め付けトルクが不足していると、走行しているうちに徐々にナットが緩む可能性があります。
ただし、強く締め付けすぎること(オーバートルク)もよくありません。ボルトに負担がかかり、走行中にボルトが折れる可能性があるからです。また、自分で行う際には作業ミスも考えられます。例えば、仮止めしたボルトの本締めを忘れてしまうことは、ありがちなミスです。
不適切なホイールナットを使っている
ホイールナットにはテーパー座、平面座、球面座など複数の種類が存在しますが、ホイールに合ったものを使わなければなりません。
異なるナットを使った場合でもサイズは同じため、一見するときちんと取り付けられたように見えます。しかし、ホイールとナットが正しくかみ合っていないため、ナットが緩む可能性があります。
初期なじみによるナットの緩み
適切なホイールナットを使い、決められた締め付けトルクでホイールを取り付けたとしても、ナットが緩むことがあります。ホイールとナットの接合面の細かな凹凸などがなじむこと(初期なじみ)が原因です。放置するとナットが外れる可能性があるため、「増し締め」が必要です。
増し締めとは、ナットが規定の締め付けトルクで締まっているかをチェックし、不足していればさらに締め付けることです。
タイヤが脱落する前兆
タイヤが脱落する前には前兆があります。まず、タイヤの辺りから「ゴトゴト」といった異音が発生しがちです。筆者は実際に、過去にタイヤが脱落しそうになったことがあるのですが、タイヤから「ゴトゴト」という音がし始めたために脱落前に気付くことができました。
また、前輪のタイヤホイールが緩んでいる場合には、ハンドルを操作すると違和感があるでしょう。例えば、直線なのにハンドルをとられるような感覚などが起こります。
ただし、ハンドル操作がバイワイヤで制御されている車では感じられません。これは、従来のハンドルがタイヤまで直結しているのに対して、バイワイヤでは電気的にしかつながっていないからです。
タイヤの脱落を防ぐためには
タイヤの脱落を防ぐための方法を紹介します。
適切に取り付ける
都市部と比べ積雪量の多い地域などでは、タイヤ交換を自分で行っている人も多いでしょう。自分で行う場合は、適切に取り付けることが必要です。前記で紹介した3つの点に注意して、取り付けるようにしてください。ホイールに合った適切なナットを使うことや、決められた締め付けトルクでナットを締め付けることは特に大切です。
交換後にしばらく走ったあとでナットの緩みを確認する
ホイールを適切に取り付けても初期なじみによりナットが緩むことがあるため、交換後にしばらく走ったあとで緩みの確認をすることが必要です。自分で交換した場合だけでなく、業者に依頼して交換した場合でも必ず確認しましょう。
遠出をする際などは事前に緩みを確認する
遠出をする前にはホイールナットに緩みがないか確認しておきましょう。特に高速道路を利用する際は、異常が発生した場合にすぐに停車できるとは限らないため、事前に確認しておくことをおすすめします。タイヤの空気圧なども併せて確認しておくと安心です。
まとめ
大型車に限らず、ホイールが適切に取り付けられていない場合や、不適切なホイールナットを使用している場合などは、普通車でもタイヤが脱落するおそれがあります。
タイヤの脱落を防ぐため、決められた締め付けトルクでナットを締め付けることや、ナットの緩みを適宜確認するなど、適切な取り付けや点検を行いましょう。
出典
一般社団法人日本自動車工業会 ホイール脱着後は増し締めを確実に!
執筆者:山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士