「派手な髪」や「ヒゲ」などが目立つ従業員がいます。ファッションを理由に降格させることは可能ですか?
配信日: 2023.11.25
そこで、本記事では髪色やヒゲなどファッションを理由に何らかの処分ができるかどうかについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ポイントは会社の運営に影響するかどうか
本来、ファッションは個人の自由ですが、仕事をするうえでは会社の秩序を乱さない程度でなければなりません。特に、入社前に身だしなみについて説明され、かつ会社規定などに記載されている場合は従業員も守らなければなりません。
何らかの処分を行えるかどうかのポイントは、次の条件に当てはまっている場合です。
・会社の運営上必要かつ合理的な範囲を超えている
前述したように、基本的にファッションは個人が自由に楽しめます。そのため、会社側ができるのは会社の運営上で必要であり、合理的な範囲内で制限することです。例えば、営業を担当している従業員が髪色を明るい茶色や金髪などに染めていたり、ヒゲがあったりするのは業務上の理由で避けたほうがよいといえます。
身だしなみの基準については会社規定などに記載していれば、従業員もそちらを参考にファッションを楽しめます。会社規定などに記載されているにもかかわらず、業務上ふさわしくない身だしなみをしている場合は口頭で注意することからはじめる必要があるでしょう。
・会社規定などに記載されていない場合
会社規定などに特に記載されていない場合は、髪色やヒゲなどを理由に何らかの処分をするのが難しい面もあります。これは日常生活でも、会社で制限されている範囲内でのファッションしか楽しめなくなるからです。
そのため、身だしなみに関して、複数の顧客からのクレームや会社の運営上で信頼を失いかねないほど不快感があるといったケース以外は、懲戒処分をするのが困難といえます。
懲戒処分するまでの段階
会社の運営上必要かつ合理的な範囲を超えている身だしなみだったとしても、いきなり降格処分にするのは難しいと考えられます。本人が身だしなみをルールに沿ったものにするチャンスは必要です。懲戒処分として「降格」は重い処分であり、簡単に科すものではありません。
一般的に、懲戒処分の段階は次のとおりです。
・注意指導を行う(戒告あるいは譴責)
まずは、本人に身だしなみを直すように注意指導します。この段階は口頭やメールなどで注意する「戒告」、始末書の提出を求める「譴責」のいずれかです。懲戒処分のなかでも軽い処分といえます。
・減給処分にする
注意指導したにもかかわらず、身だしなみを変えなかった場合は次の段階である「減給」になります。給料から一定額を差し引くという処分です。減給期間は、本人の様子を見たうえで決められます。
・出勤停止
一定期間、本人の出勤を停止処分とし、働けない状態にします。この間給料は発生しないため、収入がない状態です。
・降格あるいは降職
出勤停止となっても反省の色がない場合は役職や職位、職能資格などを引き下げます。
ファッションが理由で降格処分にするのは困難
勤務中の身だしなみは運営にかかわってくることも多く、特に営業や受付など取引先に出入りしたり、多くの人と接する機会があったりという場合は身だしなみに清潔感があることは重要です。
ただ、身だしなみが派手すぎるからといって、すぐに降格処分にするのは現実的ではありません。注意しても改善されないようであれば、段階的に重い処分を科すことになります。
まずは、口頭や書面での注意からはじめましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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