「地方は物価が安くて暮らしやすい」って本当? 給与が低くて車必須なら、生活費は「東京」と変わらない?

配信日: 2023.11.26

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「地方は物価が安くて暮らしやすい」って本当? 給与が低くて車必須なら、生活費は「東京」と変わらない?
都会と地方では物価の違いが大きいという話を聞いたことがある人もいるでしょう。地域によりますが、職場やお店までの移動距離が長く、車必須というところもあり、その場合はガソリン代や車両維持費などが必要です。給与が低い場合には生活にも影響する可能性がないとはいえないでしょう。
 
そこで、本記事では「地方は物価が安く、暮らしやすい」が真実なのか、都市部と比較して解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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各都県別の平均収入や平均支出額を比較

大都市として東京、地方は比較的大都市近くにある県である山形県、岐阜県、兵庫県、岡山県、佐賀県を例に挙げました。これらの都県の「住居費なしの支出と平均の家賃」、収入などを比較します。
 
平均家賃は、全国賃貸管理ビジネス協会の2023年10月に発表された「全国平均家賃による間取り別賃料の推移」の2部屋ある部屋の家賃を参考にしました。
 
また、支出額(住居費を差し引いた金額)は厚生労働省が2022年に発表した「家計調査 家計収支編」(東京は都区部、そのほかは県庁所在地)、収入は厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」を参照しています。
 
・東京都
東京都の平均年収は375万5000円で、今回比較する5つの県と比較して最も高い収入となっています。1ヶ月当たりの合計支出額は37万6723円(平均家賃は8万5078円、平均支出額が29万1645円)です。収入や家賃が最も高いのに比べ、支出額はほかの県と極端に違うわけではありません。
 
・山形県
山形県の平均年収は254万6000円で、合計支出額が31万3636円(平均家賃は5万3209円、平均支出額が26万427円)です。
 
・岐阜県
岐阜県の平均年収は292万7000円、合計支出額が34万8861円(平均家賃は4万9267円、平均支出額が29万9594円)です。
 
・兵庫県
兵庫県の平均年収は312万3000円、合計支出額が33万6376円(平均家賃は6万44円、平均支出額が27万6332円)です。
 
・岡山県
岡山県の平均年収は285万2000円、合計支出額が34万537円(平均家賃は5万7262円、平均支出額が28万3275円)です。
 
・佐賀県
佐賀県の平均年収は265万円、合計支出額が30万158円(平均家賃は4万8611円、平均支出額が25万1547円)です。
 

支出額(家賃以外)は東京と地方に大きな差はない

東京都とほかの5つの県を比較すると、年収や家賃が高いのは東京都です。合計支出額も東京都が最も高い金額になっていますが、これは平均家賃が2~3万円前後高いことが理由といえます。家賃を差し引いて1ヶ月当たりの平均支出額のみを比較すると、東京都とほかの県との支出額に大きな差はありません。
 
特に、岐阜県は平均支出額が東京都より数千円ほど高くなっており、平均年収は70万円前後低いにもかかわらず支出額が高いという結果です。ただ、地方は全体的には家賃を東京都よりも安く抑えられる傾向があるため、東京都、地方どちらに住む場合であっても暮らし方次第といえるでしょう。
 

地方だからと極端に支出額が安いわけではない

地方は東京都など都会と比較して物価が安く、暮らしやすいといわれています。ただ、実際に年収や家賃、支出額などを比較してみると、東京都のほうが年収は高いにもかかわらず、支出額に極端な差がないことがわかりました。
 
地方だから暮らしやすいとは一概にいえないものの、家賃は東京都のほうが高いため、その点は地方のほうが暮らしやすいといえるでしょう。賃貸ではなく地方の実家に住むのであれば、なおさらその傾向は強くなるでしょう。
 

出典

厚生労働省 家計調査家計収支編 2人以上の世帯 詳細結果表1世帯当たり1か月間の収入と支出 2022年 1-1表
厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査の概況
全国賃貸管理ビジネス協会 全国平均家賃による間取り別賃料の推移
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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